観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

育ってほしい日本株投資

2023-10-30 06:10:22 | 経済財政
>TLTに相当お金が流れていますね。やはり機関投資家も同じことを考えている。TLTが反発すれば為替も円高に動きます。Emin Yurumazu (エミンユルマズ) @yurumazu X

アメリカに金融資産を多く持っている機関投資家がアメリカ経済を支えようとしているとしたら、考えは分からなくもありません。その意味で日本国債で運用してきた(?)銀行や身軽な(?)ミセスワタナベとかに期待したいところですが、美人投票がその手法では最初に動いてもらうのは難しいと言えます。

かと言って、日本株が割安を見抜く眼力を持った投資家の数や資金力が十分かと言えば、心もとないところがあります。例えば利回りが低い(貸し出しも出来ない)銀行に預けるぐらいだったら、日本株インデックスに投資するという有志が増えて欲しいというのが希望ですね。

余剰資金が向かっているであろう貴金属バブルとかは崩壊しても別に構わない気がしますが、不動産バブルが微妙なのは価格が下がったら、不動産を担保にしてお金を借りている人が困らないかなという点ですね。追加担保を要求する悪徳業者もいるようで。本来実需で安く不動産を手に入れて欲しいのですが。

株に投資してほしいと言っても株を転がせと言っている訳ではありません。これといった企業の株やインデックスなんかに投資して長期保有してほしい訳です。要は(ベンチャー投資なんかは別として)トレーダーを育てたいというより、本業があって副業で株を持つ人を育てたい。

国債が売られて金利が上がって大丈夫なのかですが、(貴金属・実需と乖離した不動産・外国投資でなく)日本経済が良くなれば、金利が上がっても問題ないと言えると思います。財務省がそれを心配しているとしたら杞憂で、実際は近年経済が良くなれば、(税収が増える等して)財政は良くなっています。

勿論、設備投資や賃上げする企業の株価が上がって欲しいし、株価が上がったら設備投資や賃上げをしてほしいのは言うまでもありません。余剰資金で転売需要のタワマンバブルを育てようとか、貴金属・外国投資だとか美人投票のマネーゲームの参入者を増やしたい訳ではないのは勿論ですね。


ゆるブラックなる逆ベクトルの言葉

2023-10-28 06:44:25 | 厚生労働
「ゆるブラック」浮上、働き方改革の罠 成長求める若手(日本経済新聞 2023年10月15日)

ゆるブラックなる言葉ですが、私は違和感があります。過酷なブラックの逆ベクトルの言葉で、本当の問題を隠す効果があるからです。若者が成長の機会を求めることはいいことです。

しかしそれがサービス残業で働くという風なことでは、日本の悪習/デフレ体質が一向に改善しません。日本の病巣は賃上げが無いこと(実質賃金が他の先進国に比べて上がってないこと)です。それをダンピング(不当廉売)して働く若者がいたら、改善策が全てブチ壊しになりかねません。

サービス残業志向の人は良く働くモラルのある人ではありません。ダンピングして、他の従業員の足を引っ張り、日本経済の足を引っ張るモラルのない人です(物価の上がらない理由の一つに企業のダンピングがあるかもしれません)。勿論、企業が給与を出すから働けというなら、それもアリだと思いますが。

成長の機会を求めるなら、家で勉強も出来るはずです(無論、それは会社のためでなく、個人が報われるため勉強するのです)。給与支払いのある残業の無い会社は業界自体、人手が足りている(有効求人倍率が低い)可能性が高いです(サービス残業だらけの業界がブラックです)。

緩いのが問題と思うのであれば、働く業界の変更を考えた方がいいと思います。DXが進むと仕事が無くなる業界もあると言いますよね。今は否応なく終身雇用年功序列が通用する時代ではなくなっています。意欲のある若者はダンピングは封印して是非自分のキャリア形成を図って欲しいと思います。

円安進行予想で美人投票するミセスワタナベ

2023-10-27 09:04:29 | 経済財政
「日銀の金融政策と政府の物価高対策は矛盾しない」👉 はい、その通り。どっちも物価高を加速させています。矛盾はしていない。(Emin Yurumazu (エミンユルマズ) @yurumazu X 午後0:20 2023年10月26日)

今の日本の経済が投資家にスタグフレーションと認識されてません?対策が貴金属・土地・外国投資なあたりがドンピシャ(スタグフレーションとは? オリックス銀行)。円安と思うなら、日本が割安と日本投資すればいいだけなのにミセスワタナベとかが円安進行予想で為替で利益を出そうとしてません?

