観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「多重下請」「保険」「相続」「農業」「医者の給与」「解雇規制」「国民年金」を考察する予定。

皇統断絶の危機に関する一考

2019-02-12 17:18:57 | 日本史
皇統断絶の危機に関連して、筆者は旧宮家の方を皇族に列するより、神話や古の時代の女性天皇の活躍に因んで直系の女系の方が皇室の伝統を守ることになると考えています。旧宮家は江戸時代の制度を明治政府が引き継いだものですが、旧宮家が超傍系になるという事情は明治時代においても同じで、1886年に出された皇室典範最初の案は女性天皇容認・女系継承容認だったようです(出典に関しては何時か機会がありましたら勉強しておきます)。戦前は華族も皇室を守る藩屏として存在しており、貴族院が上院でした。新制度(女性天皇こそ伝統ではあり、皇祖神以来の伝統が明治政府に断絶させられたのですが、女系天皇に関して)の創出に反対が大きかったと考えられます。現在においては旧宮家の復活自体が新しい動きになりますが、現在の皇統もそうですが、旧宮家も江戸幕府の強い影響を受けていると考えられ、長期間に渡る臣籍降下とあわせて(臣籍降下した旧皇族とは即ち源氏や平家のような武家・貴族と変わりありませんが、華族制度そのものが現在ありません)、わざわざ復活させるハードルは高いように思えます)

女系容認は抵抗も大きいようですので、これ以上持論を繰り返したり付け加えたりしませんが、とりあえず女性宮家を創ることは脇において、女性皇族がご成婚された時、臣籍降下しますが、姓を創って婿をとれるようにしたらどうかと思っています(現在においてそれが出来るのであればそれでいいと思うのですが)。皇室典範第十二条に「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」とあるのですが、姓についての規定がないようです。民法第750条に「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」とありますが、皇族に基本的には氏がなく、民間では婿取りが出来るのに皇族では出来ないようにも見えます(姓や氏がない民間人は有り得ないでしょう)。臣籍降下とは基本的には民間人になることですので、よくよく考えてみれば、これはおかしな話と言えばおかしな話です。宮家に生まれた女王殿下は旧宮家のように宮名を名乗れば(可能でなければそのように法改正すれば)良いのかもしれませんが、直系の内親王殿下はそうはいきません。

筆者としては皇統断絶の危機ですから、少なくとも直系の内親王殿下ぐらいは婚姻しても皇族に止まってはどうかと思っていますが、そういう話はとても動かなそうです。そうこうしている内に女王殿下は勿論、内親王殿下も適齢期になってきています(眞子内親王に関連していろいろ話もありました)。ですから、この辺の話はそう遠くない内に動いてほしいと思っています。ですから別に持論を変えるつもりもないんですが、臣籍降下しても婿をとれればどうかなと思った次第です。皇族の女性が働いて稼ぐという訳にも中々いかないかもしれませんし、臣籍降下するのですから家業を継がせる訳でもありません。立派な方と一緒になっていただく必要はあると思いますが、皇族に由来する証に家名だけどうにか出来ないだろうかと思った次第です。別に華族制度がある訳でもないんですが。皇籍がなくて家名しかないのは旧皇族の子孫の方も同じなんですよね。これで同列と言えば同列です。皇統の危機が本当に近づいてきたら、議論もまた盛り上がってくると信じますが、今現在議論の気運が全くないので、当たり障りがないところで皇籍に関わらない部分だけどうにかしたらどうだろうかという考えです。民法で婿をとって女性の方の姓を名乗れることに誰も異論がないのですから、皇族だけそれが出来ないのだとしたら、法の抜け穴を塞いでおく必要があると思います。皇族と言えど、民間人になる時は民間人で出来ることは出来るべきです。

