観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「空き家」「住宅」「金利差」「相続」「農業」を考察する予定(未定)。

今の日本に必要な適切な物価の下げ方及び少子化対策の意義及びGXと外交安全保障及び自業自得の製造業の再浮揚

2024-05-11 23:01:55 | 経済財政
今の日本の問題は投資・消費不足(だから金融緩和・財政出動が必要)だと思いますが、マネー供給を増やすと更なるインフレを呼びます。それで実質賃金は上がるのでしょうか?実は大丈夫だと思います。マネー供給を増やして物価を下げればいいんです。それが(AI投資のような)設備投資です。

勿論、設備投資によって人件費が下がれば、賃下げにはなります。しかし時間が短縮されれば、(仕事のある先進国では)賃金が下がった人は他の仕事をすることも出来るんですね。これが例えば工場のロボット化によって、経済成長するプロセスとも言えます。会社が利益を上げて、経済的に損はありません。

賃上げでマネー供給を増やすのは経済成長の王道だと思います。賃上げで消費等が増えれば、物価が上がるのでトントンではないのか?と思うかもしれません。しかしそうではありません。上がった賃金の一部は投資や貯蓄や借金の返済に回って、直ぐには使われないからです。

すなわち賃上げはほぼ確実に実質賃金を上げ、最悪でも(全部消費に回っても)トントンです。問題は資金の寝かせ方ですが、タンス預金や内部留保や手元資金は何も産みません。乗数効果の低い公共投資(国債)もお金の良い使い方ではありません。

資金が生産性の向上に向かってこそ、経済が成長すると言えます。生産性の向上が無職を産むなら、経済成長の足を引っ張りかねませんが、例えば無職を減らすために少子化を促進しても、1人当たりの稼ぎが増えないと経済は縮小します。

そして少子化が進んだ日本では平均賃金は上がっていません。つまり、このままでは確実に経済が縮小します。賃上げすると、物価が上がって競争力が落ちると思うかもしれませんが、賃上げせずに経済を強くする方法が無いんですね。賃上げ/生産性と働き手の人口は経済の両輪です。

日本ではDXに消極的でした。仕事を減らすからと思われたのかもしれません。しかし生産性の向上の無いところに経済成長はありません。アメリカのIT企業にお金が流れると思う人もいるかもしれませんが、日本もアメリカに輸出しており、得意分野を活かすのが比較優位の考え方です。

問題は日本からの資本逃避でしょう。日本で資本が投資や消費に回ってこそ経済が活性化します。幾らマネー供給を増やしても、海外に資本が逃避しては意味がないんですね。これを防ぐには金利上げ等の手段がありますが、金利を上げると預金が増え、公共投資を増やさざるを得ません。

(リニア等の一部のインフラ投資支援は例外として)乗数効果の落ちた公共投資に経済成長を引っ張る力は既に失われているんです。つまり国のお金の使いどころとしては、(公務員の)(公共投資の発注価格を上げての労働者の)賃上げ・(物価を下げる/生産性を上げる)設備投資がメインであるべきです。

ただし、ここで収支バランスの問題が出てきます。国が支出を増やして、収入が上がるのでしょうか?インフレなら上がります。しかし古今東西、公務員天国にして経済成長した国はありません(滅びた国はあります。共産主義国です)。公共部門は基本的に税収の使い道であって、税収を産まないからですね。

ですから公共投資をしながら、公務員天国にしない方法が望まれます。そんな方法はあるんでしょうか?まず減税を考えてみます。これは税収が下がり、収支バランスの改善にはなりません。基本的に収支バランスが改善した後の還元手段だと思われます。それで景気が過熱したら金利を上げます。

つまり税収を上げて定額減税の実施に至った岸田政権の経済運営は巧みと言え、国民を豊かにしています。金利を上げても、インフレで税収が上がっていたら、財政的には問題ありません。今景気が過熱しているかは物価で見るのが基本でしょう(多分、景気は過熱しておらず、マネー不足です)。

結局、低インフレ・低金利の日本では減税は政策の一手段として考慮の余地はありそうです。では何税を減税するか?内部留保・手元資金を貯める法人税減税ではなさそうです。貯蓄を増やす所得税減税でも消費税減税でもなさそうです。インフレで消費・投資を促しても、資本が海外逃避していますよね。

詰みなのか?そうではないと思います。私は少子化対策にお金を投下すればいいと思います。20年後に市場が拡張されるからですが、教育産業等に対して即効性のある経済対策になりますよね。子供が増えて、国内の投資・消費が増えないはずが無いんです。逆に言えば、少子化が日本経済を停滞させたんです。

纏めると、資本逃避を防ぐために金利を上げるなら、日本はマネー不足になります。それを見越してマネーを供給するべきですが、マネーを供給すると円安になって資本逃避します。物価を下げ生産性を上げる設備投資とゾンビ企業の淘汰(適切な供給減少)が今こそ必要でDXが極めて重要です。

加えて、それだけではマネー不足になりかねません。マネー不足を補う手段としては、少子化対策がもっとも適切だと考えます。そのために税を取る必要はあまりなく、必要なら他の支出を削るべきです。そして日本は今のところは(怪しくなりましたが)金利を上げる余地があり、賃上げに注力すべきです。

GXも並行してやるべきですが、本気でやるのは、人手余りになってからでいいんじゃないでしょうか?脱炭素は重要ですが、まず今やれることは(安全対策を十分にして)原発再稼働だと思います。それが電気料金の上昇圧力を抑え、安定した電力供給を実現し、国内消費を促進すると考えます。