具体的には今を円高と捉えて(円安であればあるほどいいとか考えて)外貨を購入して円安に進むことを狙っているでしょう。これはファンダメンタルズとか何も関係ない火遊びに過ぎません。金利上げは対策になりません。連中は日本の金利が上がったら、日本で運用は出来ないと判断するだけだからです。

実際に国債が売られて金利が上がっても、円安は止まってないですから。金利を何処までも上げて円高誘導したら、民主党政権の再来になるだけであって、野党支持の人がそれを狙って批判しているようにしか見えません。何で日本ウォッチャーの投資家に割安という概念が無いのか?

それ無くして投資で独り勝ちすることは不可能でしょうに。ミセスワタナベは美人投票をやる投資家ばかりなんでしょうか。例えばバリュー株を円安で買って、円高になったら売ればいいんじゃないかと思いますが、何故か海外投資で更なる円安へ。日本不信こそが病巣だと私は思いますけどね。

男女の区別、客観評価

2023-10-18 02:54:09 | 文化教育科学
男女別出席簿、東京都内で全廃 唯一残る多摩市が「男女混合」に移行(朝日新聞 yahoo 10/16(月))

男女別で男子が先の名簿は男子が優先という意識を全く醸成しないと考えます。名前順の名簿が名前順の序列を全く醸成しないからです。

ではどちらでもいいかと言われれば、男女別出席簿の方がいいでしょう。性教育が必要な年齢で男女の区別はした方がいいからです。まさか名簿に従って男女の区別を無くしている学校も無いと思いますが、男女の区別を当たり前とする学校運営が、標準的な男女のカップリングを促すと考えます。

無論女性差別はあってはなりません。ただ合理的な男女の区別は無いと、社会に無用の混乱が生じます。男女混浴の公衆浴場が男女平等の望ましい形でしょうか?LGBTを差別するつもりもありませんが、あくまで例外を差別しないということでないと、社会に持続可能性が無くなってしまう訳です。

男女の合理的な区別の例を挙げると、例えばスポーツです。小学校は女子の発達が早いと言われますが、50m走の平均では小学校のどの年齢でも男子の方が早い訳で、体育も小学校から男女の区別しておくことは望ましく、従って名簿も男女の区別をしておく方が望ましい訳です。

合理的な区別と言えば、成績表ですが、主観的な指標より客観的な指標を重視した方がいいと思います。例えば、企業は数字で評価されるべきですが、客観的な指標で評価される社会が望ましく情実人事が横行する社会が望ましくないのは明らかではないでしょうか?

これは働き方改革にもなります。客観的評価の方が基準がハッキリしていてつけるのが楽だからです。マイクロソフトやグーグルも人事に生成AIを活用すると言います。学校の先生が日々の日報をつけるだけで、AIが成績表をつけるぐらいが、働き方改革になる上、公平公正な社会だと私は思います。

減税局面か増税局面か

2023-10-10 18:59:23 | 経済財政
今が減税局面か増税局面かですが、現時点だけのことを言えば、減税局面だと思います。

鰐の口を開けること(PBをこれ以上悪化させること)は反対なんですが、税収が上振れしているからです。まぁ多少、PBを悪化させても大丈夫だろうと。

財政支出・金融緩和に関して言えば、昨年度のコロナ経済対策並み(39.0兆円)の対策に賛成です。国債が売られて金利は上昇しつつありますが、日本の財政は悪くない(市場がそう認めている)ので、まぁ大丈夫だろうと。インフレが加速しても、知りませんけど。

