観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

第5波が収まった理由

2021-10-18 12:00:38 | 厚生労働
今の急激な感染者の減少は集団免疫の達成で説明できると思います。今までは感染症対策が効果を発揮してもリバウンドがありましたが、今回はそれがありません。時期的にワクチンが効果を発揮したと見るのが自然で、反論としては海外ではワクチンによる集団免疫の達成が上手くいっていない国が多いことが挙げられますが(例えばイギリスでコロナは収束していない 感染4万人超も気にしない?“コロナと生きる”英国 yahooニュース 10/17(日) 22:30 テレ朝news >死者数はピーク時に比べて減ったものの、今も平均して1日100人以上が亡くなっています。どちらも日本を大きく上回り、決して良い状況とは言えません。感染症の専門家は、今年の冬が正念場だと指摘します)、日本の場合、マスクの着用率等の数字に出にくいファクターXの存在(アジアの感染の広がりにくさ)、mRNAワクチンの効果の高さ(同じアジアの韓国は減少が遅れた様子)、活動率が高い層がワクチンが打ち立てであること(時間と共に抗体価は減少し、接種が進んでいたアメリカやイスラエルで感染拡大がおこり、イスラエルでブースター接種が功を奏したといいます(イスラエルで新型コロナ急減、3回目接種や証明書などが奏功 ロイター 2021年10月15日>専門家はワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)やワクチンパスポート(接種証明書)、マスクの着用義務などが功を奏したと指摘している))が、集団免疫の閾値を下げているのではないかと思われます。またワクチン接種が活動的な層にワクチンが効果を発揮するまで活動を控えさせた可能性も考えられると思います。

ただ第5波の収束が始まった原因をワクチンに求めることは出来ません。ワクチンの(あまり活動的でない)高齢者層の接種が終わり、一般接種が始まった時期はそれほど早くないからです(当初、ワクチンで第5波を抑えられると見た人はいませんでしたし、実際第5波はワクチン接種状況に関わらず起こりました)。だとすれば、何が功を奏したと言えるのかと言えば、緊急事態宣言が効果を発揮し、五輪がステイホームを促し、第5波感染拡大を伝える報道が活動的な層の行動抑制を促したのだろうと思います。

なお死亡率の高い40歳代~50歳代の接種を優先すべきだったという論調がありますが、活動的な層ほどワクチンを望んでいたとすれば、若者の接種を呼びかける声が集団免疫の達成を早める上で効果があった可能性もあります。いずれにせよ、第5波は高齢者接種後に来たので、仮に40歳代~50歳代を優先したとしても、それほど影響があったかは分かりません。若者は大丈夫という(誤った)メッセージを送ることで集団免疫の達成が遅れた可能性もあります。

参考
新型コロナ第5波を振り返って 過去最多感染者数と低下した致死率 今後取るべき対策は?(忽那賢志 感染症専門医 9/30(木) yahooニュース)
“第5波”はなぜ急激に減少したのか 尾身会長が語った5つの要素(9/28(火) 22:21 yahooニュース )
画像診断医k 屋代香絵氏・知念実希人 小説家・医師氏のツイート