原子力発電は準国産エネルギーであり、資本流出を抑えます。その意味では再生可能エネルギーは優れているように思うかもしれませんが、太陽光パネルは某国産で、不安定な電源は化石燃料のバックアップを必要とし、資本流出を促し、脱炭素に逆行します。蓄電池でゲームチェンジする可能性はありますが。

技術の将来が読めたら苦労はしませんが、同盟国と連携しながら、可能性のある技術開発を追及するのはアリでしょうね。日本としては水素や燃料電池車が成功したら万々歳ですが、電気自動車が成功するなら、現時点では(日本で電気自動車は成功しておらず)、テスラを使うことになるかもしれません。

蓄電池でゲームチェンジがあるなら、太陽光パネルに本気になってもいいのか?これは実は微妙な問題です。太陽光パネルの生産にはレアメタルが必要で、その生産国が中国なんですね。これでは東アジアの安全保障環境を悪化させている中国に塩を送ることになりかねません。GXも外交安全保障の内です。

最低賃金上げ、同一労働同一賃金(非正規の待遇改善)に日本は本気になるべきです。消費を底上げし、企業の業績を改善するでしょうから(株価も上がります)。生産性を上げないコストカットは経済的に最悪なんです。これは消費税下げのようなバラ撒きでは実現しないんじゃないかと私は思います。

消費税下げは中高所得者にも恩恵があり、貯蓄・資本逃避が促進されるでしょうから。つまり内需を拡大させるには、一つには少子化対策ですし、一つには消費性向の高い低所得者層の稼ぎの底上げです。これは物価を上げる作用がありますが、(物価や賃金にスライドして)年金も同時に上げるはずです。

賃上げは労働力の奪い合い(売り手市場)で起きます。今ここで労働力を供給する政策(設備投資による物価下げや年収の壁の撤廃)は疑問に思うかもしれませんが、賃上げは既に実現しており、雇用も問題ありません(まだまだ人手不足局面です)。

経済活性化のために更なる賃上げを目指していくべきですが、賃下げによらない合理化(設備投資)で(賃上げの原資となる)企業収益を改善しながら、労働力を供給して、経済のパイを大きくしつつ、売り手市場方向に圧力をかけていく必要があると思います。

矛盾するように見える方向性の政策を同時にやるのが政治だと私は思いますが、売り手市場方向への圧力とは何を指すかと言えば、有能な働き手の奪い合いです。それが日本で起きていない訳ですが、これはホワイトカラーエグゼンプションで実現します。

有能な人がバリバリ働けば、会社全体の生産性が上がりますし、有能な人の奪い合いが発生して、賃金に上昇圧力がかかることは明らかです。有能な人に研究職を含めてもいいでしょう。含めてはいけないのは、平社員です。名ばかり店長のような制度の悪用は低賃金労働を発生させ、経済を停滞させます。

代えの効かない高度な専門職や大会社の人事権を持つ幹部(本部採用の会社の店長クラスは幹部ではなく、大抵労働者です)は元の給与が高く搾取されたりしないですからね。ホワイトカラーに限定されるのは、頭脳労働に無限の生産性があるからだと思います。

日本のエンジニア人口は少なくありません。一方給与は低いようです。機電系エンジニアのように不足している人材も少なくないようです。仕事柄残業時間は多いようで、バリバリ働いてもらって給与を多くする以外に無いと思います。日本企業は仕事に報酬をもって報いていないようです。

工場のあるほどほどの地方都市の一軍はエンジニアであるべきではないでしょうか?差がつく仕事に正当な報酬を与えるべきであって、今は安くコキ使い過ぎですね(だから必要な人材供給が細っている)。年功序列等、エンジニアの世界でも撤廃に向かうべきではないかと私は考えます。

機電系エンジニアは必要であるにも関わらず、人材が不足しているようです。エンジニアの囲い込み(年功序列終身雇用)による給与抑制が日本の強みの将来的な先細りを招いています。自業自得ですが、このまま放置できません。政治が人を育成していないというより、企業が自ら給与を抑えて志望者を減らしているんです。

人材の奪い合いが起こらない年功序列終身雇用制は給与を抑え、特に需要のある働き手を供給しないと共に、少子化と相まって、日本の需要をも減らしています。これでは先進国としてやっていけません。この辺が円安でも製造業の株価の上昇(評価)が今一つの原因である可能性があります。

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2 コメント

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脱炭素遅れれば「国内生産縮小」エネ基本計画で日鉄会長 (管理人)
2024-05-22 17:58:52
いやいや、円安で海外投資で国内生産縮小とか正気ですか?脱炭素に1年と期限を切られても、一番いい再稼働が裁判所とかに止められがちなので、そう上手くはいきません。再稼働を待たずに投資するのは無駄を重ねることになりますし、良い発電方法も現時点でありません。

(環境/森林を破壊する)メガソーラーは新規を許可せず、安全を確保させ、リプレースを認めないとかは考えられますが。後は(福島はさておき)廃炉が決まっている原発の再稼働を検討するとか。安全性を確保したら、原発の再稼働は速やかに認めた方がいいです(避難体制とかは因縁に等しい)。
銅建値が最高値175万円 JX金属、10万円引き上げ (管理人)
2024-05-22 17:59:36
銅のリサイクル体制を国に整備してほしいですね。製造業等もリサイクルを前提とした製造に向けて投資をするべきです。

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