まぁ大丈夫というか、財政を良くするには経済を良くするのが近道です。また無用な供給を絞るのがインフレ期待を形成して眠った金融資産を起こす唯一の道と思いますが、急激にやると、経済が普通に縮小してしまいかねません。需要を上げつつ、改革が浸透するまで少々時間はかけた方が良いのでしょう。それでも対策の規模が大きいのではないかと思うそこの人!仮に止めたらどうなりますか?好調だった経済が落ちるのは火を見るより明らかです。財政も無論悪くなります。ですから、それなりの規模感がある経済対策は今年も必要なのです。出口戦略も重要ですが、出口とはつまり自然にインフレすること=インフレ期待が形成されることでしょう。私に言わせれば、それはサプライサイドの改革しかありません。需給ギャップを埋めようが、失業率がNAIRUに達しようが、急激な少子高齢化に悩む日本でインフレ期待は形成されないのです。企業が儲かり、将来展望が無ければ、幾ら造った分、売れても、賃上げしようということになりません。均衡するだけですよね。では、需要を先行させる高圧経済は?インブレにはなるでしょう。政府が高圧経済を維持する限り。ただ経済対策や一時的な減税で需要を増やしても、それを止めたら、インフレは収まってしまいます。自然なインフレ期待ではないんですね。財政を悪化させて、その場しのぎのカンフル剤を打ち続けることに私は反対です。それでは大規模な恒久減税は?それはただでさえ悪いPBを更に悪化させるだけです。日本は政府が需要を創出しているという意味では、既に高圧経済とも言える訳です。PBを悪化させて税収が増えPBが良くなるなんてことはありません。無税国家の税収はゼロでしょう?税が安ければ経済は活性化するでしょうが、それは無政府状態ですし、勿論税を取ってお金を捨てている訳ではないのですから、政府がお金を使えば、基本的にはニュートラルとも言えます。また税収も無い「政府」が国債を発行できるでしょうか?歴史的にはそんな国家はありませんが、理論的には可能かもしれません。ただインフレにならない程度の国債発行額はかなり小さいものになると思います。要は「無政府状態」ですが、そんなもの新しい普通の政府が樹立するだけではないでしょうか?結局、税収が多いとは、政府の裁量の余地が大きいということであり、税収が少ないとは政府の裁量の余地が小さいということです。政府は企業ではなく、黒字にして儲けることは目指せません。それはデフレまっしぐらで、経済を悪くします。政府は赤字にして(マネーを供給して)緩やかなインフレを目指せばいい訳ですが、現時点で緩やかなインフレというのがクセ者であって、そろそろ曲がり角な訳ですが、インフレ期待なきコストプッシュインフレが何時まで続くかも問題な訳です。何が言いたいかと言えば、減税しても経済は良くなりません。その分、支出を減らさないといけないだけです。大型恒久減税して需給ギャップ埋めは?恐らくそれだけでは需給ギャップは埋まりません。減税は政府による需要の減少を意味するからです。今の日本がPBを更に悪化させたら?財政が悪くなる上、賃上げを伴うインフレにはならないと思います。サプライサイドの改革をやっておらず、企業の収益が上がらないと思われるからです。売り上げが上がった分、安値競争したり、内部留保したりしたら意味がありませんよね。財政が悪くなるの言葉に引っ掛かる人もいるでしょう。しかし眠った資産が増えて、一斉に動き出したら、取り付け騒ぎになります。銀行から預金が引き出せたなら、国債が売られ金利が上昇します。インフレになるなら、金でも買おうかとなるんじゃないでしょうか?財政が悪くなっても何の問題も無いと言いたがる人達が少なくなく、頭がくらくらしますが、俗論だと私は思います。

それでは減税は無いかと言われれば、物価高対策で軽減税率下げは考えられるかもしれません。日本は食料を輸入に頼っており、円安なら、食料価格の高騰は避けられないからです。あるいはエネルギー価格の補助とか。需要が増えたらインフレは加速しますが、対策の効果が無いとは言えません。所得税減税?鬼ですね。所得税減税で恩恵を受ける富裕層のエンゲル係数は低いです。法人税減税?輸入企業が苦しんでいるのに輸出企業を優遇してどうするんでしょうか?設備投資減税で基盤強化?必要な設備投資があるなら、内部留保でやっていると思うのですが如何でしょうか?まだまだ低金利でお金を借りてもいいでしょうしね。株で資金を募ってもいいかもしれません。それが本来の経済のはずです。政府の重要な機能に再分配があり、税収が増えたら、貰っておくのも一つの選択肢です。

