観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「医者の給与」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

日本企業の業績を上げるには

2024-04-30 02:18:38 | 経済財政
日本企業の業績を上げるには、日本人の消費や投資が増えないといけない訳ですが、そのために良く言われるのは消費税下げです。これは本当に効果があるんでしょうか?勿論、単純に消費税が下がるだけなら、効果はあります。ただし、消費税は単に徴収されるだけでなく、再分配の原資になりますから、それだけをとって消費が増えるとは実は言えません。再分配した先が消費しないなら、消費は減るでしょうけれども。よく考えてみてください。消費税が下がることは、お金持ちにも効果があるんです。お金持ちが消費税が下がって余裕が出来た分、海外投資なんかしたら、全く逆効果な訳です。そして今、海外投資が流行りで円安が進行していると言います。これでは消費税を下げる意味がありません。勿論、円安を止めるために金利を上げても、日本での投資が減るだけですから、逆効果です。大事なのはピンポイントにお金を貯めている層から、お金を使っている層、日本投資、日本で自分に投資をしている層にお金を移動させることなのは明らかです。これが出来れば、日本企業の業績は確実に上がるはずです。消費税下げは雑過ぎて意味がないんですね。金利を上げて海外投資が止まったとしても、普通に貯蓄が奨励され、デフレになるか、乗数効果の低い政府支出が増え、政府の収支バランスが悪くなるだけの展開になるのは目に見えています。誰かを得させて誰かを損(貯蓄や海外投資が出来なくなるだけですが)させることを考えるのは嫌な仕事かもしれませんが、誰かがやらねば、このままでは日本経済は滅びます。今の超少子高齢化の進展がもたらす弊害はそれだけ厄介なんですね。

具体的に考えてみましょう。まず少子化対策は絶対に効果があります。子育て世帯は若い世帯で消費がしたくても出来ない層で自分に投資している(教育ローンや住宅ローンを抱えている)層だからです。無論将来的に市場を拡張する意味もありますが、即効性に注目するべきでしょう。

次に高齢者の負担を考えますが、所得のある高齢者の負担の引き上げは基本的に正解です。お金を使わない高齢者にお金を滞留させていることが、超高齢化社会を迎える日本経済の問題点です。逆に言えば、食べるものに困ってカツカツの高齢者から取る意味は経済的にもありません。ここで考えてみたいのは老後の収入・蓄えとは?です。現役と同じように働いている人は現役と同じように扱えばいいでしょう。問題は年金収入ですが、国民年金が少ないことは明らかです。無論払ってきてないからではあるんですが、国民年金は少なくとも(月々の支払いがほぼない)自宅があることが前提でないと、生活できず、結局生活保護か親族に迷惑をかけるか死ぬかしかありません。従って、国民年金も払えないような人は、厚生年金が貰える仕事につくべきであって、国民年金で将来的に生活できない人も、厚生年金を貰えるような仕事につくべきということになります。これが出来ないと社会のお荷物になると言われても仕方がありません。将来的なことを予測するのは難しいですが、このぐらいのザックリしたライフプランは皆やってもいいのかもしれません。厚生年金の水準の妥当性を考える必要もあるかもしれませんが、恐らく家賃を払ったら、カツカツぐらいの水準なのではないかと思います。それを意識したライフプランは考えておくべきですね。家の承継や修繕の問題もあるでしょうが、ここではさておきます。

