観測にまつわる問題

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合理性を欠く広島高裁の判断

2020-01-18 10:03:59 | 政策関連メモ
 広島高裁が伊方3号機を差し止め判決を出しています。広島高裁は原発の至近に活断層がないとした四電の調査を不十分とし、中央構造線が断層の可能性を示唆しましたが、全然違うような気がします。中央構造線自体は勿論断層以外の何物でもなく、それを否定する見解はそもそもありません。四電が主張しているのは伊方至近には中央構造線断層帯は存在しないということのはずです。もうちょっと沖にあるんですね。では佐田岬半島は何なんだということですが、もうとっくに活動を終えた古すぎる動かない断層帯だと思われます。この辺は確たるデータに基づく定説のはずで、存在しない活断層をないと立証するのはほとんど不可能のように思えます。断層と言われれば見るからに断層ですが、断層は超長期的に沖に動いていたはずです。この辺は十分調査しての結論であり、これまで認められてきたのであって、何がどう不十分か印象論ではなく具体的に広島高裁が指摘すべき問題だと思われます。筆者にはこれまでのデータが覆るような気はしないのですが、具体的な指摘があれば、四電も対応のしようがあるでしょう。地震とは地下のひび割れで弱いところに集中して起こるようです。その弱いところが活断層で、岩盤のような強いところでは地震は起こらないと考えていいはずですが、地下の構造はプレートテクトニクスはあれど、そう動くものではありません。異例を言われた熊本地震も含めて筆者は基本的な理論の部分で覆ったという話を聞いたことがなく、最初から予想が難しいのをやはり難しかったねというような話しかないと思っています。予想なんてまともな神経の人は誰も期待していないと思うのですが、どうしても細かい部分を誇張して(面白おかしく)報道される傾向があるようです。地震の発生の予想を誰がしているでしょうか?・・・はい政府が東海でしていますね。それはまぁ触れないでおいてほしいのですが、それ以外に予想はないはずですから、予測がつかなかったと鬼の首をとっても仕方ありません。じゃあ可能性あるじゃないかと言われれば、だから活断層を探す時に十分調査してないとなったはずですよね。証明終わってるのに終わってないと言うなら、どこがどうは必須のはずです。活断層ないところでの地震は「陸上の浅い場所で発生するマグニチュード7クラス以上の地震は、ほぼ活断層で発生します。しかし、それより深い場所で発生する地震や、マグニチュード6クラス以下の地震については、活断層以外の場所でも発生します。」が基本理論のようです。深度が深いところで起こる深発地震や規模が小さい地震に関しては、伊方原発は活断層に対する地震対応で十分吸収できると考えていいと思われます。東日本大震災とてこの基本理論を転換する契機になった訳ではなく、今まで可能性が指摘されていた1000年に一度の地震が起こっただけです。これ以上調査と言われても何を調査すべきかハッキリしない印象論感情論を払拭する手立てはありません。印象論感情論は事実や理論を無視した反原発運動によって再生産されるからです。基本的確率ゼロじゃないと言う人もいるのかもしれません。ただ隕石が落ちてくることを計算する防災は有り得ず、それを古代から杞憂といい、物笑いの種です。広島高裁の今回の判決はこの杞憂に基づき通常の経済活動を阻害する笑えない大迷惑判決にしか見えません。地裁の珍判決は司法界でよく言われているように見えますが、広島高裁は高裁にしてはちょっとおかしいのかもしれません。
 火山に関しては地震と別枠にしますが、まず前提としてカルデラ噴火に対応する防災は隕石レベルでないと思われます。これをありにすると九州に人は住めませんが、そんなことは誰も言っていません。筆者はカルデラ噴火のシミュレートに興味がありますが、巨大隕石を動かして地球の危機を救うSF本のレベルで興味あるだけです(事典なんかの該当箇所やその手の本は読んだ記憶があります)。予算がついてもいいとは思っていますが、原発だけに適用されるダブルスタンダードだったら、寧ろやらない方がマシであるというのが基本的考え方です。原発はそれでもカルデラ噴火をシミュレートしているようです。これが結果的に揚げ足をとられているようで残念な限りです。いいですか?地形は変わらないのが前提です(分かっている部分が大きいということです)。だから四電は十分調査済みで調査不足と言うなら、これも具体的な指摘が必要なはずです。大分の地形があるのですから、火砕流の類は流れる方向性が限定されています。しかし大分が滅亡する話を大分で出来ないのに、伊方だけは滅亡する話が出来るのですから、裁判所の頭のおかしさは尋常ではありません。大分県に人が住むことを許可している日本政府は不作為の殺意人鬼でしょうか?
 筆者がこの手のことを書くのは昔からですが、どうも原発反対の感情論が全くやらなくていい事故対策(ポールの設置で済むテロ対策を地下施設に化けさせています)を行わせ、年数兆円の化石燃料費を流出させ、おまけにCO2の排出で化石賞(確かに化石燃料を昔より使っているかもしれない)をもらう原因になっているようです。最後のはどうでもいいと言えばどうでもいいのですが、とにかくデメリットが大きすぎてメリットがないと思うから書いているのであって誤解なきよう。