ここで何故現時点で減税局面と言ったかですが、防衛費2倍増と異次元の少子化対策が控えているからです。後者は凡そ景気中立(増税してもその分配る)ですが、防衛費増は人件費を増やすなら兎も角、海外から武器を大量購入するなら、日本の景気は良くなりません。勿論、必要だから武器を買う訳ですが(防衛費増は景気対策ではありません)(私は厳しい安全保障環境で平和(抑止力)のための防衛費2倍増に大賛成です)、日本の場合、経済にマイナス効果は否めないでしょう。税収の上振れが幸いで、防衛費2倍増のために取っておくのは有り得る選択肢ではないでしょうか?つまり将来的には増税局面が見えている訳ですね(財政悪化でどうなるかは繰り返しません)。税収増を還元と言いますが、将来的に使うつもりなら、とっておくべきだろうということに過ぎません。そしてこれは(防衛費増は兎も角)基本的には景気中立です。増税で景気が悪くなるとか(代わりに撒かなければね)、増税で経済成長しないとか(変なところに使えば成長しないでしょうが)、単純に言い切るのがイメージだけの俗論という訳です。

日本経済再成長に必要なのはサプライサイドの改革か、改革せずバラ撒きで需要増を目指すことか

2023-10-10 00:13:39 | 経済財政
まず日本経済の現状ですが、バブル崩壊以降、長期停滞しています。当たり前のようですが、物価が上がっている外国より物価が上がってない日本の方が購買力があると言うような主張する方もいらっしゃるので、実質賃金が日本だけ伸びてないことを指摘しておきます。他所の国は物価は上がっていますが、それ以上に賃金が伸びているんですね。

次に日本経済悲観論を批判すると、日本は底力があります。GDPは未だ世界三位ですし、OECD諸国の中で購買力が落ちたとは言え、OECDに入らない途上国とは比べるまでもありません。高齢者を中心に金融資産は多く眠っています。ポテンシャルはある訳で、悲観するのも間違いなんですね。

では何故賃金が再び伸びないのでしょう?それは企業が儲けていないから(例えば、なぜ、日本企業の利益率は低いのか? 一橋大学 中野誠氏 日経 Biz Gate 2016/9/23・・・ローリスクを併せて指摘する論考ですが、低成長下でコストカットで利益を出している様態を示すと思われます)、将来展望が描けていないからに他なりません。労働分配率は悪くありませんから、企業がお金があるのに配ってない訳ではありません(給与上げを伴う転職が少ないのは、企業に「お金が無い」からとも言えます)。内部留保とかあるではないかという話ですが、少子化による市場縮小予測がありますから、毎年の稼ぎが先細るという理由で、固定費を上げられないんですね。これが将来展望が描けていないという意味です。企業が一時的に儲けても仕方がありません。稼ぐ力をつけることが極めて肝要な訳です。そのためには値上げというかプライシングが重要になってきます。値上げをしたら、売上が落ちるという声もあります。それは過当競争だからです。日本は需給ギャップがあると言いますが、少子化で需要が減少しているのに適切に供給が絞れていないのでしょう。日本は最低賃金を上げず、中小企業を過剰に保護して、生産性の低い企業を温存してきました。リスクは低いかもしれませんが、その企業が(補助金でゲタを履いて)競争に参加するのですから、供給過剰に陥るのは当たり前です。一方で保険など欧米に比べて寡占の業界もあるようです。これは儲けられるのに値上げしていないのでしょう。金融で儲けるのは卑しいことと言うような見方があるのだと思います。汗をかくことが正義のような。ビッグモーターはそこに目をつけました。車が壊れれば、堂々保険を請求でき、値上げ出来ます。つまり談合とか言われている業界は正々堂々値上げすればいいんですね。建設も最近になって待遇改善に動きましたが、建設業界は人手不足で待遇改善しなければなりませんし、何より需要(民需)があるでしょう。民需がある業界では公の発注も値上げしないと受託する企業がありません。勿論、官需で賃上げして、民需をリードのような議論は、儲かっている業界に限ります。赤字企業で賃上げするような馬鹿なことをやって経済が復活する訳ないんですね。幾ら業界が苦境にあっても、赤字業界をお涙ちょうだいで救うのは誤りであって、その業界は整理しかありません。人手不足局面と言っても、赤字業界を整理すれば、人手は供給されるのですから。後、少子化要因業界も値上げで救うのは厳しいでしょう。教育費は上げようと思えば上げられるかもしれませんが、少子化が加速するだけの話です。大都市の成長と言い、新興国の成長と言い、かつての高度成長と言い、市場の単純拡張はやはり正義な訳です(本社を東京において楽に儲けることに慣れると(インフレ脳を維持すると)、「デフレ下の」日本で儲ける勘が鈍りそうですが)(日本の方が寡占である業界はプライシングが地方の実情に合っているのか考えてもいいのかもしれませんね)。何より少子化を放置すると、日本は消滅してしまいますから。眠った資金を動かそうとインフレを目指すのに少子化も無いもんです。欧米も少子化傾向ですが、日本ほど急激な少子化の国はありません。少子化は結構お金の問題(低所得者が未婚を選択し、少子化になる)なので、やはり教育費等は抑える方向に動いた方がいいんだろうと思います。人が集まっているなら、人手不足ではありません(給与の高い公務員天国にすると日本が滅びます)(官僚とか自衛隊員とか見合った給与を貰っていない公務員もいるとは思いますが)。過重労働の問題は労働時間を減らすことでも解決します(汗をかけばいいというものではありません)。企業は供給を適切に絞れますし、儲けたら賃金を上げることも可能です。今、物価が上がっても賃金が上がってないのは、コストプッシュインフレであるからではありますが、儲けを是とする文化が薄いから、成長の見通しが立っていないからでもあります。その辺をどうにかすれば、(適切に供給を絞りながらであれば)少子化環境でも成長、賃上げし得ると思います。高齢者に関わる業界では、金融資産を持っている人相手ですから、適切なプライシングをするしかないでしょう。一方で生活保護の高齢者もいると思われ、最低限度の生活しかないはずです。高齢者世帯間の所得格差は大きく、平等という訳にはいかないはずです(矛盾するようですが、命の問題なので、皆保険は賛成です)。最低賃金上げなんかも、需要を増やし、賃上げに繋げ、生産性の低い企業をどうにかして供給を絞る意味で重要です。初任給上げ・職務給・緩やかな賃金上昇・同一賃金同一労働も正しいと思いますが、ここでは端折ります。兎に角、日本経済の再浮上の鍵は賃上げ主体の企業が握っています。供給面(サプライサイド)の改革が問題の本丸です。トップの判断が重要ですから、専門の経営者を増やすとかも課題かもしれませんね(論功行賞でポストを与える「武士の経済」は機能しないでしょう。ついでに「清貧を旨とする経済」もアウトです。勿論論功行賞が必要ないというのではなく、社員が皆社長を目指すこれまでの年功序列終身雇用型がアウトであって、節約してはいけないのではなく、お金持ちの守銭奴が消費も(その先に消費がある)投資もしないと経済が回らないと言っています)。