次に蓄えですが、現金での蓄えは今後、インフレで目減りしていきます。ヘソクリ信仰は止めるべきでしょう。預金での蓄えも、今の借りる人がいない日本社会では目減りの方向です。日本経済的には貯める人は特に必要ないんです。勿論、何かあった時のための一定の資金はあっていいとは思いますが、そのために保険があるというのは本筋ではあります(ここではさておきます)。土地は住むところとしては、必要です。遊休資産・投機用資産としては必要ではなく、放出を促すことを考えるのは重要だと思います。企業活動のための投資用資産としては必要です。建物が丈夫であることも、無駄な出費を抑える意味で重要で、流用し易い資産にしておくことも重要だと思います。何かあった時に売却できないのは問題ですから。無駄に建て替える必要もありません。建築業界は人手不足で、必然的に賃金が増えます。技術的に設計的に追加コストが抑えられるなら、それに越したことはありません。際限なく建築業界を拡張しても、働く人がいないのでは意味がありませんし、コスト高では結局必要な建築もなされず、危険な建物が止むを得ず(払えるのに不当に放置している方には負担してもらわなければなりませんが)放置される流れになると思います。まぁコスト高が丈夫な建物の需要を増やす方向に持っていくのも重要ですね。壊れていない建築物の「修繕」を促す悪徳業者がいるとしたら、潰すことも重要です(ビッグモーターのような壊れてないのに壊してお金を要求する(水道)業者とかいませんよね?)(その手の人物は労働者になってもらって、適切な人が監視するか、手抜きがダイレクトに帰ってくる仕事につくしかないかもしれませんね)。残るは株ですが、これは皆でやれば上がっていくはずです。問題は(超少子高齢化で)上がると思われていないことです。株が物価の上昇より上回って上がることが定着すれば、預金とのバランスを考える事態になっているかもしれませんが、取らぬ狸の皮算用をしても仕方がありません。株を上げるために企業収支の改善、日本の消費投資を増やすことを考えている訳なので、この問題は今は取り上げません。ただ株が上がる度に株が利確で売られたら、何時まで経っても上がりません。株の売却収入に対して現状では政府は厳しくあっていいんじゃないかという気がします。定期預金よろしく長期保有を促すべきでしょう。

海外投資について考えるとNISAが海外投資を促している側面があると思います。日本人が資本を増やすことに意味があるので、何処で運用しても同じなのですが(日本株が上がらなくても実は構わない)、問題は現状で円安(資本の海外逃避)が促されているということです。適切な為替水準が維持されることが重要ですから、今は資本の海外逃避に厳しく当たるのが正解だと私は思います。借りる人がいないので、緩和はせざるを得ません。従って、金利差が意識されます。適切に皆が動けばいいと思いますが、一斉に動くので、極端な資本の海外逃避が起きています。要は逃げ易いんです。日本人が日本に投資したくなるような国作りが大切ですが、買い叩かれては堪ったものではありません。皆で日本株をやれば日本株が上がるのは分かり切っていますから、資本の海外逃避を防いでも実は損をしないと私は考えます。円高不況になったら、逆を考えるべきかもしれませんが、今は検討しません。

最後に教育投資を考えると、若いうちは生涯年収に関わる大学教育やスキル向上に借りてでも投資するべきです。お金が貯まるまで待っていたら機会を逃しますから。これは企業の投資も同じで、設備投資を今やらないと、競争に負けるという事態にする必要があると思います。皆で競争しないのが楽かもしれませんが、経済は確実に停滞します。企業の人材争奪戦=待遇改善・賃上げも同じです。高校までの教育投資は無償で出来てもいいと思います。子育て世代の可処分所得が重要だからですが、大学は返済を視野に自分で借りてでもやれる年齢になっている気がしますね。親が出す前提になっているから、子育て世帯の可処分所得の問題になっている訳です。若い人の負担が増えると思うかもしれませんが、若い人が初任給の高い企業を選ぶ動機になればいいんじゃないかと思います。また大学の非常勤講師の問題は悲惨です。大学に収入は必要です。親の負担が高過ぎて大学の収入が抑えられている訳ですが、国がお金を出す前に、自己負担を考えるべきでしょう。これは自分の生涯年収の問題です。国がどうこういう問題では本来ないんです。国が個人の人生設計をする訳にはいきません。高校までの学校の先生の仕事に関して言えば、部活にかける労力が大き過ぎると思います。要は学校の正規の授業が決められた(義務教育的な)メニューです。それ以外の自己投資を無償化していることで、日本人に自己投資をする習慣を奪っていると考えられます。また先生としてのスキルの向上も仕事ではありません。それは仕事に必要なスキルはオンザジョブトレーニングでいいですし、IT等業務に必要な研修はあっていいと思いますが、先生としての実力向上は必要だと思えば、自己投資すればいい訳です。必要な指導は上司の仕事でもあります。上司は神輿ではありません。また大学までの教育は無償の選択肢が重要と思います。子育て世帯の負担を下げるためですが、まだ具体的な将来設計との関りが薄い段階でもあります(工業高校とかは例外ですが、そこはさておきます)。将来設計なく、ライフプランは立てられませんから、高校までは普通の受験勉強で良いでしょう(高校の段階で将来を考えることも重要だとは思います。そうでないと大学や就職を考えられませんから)。ここで問題なのは、中高一貫で差がつくことです。公立で中高一貫の選択肢(一種の飛び級制度)を広げることが必要じゃないかと思います。私立が中高一貫だから私立に行って無駄にお金と労力をかける必要はありません。所詮は受験勉強の先取りに過ぎませんから。大学の国公立優位を見るにつけ、都会の私立優位が不思議に思えてきます。お金がある人が私立でお金をかけるのはいいとして、安い国公立が何故優位ではないのか?受験勉強をするという同じ目標で私立は何故お金をかけているのか?私立に中高一貫をさせることで、私立に利益誘導していないか?私立大学が必要と思うお金をかけることはいいと思う訳です。それが高等教育というものでしょう。ただ所詮受験勉強が基調の高校で、お金をかけるのはどういう意味があるのか。機会均等さえ保証されていたら(公立の中高一貫の選択肢が少ないことで現時点で保証されていないと思いますが)、皆が(私立で)お金をかけるだけ、皆の受験勉強スキルは上がるのかもしれませんが、差はつきません(差がつかないと学歴効果は発生しません)。これでは単に親の負担が増えるだけです。特にお金がある人が高校でもお金をかけることはいいと思うのですが、高校で私立優勢ってどういう意味?と思う訳です。そうやって都会で子育てにお金がかかるから、都会の出生率は低いのではないか?塾の問題はさておきます。自宅で勉強してどうにかする人もいるでしょうから。社会人になってからのリスキリングに関しては、会社がお金を出すことでは基本的にないと思います。スキルがあったら、転職する可能性もありますから。資格の勉強にお金を出してもらったから、安く使われるのでは意味がない訳です。企業は必要なスキルを持つ人物がいたら、中途でも採用すればいい訳で、それが起きれば中途採用市場が活性化して賃金が上がります。資格はスキルを持っていることの保証ですね。必要な投資は自分でしましょう。

