うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 四十

2009-09-06 04:40:52 | 日記

句集 草木塔()に入ります。ここには句集「草木塔」より雑草風景・柿の葉・銃後・孤寒・旅心・鴉が収載されております。<o:p></o:p>

雑草風景<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

柿が赤くて住めば住まれる家の木として<o:p></o:p>

この先真っ直ぐ行きますと、大きな銀杏の木があります。そのお宅がそうですよ。柿が熟して真赤に色づき夕陽に光ります。草庵の木として信任を得ました。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

よろめいてこほろぎかよみごもつて<o:p></o:p>

毎夜鳴き続けた蟋蟀さんよ。そろそろ御用納めですか、おやおやすっかり肥って満足に歩けませんね。なるほど子孫を仕込んでいるわけですか。大事にして下さい。来年は一段と賑やかになりますね。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

日かげいつか月かげとなり木のかげ<o:p></o:p>

草庵の佇まい、大きくいえばさながら小宇宙の趣きを感じます。現世の輪廻を太陽、月、木とが演出します。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

残され二つ三つが熟柿となる雲のゆきき<o:p></o:p>

一人住まいの柿の木となれば、ご近所にご相伴しても食べきれません。二つ三つ四つと取り残した柿が、こぼれ落ちるように熟しています。おそらく数々の鳥の餌に残して置いたのでしょう。熟柿が流れる雲を背景に、真赤に赤が映えます。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

みんなではたらく刈田ひろびろ<o:p></o:p>

山頭火好みの一大パノラマです。一家総出で稲刈りですか、猫の手も借りたいとは、まさにこの場合に当てはまります。親父も婆ちゃんも、女房も爺ちゃんも、倅も娘も今日は学校は農繁期の休校です。今しも一人の娘が、大きな風呂敷包みとヤカンを持って畦道から大声をかけます。