では需要面から見た日本経済はどうでしょうか?日本は需給ギャップがあって、供給過剰だから物価が上がりません(今、上がっているのは円安等でコストが上がっているからだと見られます)。では需要を上げればいいのか?そうではないでしょう。既に日本は長年歳出が歳入を上回っている状態で、これ以上バランスを崩す訳にはいきませんから。問題の本質は需要過少ではなく、供給過剰と見るべきです(だから値上げが上手くいきません)(長年日本では供給サイドが保護されてゾンビ企業が生き残ってきたんですね。これを供給重視と言いません)(保護を止めたら倒産は増えるでしょうが、人手不足局面なので、失業率は上がらないと計算できます)。具体的には減税でお金をバラ撒いたとします。供給に従って、需要が増えるでしょうか。食品に例えると2倍食べるかということです。あるいは2倍の値段になるかということですが、お金が増えても欲しいものが無ければ、お金を貯めるだけではないでしょうか。貯蓄に向かって、国債が増えるという何時ものパターンです。そしてまた撒く。あるいは減税しますが、減税分ほどは増収しないでしょう。実際に消費税が上がって増収になっています。これで更に収支バランスが悪化します。国債残高世界一で金利上昇局面なのに。(金利を上げて金利差を縮小する)円高誘導しても駄目です。モノが安くなっても供給過剰でモノは買われず、輸入企業が賃上げせず、わざと赤字にして法人税を払わないからです(将来儲ける展望が無いからに他なりません)。日本は内需国ですが、輸入企業は儲かったら税を払ってくれるみたいです。わざと赤字にするのが難しいからかもしれませんし、海外は少子化で苦しんでなく、展望があるからかもしれません。少子高齢化に苦しむ内需企業の問題を解決せず、お金を撒いてもしょうがない訳です。国が儲ける必要はありませんが、倒産はしないようにする必要があります。石油も出ず無税国家は無く、インフレに苦しむ国は途上国に多いです。供給面の問題の改革を先送りするため、需要を増やせばいいという考えは誤りなのであって、アメリカの高圧経済に倣おうという考え方が最近はあるようですが、需要過少の現状であっても、国は既にバラ撒いている(圧力をかけている)状態ですから、これ以上の収支バランスの悪化は問題だと思います(ただし税収は上がっています)。収支バランスを悪化させて、収支バランスを改善するのような俗論がれいわとかあるようですが、妄想であり成り立たないと考えられます(本人達が自慢げに言う参院のシミュレーションで政府の歳入の3分の1(消費税)を吹き飛ばすテロの結果、所得税収の上昇はショボイという結果が明らかになっています)(たかだか1割ものを安くしたところで、倍ものを買ったりはしないんですね)。また減税でお金をバラ撒く話に戻ると、モノが買われても需要は増えないかもしれません。値下げ競争が激しくなる可能性があるからです。安定した収入が期待できないと、支出は増えない訳で、企業の展望が無いことが問題の根本というところに戻ります。日本ほど急激な少子化を野放しにしている(移民も受け入れない)先進国は存在しない訳で、率直に言って市場が縮小し、企業が展望を描けていません。成功したアベノミクスでも成長戦略が弱点でしたし、少子化対策には手を出していません。