GXの仕切り直しに関して案出し

2024-04-27 17:55:07 | 資源エネルギー・環境
気候変動の防止を目的とするGXはあまり上手く進んでいないと思いますが、やはり途上国や資源国の合意が取りにくいからだと思います。根本的には、先進国は環境が激変するコストが高いと感じるんでしょうが、途上国においては、少々天変地異が起きても、命の値段が安いので、気にしないということなのかもしれません。途上国が経済発展すればいいのかと言われれば、世界の経済発展はいいのですが、単純にCO排出が増えるはずです。途上国は環境がどうというより、経済を発展させたく、環境対策が足かせになる(工場の廃棄物をそのまま排出した方がコストは安いみたいな発想か)と思っています。しかし地球が温暖化して海面上昇が起こったら大変なのは、縄文海進でも明らかですね。

ではどうしたら良いでしょうか?一つには海面上昇より大きな目的を導入することです。それは文明の存続です。このままだといずれは資源エネルギーが尽きて、文明が存続しないことは明らかですから、省資源省エネはわりと大きな意味を持っています。ひと昔前にピークオイル論で経済が混乱したことを覚えている人もいるでしょう。これは何時かは起きることですが、本当に起きてしまうと、海面上昇より下手をしたら、経済に打撃になります。途上国も資源エネルギーのない世界で発展は出来ませんから、この目標は合意できるはずです。ただしその場合石炭を使用しないという判断はまず有り得ないはずです(地球の温暖化と電気の無い世界のどちらを選ぶでしょうか?)。これをGXとどう調和させるかになってきますが、省資源や炭素回収といった技術の導入になってくると考えられます。これに資源国が反対するかですが、資源国は価格を上げてもいいし、資源国としての地位が長続きするというメリットがあります。ですから問題は省資源してもコストカットにはならないということになってきますが、省資源する国と省資源しない国があると、省資源しない国が相対的にコスト増になるので、経済的動機が全くないとは言えません。まぁ鉄のような豊富な資源で何処まで省資源するかの問題が個別にあるとは思いますが、レアメタルほど省資源・代替資源の必要性は高いと言えます。そしてそれが成功すれば、資源をテコにした力による外交が意味を持たなくなってくるとは言えるでしょう。技術開発が重要という訳ですね。省資源省エネで言えば、無駄のないライフスタイルも重要かもしれませんが、原発は夜に安い電力を安定して供給できますし、あまり無理にライフスタイルを転換していくことには賛成できません。原発があれば、夏の寝苦しい夜とか冬の寒い夜にエアコンを使用することは無駄ではないんですね。再生可能エネルギーはこれが出来ません。完全に蓄電池前提で、環境対策と便利な生活の調和のお荷物になっていると言えるでしょう。蓄電池が(レアメタルとか使わずに)開発できれば、省資源省エネに資すると思いますけどね。更に言えば、実用的な蓄電池が開発できるなら、原発にも応用できると言えます。夜の発電をピーク時に利用することが出来るんですね。ですから、原発は現時点で再生可能エネルギーより優れていますし、蓄電池が開発されても上位互換と言えるのではないかと思います。

