原発事故相 核不拡散取り組み強化(
NHKニュース 1月14日 23時52分)
>細野原発事故担当大臣は、茨城県東海村にある独立行政法人日本原子力研究開発機構を訪れ、IAEA=国際原子力機関の原子力施設への査察などで採取されたウランやプルトニウムなどの核物質が、平和的に利用されているか分析して調べるための施設を視察しました。このあと、細野大臣は記者団に対し、「ことしは、北朝鮮やイランなど、国際的な核拡散への懸念が強まっている。日本は、IAEAと連携して、核不拡散に模範的な取り組みを担っていると自負している。
本当はイスラエルのような戦略的曖昧さが必要と思うが、残念ながら(?)日本はIAEAの模範生のようである。イラン情勢が緊迫している時期のニュースであることが示唆的であるが、どれほど(力が無い)日本の核不拡散政策に意味があるか疑わしい部分もある。中東情勢は日本の国益に直結するものの、日本は周囲の安全保障環境を考えることが第一であることを確認したい。
イラン情勢で気になるのはイランの国益とは何か?ということ。イランはイランの国益に従って動くだろうが、ホルムズ海峡の安定はイランの大きな国益でもある。年来の敵対国イラクの力を考えると、今周辺国でイランの脅威と言える国はないと思う。問題はイスラエルや欧米との関係だと思うが、少なくとも欧米(や日本など)とイランの国益はホルムズ海峡の安定で一致しているだろう。勿論、これはホルムズ海峡の安定を人質にすれば、イランが欧米から譲歩と言えるほどのものを引き出せるということではない。
IAEA調査団受け入れ イラン外務省が表明(MSN産経ニュース 2012.1.15 10:48)
>イラン外務省のメフマンパラスト報道官は14日、国際原子力機関(IAEA)の調査団が「恐らく月内にイランを訪れる」と述べ、調査団受け入れの用意と時期について初めて表明した。国営イラン通信が伝えた。
焦点はイランのIAEAの受け入れがどの程度欧米をはじめとする国際社会を納得させるかに移ってきているようだ。これは今まで決裂してきたことであり、そう容易なことではないと思うが、破局のダメージは大きい。既に国際社会を納得させている日本の関与はあってもいいかもしれない。これをきっかけにイランと欧米の関係が改善されることを改めて期待したい。イスラエルの動きも重要なファクターだろうが、部外者にはどうもイスラエルとイランがいがみあう意味が分りにくい。根本的な対立の理由はないようにも思うのだが・・・。
ところで東アジア情勢と言えば、北朝鮮問題だが、これまで指摘されてきたミャンマーとの連携の問題の解決のための足がかりが出来たようで、期待したい。
改革継続なら経済制裁緩和も クリントン長官がミャンマー大統領と会談(MSN産経ニュース 2011.12.1 21:45)
米、ミャンマーに大使派遣手続き開始 関係正常化に一歩(MSN産経ニュース 2012.1.14 10:30)
>クリントン長官は大使派遣までに「長い手続き」が必要と述べ、実現は「改革の前進と継続にかかっている」と強調。2003年に成立したミャンマー製品の輸入や投資、金融取引を全面禁止するミャンマー制裁法の解除にも言及しなかった。
>さらなる関係改善には、北朝鮮との不透明な軍事協力の停止、国連の核不拡散体制の尊重が極めて重要との認識を示した。
アメリカはアメリカの国益に従って行動しているのだが、日本にもアジアにもプラスになるところもある。特に北朝鮮情勢は日本にとっての方が大きい意味があるはずだから、もっと日本が関与できる方が望ましい。アメリカの外交力は率直に言って力に裏付けられているところも大きいだろう。日本も無力なままではいけないと思う。北朝鮮の暴走を止めて東アジアを安定させるためにも、日本がしっかりする必要があるだろう。すなわち、誤解を解きつつも、先軍政治の北朝鮮に通じる力をつけることが重要なはず(北朝鮮は日韓の頭越しにアメリカと交渉しようとしている)。