拒否的抑止と日本を取り巻く厳しい安全保障環境

2023-10-07 15:32:21 | 外交安全保障
習近平政府が今のところ台湾侵攻していないのは、拒否的抑止(>相手の攻撃を物理的に阻止する防衛力を高め、相手の目的達成を拒否する能力を整えることで、相手に行動を思いとどまらせることを「拒否的抑止」という:安全保障用語)が成立している(台湾占領が出来ない)からなんでしょうか、懲罰的抑止が成立している(台湾占領は可能でも、コストが膨大だからあえてやらない)からなんでしょうか?後者なら、軍事的要因が大きいのか、経済的要因が大きいのか。

まぁ拒否的抑止が成立しているか否かについて、中国が自分の分析を信じられず、軍事大国アメリカの分析を待っている可能性も考えられますが。

懲罰的抑止に関して言えば、戦争で中国の台頭が止まることを警戒していると思います。その意味で軍事インフラに限定した報復は、エスカレーションを避けるためとは言え、懲罰的抑止の効果を下げているとも言えます。

あるいはアメリカが参戦することで拒否的抑止が成立すると算段している可能性もあります。在日米軍基地が使えなければ、アメリカの参戦は難しいですから、日米同盟が盤石であることが、拒否的抑止力になっているとも言えます。

この場合、台湾有事に関わる日本の防衛力の位置づけが問題になってきます。台湾+アメリカで拒否的抑止が成立するなら、日本は軽武装でいいと考える余地があるからです。ただし実際は台湾を助ける米軍の根拠地を潰すため、中国の在日米軍基地攻撃は考えられ、日本は巻き込まれる恐れがあります。

世界が滅ぶ危険性もあって、アメリカ本土への攻撃が起こる可能性は低いでしょう。距離が遠いですから、グアムは兎も角、アメリカ本土を攻撃する必要は比較的薄いとも言えます。結局、日本が在日米軍基地を攻撃されて反撃するなら、日本の防衛力は、台湾の拒否的抑止力に含まれていると言えるのではないでしょうか?ここに日本が中国の軍事基地を攻撃できる意味があります(そのことが日本人に十分理解されていないから、防衛費大幅増への反対が少なくない可能性があります)。

後は朝鮮有事との連携も考える必要がありますね。どちらかが発生したら、拒否的抑止のハードルが下がり、もう一方も発生する可能性があります。示し合わせて同時侵攻の可能性すら考えられますが、日本は二正面作戦の準備をしなければなりません。最近不動産で暗雲立ち込めていますが、中国の台頭は本物でしょう。明らかに厳しい安全保障環境ですが、北朝鮮の核武装の進行ファクターも厳しいと言えます。加えてロシアです(欧州の国ロシアが先頭に立った北海道有事は可能性が低いと思います)。安倍政権がロシアとの対話を進めた理由は、中朝からロシアを切り離すためだったと思われ、可能であるならば、意味のあることだったと思いますが。残念ながら失敗に終わりました。

