うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 五十一

2009-09-17 04:53:05 | 日記

花が葉になる東京よさようなら<o:p></o:p>

東京滞在はいかがでしたか。中央俳壇といろいろ交遊がなされたようですね。観光もなされましたか。お花見の季節、花見は上野ですか、或は隅田川でしたか。<o:p></o:p>

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こころむなしくあらなみのよせてはかへし 日本海岸<o:p></o:p>

荒涼とした海、岩に押し寄せる荒波が砕けて白く四散します。ひねもすのたりの穏やかな海は望めそうもありません。この海は母の温かく差し伸べる様相もなく、心は冷え切ります。<o:p></o:p>

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砂丘にうづくまりけふも佐渡は見えない<o:p></o:p>

茫洋とした海原にしばし我を忘れています。日本海の暗い空模様は己を拒絶しているように、陽も無情に顔を見せません。沖合いの佐渡はいつになったら望めるのでしょうか。旅人は砂丘に腰を落とし膝をかかえて、しばし時間を過ごします。<o:p></o:p>

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水底の雲もみちのくの空のさみだれ<o:p></o:p>

荒れる海が、曇天の雲の足早に移行する様を浮かせます。見上げればさみだれが落ちてきました。海は表情を変えずに呑みこんでいきます。<o:p></o:p>

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あうたりわかれたりさみだるる<o:p></o:p>

荒れる海岸を行きます。空模様もそれに習ってさみだれを降らせます。そして瞬時に陽を覗かしたり、雲間にかくれて雨を落します。<o:p></o:p>

さみだれも旅人にとっては旅の友として、歓迎したい自然の恵みではないでしょうか。<o:p></o:p>