もう一つは仕事を創る側面は否定できません。無論「無駄な仕事」は生産性を落とすんですが、途上国や資源国こそ仕事が無いことに困っていることに気づいても良さそうです。

排出権取引に関して言えば、ライフスタイルの転換を目的とすれば、経済成長にダイレクトに悪影響を与え、上手くいかないと思います。炭素回収の技術の普及等に目的を絞れば、上手く機能させることが出来るかもしれませんが。

そんなことを言って間に合うのかと言われれば、間に合うかどうかは分かりません。しかし現状でもスケジュール通りに進んでいないので同じです。環境対策と経済発展を調和させるなら、一番大事なのは技術開発になってくるでしょう。空中から炭素を回収する技術が開発されれば、温暖化に関しては一発なんですけどね(省資源省エネの問題は残ります)。またその手の地球工学が開発できなければ、自然変動の氷河期リスクや温暖化リスクに対応できないとも言えます。

人口問題に関して言えば、少子化は環境問題にプラスの側面は否定できません。ただし過疎化の問題は深刻です。途上国で森を切り開いて都市開発し、先進国の地方がゴーストタウンになるなら、大きな無駄が生じているとは言えますが、地方ほど余所者に厳しいと言い、上手くマッチングできる見込みがあるとは言えません。一つだけ言えるのは、丈夫な建物を建築し、長く利用すれば、環境にはいいということでしょう。また木材といった天然資源を持続可能な範囲で利用するのも悪くありません。移動の自由は大切だと思いますが、大都市への集中と地方の過疎化というトレンドが底なしに進行するのは環境的には無駄な側面があると思います。廃校を利用するにも限度がありますよね。スクラップするのもタダではありませんし。その分大都市で建設するのも地価や人手で大変なところがあります。まぁ大都市で公共交通を使えば、一人一台の車社会で都会で渋滞を発生させるよりはよほどいいとも言えますが。歩くと健康にいいとも言えますしね。安い公共交通は、人口ブラックホール東京ならではのなせる業かもしれませんが。近くのコンビニに行くにも車でデスクワークだと真剣に健康が心配になります。家でトレーニングすればいいのかもしれませんがね(運動で休息を潰すのが健康にいい?)。

何故先進国でGXなのかと言えば、結局有望な投資先が不足しているからでしょう。日本など幾らマイナス金利にしようが、インフレにして更なる実質的なマイナス金利にしようが、日本人の誰も日本に投資しませんから、超少子高齢化が日本人のメンタルに相当悪影響を与えていると言えると思いますが、GXを進めて有望な投資先を創出すれば、経済にプラスとは言えます(雇用の創出ではありません。先進国は仕事はそう不足していないのであって、民間で出来る生産性の高い仕事が民間で出来ない生産性の低い仕事に置き換わったら経済の足を引っ張るだけですから)。

最後にこういう複雑な制度設計や困難な技術開発のためには優秀な理系人材が必要だと言えます。これは日本の問題ですが、理系人材の報酬が安く、魅力的な職場になっていません。民間企業の採用だけに任せるのではなく、(環境問題や革新的な技術開発に繋がる基礎研究はお金になりませんから、必要な研究に)公が報酬をズドンと上げて(何が必要な研究かは理系人材自身が基本的にはインナーで判断するしかないと思いますが)、優秀な人材を確保するべきでしょうね。それが民間企業の報酬増大に繋がるかもしれません。賃上げは経済のキモですよね。DXで無くなってしまうような無駄な事務作業に優秀な人材を割いている余裕など、日本にあるか疑問ありますよね。