中朝露の連携が深まる傾向を踏まえれば、日本は更なる防衛体制を採らねばならず、果たして2倍で足りるのかということにもなってきます。また日米はウクライナを応援していますが、ロシアのことで消耗し過ぎれば、中朝の侵攻を招かないとも言えません。日米の拒否的抑止力を寧ろ強化するような支援が重要な訳ですが、共和党の一部が支援の見直しを訴えているのは、その辺が念頭にあるとも考えられます。アジアへの派兵は限定的になると思われる欧州がロシアに注力してほしいのは、その辺ですし、日本が疾うの昔に取られた北方領土ごときでロシアとの戦争を本気で考えないのは、その辺でしょう。

日本は半島有事も真剣に考えておかねばなりません。中朝露の連携は固いように見えますが、北朝鮮が核武装することで、中露のコントロールが効かなくなる一面もあるはずです。中露と核拡散の関係は微妙なところがあって、IAEAに参加している意味もあるはずですが、中国がIAEAを無視して、日本を「攻撃した」のは危険な兆候のように見えます。北朝鮮を経済的に事実上支えているのは中国です。習近平主席が核拡散を防ぐIAEAを軽視しているなら、(ロシアの支援を後押しする迂回路の可能性含めて)北朝鮮の核開発を進める方向に動く可能性は否定できません。

ロシアのウクライナ侵攻は核武装する独裁者に対して懲罰的抑止が効きにくいのではないかと疑念をもたらしました。考えてみれば、(核カードを切ってない)核武装国に懲罰するのは大変リスクがあります。台湾人は中国に懲罰的抑止が効いていると信じているフシがあるようにも見えます(中国の台頭が止まるから、中国は攻めてこないの類)。しかしロシアはそんなことをものともしませんでした。

北朝鮮は韓国の首都を人質にとっており、核武装をしなくても米韓に対して懲罰的抑止を既に効かせていると私は思います(同じく国民の損害を許容しにくい民主国家の韓国の首都が人質に取られている以上、北進の可能性はないので、統一を目的とした米韓の侵攻を防ぐ拒否的抑止は必要ない)。北朝鮮が核武装を止めないのは自衛の必要性があるからではなく、統一を諦めてないからでしょう。いざと言う時は拒否的抑止どころか、北朝鮮を滅ぼす力が我々にありますから、北朝鮮に対する抑止力は現時点で心配していませんが、核武装が進展すると、日米が抑止されて、北朝鮮主導の統一が有り得るかもしれません。勿論その次は日本になるはずです。

季節外れの感染症の薬不足

2023-10-07 08:28:22 | 厚生労働
今、感染症の薬が不足しているようです。

感染症の薬は需要を見極めるのが難しいんでしょうね。季節外れの今の流行に上手く対応できていないということでしょうか。在庫を豊富に持って廃棄もそれはそれで問題でしょうし、一定の確率で発病してくれれば、対応が楽なんですけどね。

普段、工場を眠らせておいて、兆候が見えたら稼働させるとか考えられますが、休眠工場を抱えるなら、薬価は高くなるはずです。一時的な働き手をどう確保するかの問題も(長期保存の効く薬を暇な時につくるとか?)。あるいはある程度つくって使わなければ廃棄の方が安い可能性もあるかもしれません。

薬の有効期限は製造から3~5年とも言います。期限の近い薬を普通に使っていれば、感染症の薬の在庫の問題も解消するように思えます。

有効期限の長い薬の在庫を多く持って、期限が長くても使わなければ期限に近づきますので、特に他の薬を使う理由が無ければ優先的に使えばいいと考えられます。

このぐらいのことを製薬会社や厚労省が思いつかないのか知りませんが、分かってて薬価吊り上げ目的のサボタージュしているようにも見えなくもありません。

富士山登山鉄道は是か非か

2023-10-05 07:39:36 | 国土交通・防災
山梨県の長崎幸太郎知事が掲げる「富士山登山鉄道構想」(日経 2023年10月4日)

オーバーツーリズム対策で、富士スバルライン上にLRTを敷設する構想だとされますが、東京で車を持たない人が少なくないことを考えると理に適っているかもしれません。現状は車ですが、夏季シーズンには渋滞するのでマイカー規制がしかれ、シャトルバスで輸送しているようです。バスでいいんじゃないかということですが、鉄道の方が安全性が高いですね。また(車高が高い)バスは揺れます(バス酔いという言葉があり、特に後ろの席が良い易いとされます)(カーブが多い道路は酔い易いでしょう)。鉄道の方が車窓の景色を楽しむ余裕がありそうですね。