旧宮家や旧華族の方に関して言えば、貴族制度復活の気運があるように思えません。旧宮家の方を皇族に復帰させたり、皇族に列する話も手を挙げる人がおらず、具体的な話もないようです。現代の藩屏(文藝春秋2016年10月号 日の本)という記事・ページによれば、旧華族の親睦団体である霞会館ですが「メンバーからは、「自分たちは子どもの頃に、皇族と一緒に過ごす時間もあったが、若い世代はそれがない。堅苦しい集まりと思うだけじゃないかな」(元皇族の賀陽宗徳氏、81)との声も聴かれる。」とのこと。ただ、現在会員名簿に夫人の名前も記載可能で、元華族の家の夫人、令嬢であれば、女性だけでも霞会館の施設を利用できるようですが、当主や後継者が女性だと会員資格は無いようです。伝統的な組織ですし、女性差別とは全く思いませんが、旧宮家の団体にしては、江戸時代以前の歴史は踏まえていないような気はします。江戸時代以前は女性天皇も可能で特に古代ほど皇室における役割は大きいものでした。江戸時代においては武家でも婿をとって家名を継がせることは一般的だったようです(参考:武家は男系どころか血統も気にしないのはなぜか 教えてgoo)。これは家名を継ぐには女系を認めないと中々上手くいかないことによるようですが、江戸時代という平均寿命が短い時代の制約もあったかもしれません。いずれにせよ、制度としての華族は既にありませんし、女性当主も認められてもいいんじゃないかと思います。まぁ婿入りしたらあるいは男性が当主として会員になれるのかもしれませんが、そうだとしたら、そちらの方がおかしな話です(ただし、おかしな人を当主にしたりはしないだろうと推測します)。元々皇祖神天照大御神は女性神ですし、伊勢神宮の祭主は戦後に女性が就任しています。元より古代において女性天皇の役割は大きかった訳で(記紀でハッキリしているだけでも、天皇と認められていないものの、事実上のリーダーだった女性に神功皇后・飯豊青皇女もいます)、女性天皇が認められない現在においても、もう少し何らかの形で皇族に準じる女性が認められていいような気もします。少なくとも今のままだと皇族の減少で公務の維持が難しくなるのであって、女系を何らかの形で認めるか、空前絶後の超傍系でも新しく皇族にどなたかを列して家を創るしかありません。

ちなみに岩手県、宮城県、秋田県など東北地方では、男女の別を問わずに第一子が家産を相続する慣行が見られたのだとか。

揉めそうな女系や旧宮家の話はこの辺にして、一番大事なのは、悠仁(ひさひと)親王の系統が続くことです。それが一番丸く収まる話ではあるんですよね。ただ、1本の系統で大丈夫なのかという話ですが、死亡率が下がった現代においては、まぁ大体大丈夫と言えば大丈夫のように思えます。始めからそのように意識していればですが(想像もつかないプレッシャーでしょうか)。子供さえ出来れば、何故か高確率で望む性別の子供が出来るそうです(お米の国の何とかという博士が考えた方法があるという話です)。どこかの人口大国(男女比で男性が女性より多いようです。日本では寿命の違いか女性の方が多いそう)みたいで筆者は全く1ミリもお勧めしませんが、そういう話があるらしい。真偽は何とも言えませんが。こういうのは運を天に任せるべきとは思うんですけどね(男ばかりの世の中なんて)。そう考えてみると、やはり皇統断絶の危機は並大抵ではないように思えてきました(手なら幾らでもあるでしょうが、普通でない方法にロクなものはありません)。少しでも問題が良い方向に進むことを望みたいと思います。

最後に保守の父と呼ばれるバークの名言(エドマンド・バークの名言 ウェブ石碑)

>祖先を顧みようとしない人々は、子孫のことも考えまい。
>変革の手段を持たない国家は、自己保存の手段も持たない。
>悪が栄えるために必要なのは、善人が何もしないことである。

何もしないのは保守じゃないんですよ(保ってないし守ってないのだから、無ですよね、無。日本人はドイツ人哲学者ニーチェが好きな傾向があると思いますが、ニヒリズム(虚無主義)と親和性があるのかどうか)。ましてや明らかな断絶の危機を前にして。

ただバークの国の王位継承者は薬が効き過ぎたか5000人ぐらいはいるようです(出生率はアメリカと並んで1.8あるそう。自己保存本能・・・)。過ぎたるは猶及ばざるが如しか。エライことになっておりホットな話題もあるようですが(なるべく早く触れるつもりではありますが)、面白い国ではありますね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