うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 四十六

2009-09-12 04:36:10 | 日記

日の光ちよろちよろとかげとかげ<o:p></o:p>

庭に何気なく目を向けます。お日さまがいっぱいに光を広げています。そんな日向の中、何を血迷ったかトカゲが草叢から顔を覗かせました。眩しそうに、瞬きするように辺りを見回しています。山頭火にとってトカゲは可愛い存在です。<o:p></o:p>

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炎天の稗をぬく                                                    <o:p></o:p>

炎天下、農夫の仕事は過酷の一言です。しかし貴重な仕事です。もう稲刈りは済んだのですか、年貢として地主に無事に納めたのでしょうか。山頭火しきりと気になるところです。家には祖母の寝込んだときに粥を作る米しか残せません。そうです、稗が農夫の飢えを凌いでくれる大事な作物です。<o:p></o:p>

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もう枯れる草の葉の雨となり<o:p></o:p>

春、秋と過ぎて青草も自然の営み、徐々に枯れていきます。青葉にふる雨は瑞々しく葉にやどり、水玉となってやさしく地に落ちます。冬近く、枯草の葉には、雨を受け止める力は既にありません。雨は無情に地面に吸い込まれていきました。<o:p></o:p>

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くづれる家のひそかにくづれるひぐらし<o:p></o:p>

お布施を願ってお経を読む山頭火の目は、残酷にそして柔らかく向けられます。貧農の家は軒は傾き、周りの荒壁は徐々に崩れ落ちていくさまが見られます。活気ある子供の声もなく、赤子の泣き声もありません。経読む声が震えます。<o:p></o:p>

夕餉の食事の支度は出来るのでしょうか。山頭火静かに軒先を離れていきました。<o:p></o:p>