明治31年、昭和22年以来の家制度と女性天皇

2023-10-04 01:34:34 | 皇室・日本文化
小渕優子議員は小渕恵三元首相の娘ですが、結婚して姓を変えていません。これは明治31年以来の一夫一婦制の家制度に続く昭和22年の(妻の姓を選べる)夫婦同氏制度を利用したものでしょう。女性家長と言えますが、一夫一婦制で男女平等を前提に親から家を相続した例と言えます。一夫一婦制だと男子が生まれない確率も高く、男系継承は危うくなりますから、女性家長を認めるのが筋な訳ですが(「遠くの親戚より我が娘」と言えましょう)、日本は夫婦別氏制度から夫婦同氏制度に移行したとも言えます。これを元に戻すべきかですが、伝統的な夫婦別氏制度では女性家長は存在し得ない訳ですね。男系の家名を名乗る訳ですから。これは男女平等の理念に反するでしょう。

天皇家は神武天皇以来男系を維持してきましたが、女性家長は存在していました。元は双系的な家制度だったと考えられており(「ヒメヒコ制」、妻問婚と女性の子供の養育)、大陸の影響で男系が絶対視されるようになっていったようです。良く知られるように皇祖神は女性でもあります。とするならば、男女平等の世の中で、女性家長を認めるのも当然の流れであり、国民はそうなっています。後は皇室が国民にあわせて女性家長を認めるだけなんですね。元々女性天皇はありましたから、この意味で伝統を変えた訳ではありません。

日本では東北地方に姉家督(第一子でかつ女子が家督を相続すること)もありました。家父長制に呑み込まれた訳ですが、地方でのこととは言え、日本で女性家長は有り得たのだということです。

イギリス王室でも女王(女性家長)は有り得ます。ただ、姓は夫の姓に変わります。これでは万世一系の家系は維持できません。日本では婿養子の影響でもあったか、妻の氏を名乗れるようになっている訳ですね。

今の日本の皇室は存続の危機です。皇室は日本国の象徴でもありますから、国民の制度に近づけ、女性家長=女性宮家も認めるべきではないかと私は思います。女性天皇は元々有り得た訳ですから。男系かもしれませんが、あまりにも遠い他人同然の親戚を家長にするために女性天皇を否定するのはアナクロニズムが過ぎるのではないでしょうか。男系を主張している方々だって、最後の当主が鎌倉時代(第93代後伏見天皇:1298~1301年)に遡る「親戚」に自分の家を継がせますか?娘がいるのに?

実は令和の世も旧習を捨てて成立しています。生前譲位ですが、本来譲位後の上皇は治天の君になることもあって、権威が高かったのです。でも現在の上皇は隠居されていて、家長は天皇陛下であると考えられます。上皇陛下は天皇としての仕事を重んじられており、高齢であるがゆえに引退した訳ですが、これは現代の高齢化社会の問題と軌を一にすると言えるでしょう。老人になっても死ぬまで家長であるというより、仕事が出来なくなる前に家長を子供(親戚)に譲るという訳です。

日本の皇室は神武天皇以来だから価値があります。しかし何でも昔のままとはなりません。現皇室を守らず、新皇室を創出することに私は反対ですが、それはおいておいても一夫一婦制度のような現代の慣習に適合する必要はあるでしょう。完全長子優先制度は日本の皇室文化をあまりにも変えてしまうと私は思いますが(家を(近い親戚の)男子に継がせる制度は可能な限り維持していいと思いますが)、家を継ごうという(氏上になろうという)女性皇族が現れてもいいと思う訳です(勿論、女性皇族の意志に反して、それを行うことはできませんが、確かめてみるべきでしょう)。なおこの問題は養子では解決しません。赤の他人を養子にして万世一系が実質的に崩れる自体になりかねないからですし、我が娘がいて、自分の家を遥か遠い親戚に継がせることが有り得ないからですが、同じ氏の近い親戚に氏上を継がせることは有り得ていいと思う訳です。兎に角、旧官家は同じ氏というには、あまりに遠い親戚になってしまいましたし、久しく別の氏を名乗っています。