レッドサラマンダー(パブリックドメイン)
災害の実働部隊を以前何処かで(ツイッターか)書いたと思うのですが、改めて記事にしておきます。
FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)のような省庁をという議論が筆者の知る範囲では石破さんがしたのですが、筆者に言わせれば、何でも屋の実働部隊を新たに創設する必要は無く、既存の組織を使うべきということになります。その中で大きな役割を果たすのが消防庁です。
火事が消防庁というのは分かりやすいのですが、水害はどうでしょうか?現在は水防団が担っています。それであるいは問題ないのかもしれません。しかしよくよく考えてみると、水防が必要な事態において火事というのはそれほどは起こりそうにないというか、起こるとしても水害を目の前にして火事が起こるまで待機するのか?ということになります。
東京消防庁<防災館・博物館><本所防災館><施設案内> - 東京都を見ると、どうも東京では消防庁が火事だけでなく、地震・水害も想定しているらしいことが分かります。地震なんかは火事が起こるイメージもあって、火事が起きていれば火事に対処すべきでしょうが、火事が起きていないのに待機するというのも違うような気はします。いずれも滅多に起きない非常時ですので、それぞれ個別に部隊を組織するのは無駄とも言えます。最大限の機能がベストに思えるかもしれませんが、コストを天井なしにかけられる訳ではありません。
ですから、消防庁がFEMAに類似した機能を担って防災のプロになってくれれば話が早いように筆者には思えます。
まぁダム操作なんかは一義的には国土交通省の領域かもしれませんが、普段から連携をとって、非常時には消防庁が指揮するのようなことも考えられるかもしれません。ダムは水瓶でもあるんですが、やはり被害を考えると防災第一の操作は考えられると思います。また、国土交通省が操作するにしても、連絡はシッカリとれていないと、放流もありますし、非常時の対応はできないということにもなります。
大規模災害になればなるほど行政の職員の対応も必要かもしれません。ですから、ダム操作等と同じく平時から消防庁と連絡をとり何をするかを決めておくということは有り得ると思います。ただ、基本的な考え方としては、非常時の素人の行政があまり全面に出る話ではないように思います。土嚢を積むといった作業やガレキを除去するというような作業の訓練を普段から行政がやるのに限界があると考えられます。住民への呼びかけ等が仕事でしょうが、想定や訓練を普段からしている部隊が総合的に見て指示を出すのがスムーズなはずです。形の上でというか総合的なリーダーは首長や大きな災害だと総理になるんでしょうが、実働に関しては普段からの想定と訓練が必要と思われ、実際の非常時にはそのままプロに活躍してもらうという考え方です。
ただ、大地震や津波・堤防決壊・土砂崩れのようなマンパワー・マシーンパワーが必要な大きな事態においては自衛隊が出動(サポート)を(首長や総理が)要請するべきとも思います。災害と激甚災害の区別は他県の応援が必要な広域的事態で判断できるかもしれませんが(境界線上の小規模な事態は?のような問いは有り得るかもしれませんが)、ここでは詳しく考察しません。陸上自衛隊は施設課(工兵)を持ちブルドーザー・ショベルカーなんかも保持しています。これは一義的には戦時に塹壕を掘ったりするため(装甲つきだったりするようです)だったりするのでしょうが、ともあれ自衛隊は有事に備えて土木もできますから、非常活躍できるのに戦争に過剰に備えて待機するのはどうなの?と考えられます。仮に災害に乗じて戦争を企む不心得な悪徳国家が存在するとしても、日本は島国ですから、然るべき地域の空自や海自が十分待機しており、時間稼ぎできれば、直ぐに有事対応に戻ることは出来ます。まぁその然るべき地域の空自や海自が災害でダメージを受けることは想定しておくべきかもしれませんが。
大雪なんかは除雪車が国道などの工事事務所やネクスコに所属しており、道路の問題ですから、国土交通省の領域になるんでしょう。ただ、対応しきれないような(非常事態と言える)大雪は発生するようで、その時は地元の消防庁や自衛隊のアシストがあってもいいのかもしれません。大雪で道路が使えないなら、消防業務も何もありません。万一家が潰れたら、マンパワーやマシーンパワーが必要になるでしょう。
どうもこうしたことは当然に筋であると言えるのか、
東日本大震災記録集(総務省消防庁)や
南海トラフ地震における緊急消防援助隊アクションプラン(総務省消防庁)もあって、防災が消防の役割ということにはなっているようですが、消防庁の中の防災課といった感じで、消防>防災が現状のように思えます。最近の災害で消防が指揮・活躍した印象がなく、縁の下の力持ちに止まっている気がしますが、筆者としては訓練されたプロにより活躍してほしい訳です。FEMAにおいては消防極が下部組織です。そしてそれが寧ろ筋に思えるんですよね。
防災の一部としての消防が意識されるようになった時、地域の災害や激甚災害において「消防庁」はより活躍できるのかもしれません。その場で選挙で選ばれた首長等にはりきられてもチョット・・・。訓練されたプロに防災の実際は任せて、その他の業務や救援要請をするのが災害本部のトップのあるべき役割なのかもしれません。
ただ、救急車は待機せねばならないかもしれず、そこはまぁ・・・ここでは詳しく考察しないものとします。下部組織にでもすればいいのかな。
見出し画像のレッドサラマンダーですが、津波や地震といった災害時に、一般の消防車両が進入困難な場所での救助活動などに従事する消防車両らしいですが、全国にたった一台。岡崎市消防本部所属ですが、まぁ消防庁は消防庁であって、災害対応庁ではないんだなとつくづく思います。しかしながら、統合すべき実働部隊が他にあるような気もしません。国土交通省は防災に大きく関わりますが、防災だけじゃないですし、砂防等の防災系を災害庁に持っていくとしても建設じゃんと見ることも出来ます。非常時の部隊ではないというか。