自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

カルロス・ゴーン事件~政治も経済も「情報」である⑨

2018-12-10 12:08:11 | 自然と人為
 ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務していたカルロス・ゴーンが逮捕された。いろいろな理由と背景が論議されているが、私には欲望の資本主義の行き着く先のように思える。
『美しい日本』と誤魔化しながら
(安倍批判集会動画)
、何億から何兆というお金を私物化する一方で、尊い人間の命を紙屑のように扱い殺す事件が多く、欲望の政治と資本主義で汚してしまった悲しい日本の社会の裾野は広く、かつ深いことを示す事件の一旦かも知れない。ゴーン事件は日本もフランスも政府が絡んでいる。もともと政治と経済は一体であったにしても、民のためではなく財界のため、富裕層が絡んだ政治と経済も現代社会を象徴している。
  
 不染鉄を知っていますか? (動画 ダイジェスト版)
 日曜美術館「画家 不染鉄」芸術はすべて心である (動画)2018.2.25
  

 私は「人生もすべて心である」の境地に達した老いぼれである。「ゴーン事件」のような「汚れちまった社会」を希望の社会に向かわせるにはどうすれば良いのか?老人の最後の仕事として、この問題を考える経済の原点「お金のあるべき姿(動画)大西つねき氏講演会を来春に予定している。歩くのも書くのも不自由になった身で、皆さんにお集まり頂けるだろうかと心配になっているが、会場(200~500人収容)だけは準備しているので、少なくとも200人の方にはお集まりいただけるようにブログ等で呼びかけたい。「ゴーン逮捕」は今日の社会問題が浮き彫りにされた事件だが、現場の情報が得られない立場で下手な考察をするよりも、問題点がどこにあるのか資料を私の判断で集めて残すことにする。それが、このブログの目的でもある。

1.事件の概要と日本の政治・経済状況
 ネットではいろいろな情報が氾濫しているが、NHKを含めてメディアの情報は政府の影響で歪んできている。政治も経済も「情報」である。歪んだ情報は、日本の社会自体が歪んでいることを示すものであるが、国民の歩むべき道も歪ませる。事件の概要とその背景にある日本の政治と経済の状況を知るには、下記の動画が参考になる。
 2018.11.19 日本経済新聞「ゴーン会長逮捕 日産社長が緊急会見(ノーカット)
 2018.11.23 日仏対立? 日産CEO カルロス・ゴーン逮捕で
 
 2018.11.29 山田厚史ゴーン逮捕は国策捜査か?すべては、1999年の失敗から始まった
 参考:2018.03.20 山田厚史「森友疑惑 官僚たちの『順法闘争』
     2017.05.31 山田厚史「加計学園」があぶり出す監視社会の闇
     2018.10.26 前川喜平さん講演会
     2018.07.14 山田厚史等
「ホントはどうなの?日本経済」
               前:「好景気」の舞台裏, 後:アベ対抗策は「反緊縮」?

2.日本のメディア(NHK)の報道
 我々庶民はメディアの報道からしか情報を得ることはできない。日本のメディアが伝えたカルロス・ゴーン事件を記録として残しておこう。
2018.11.25 NHKスペシャル「ゴーン・ショック」逮捕の舞台裏で何が
 NHKニュースは何故、「入管難民法」ではなく、「外国人材拡大」法にワザワザ修正するのか? 
  
  2018.12.7『NHKニュース~「入管法」を「外国人材拡大」法に誤魔化すNHK』(動画)

 報道が権力を持つ政府の側に立つと、国民は騙され、判断を誤り、行き先を誤る危うい社会になる。法律には名前がある。勝手に名前を付けて誤魔化すのではなく、日本人であろうが外国人であろうが、日本で仕事をすることが幸福だと思える国を理想とすべきだ。日本が尊敬され、世界が日本を見習う国になることを目指そう。日本の「何か」に拘る閉鎖的な心と制度が、増加する世界の人口の中で、日本の人口減少をもたらしている。真のグローバル化とは、心を世界に、自然界に、大きく開くことだ。
 参考: 2018.11.29 「安倍内閣が入管難民法改正案の成立を急ぐのはなぜか」
      2018.05.09「日本人は『人口減少』の深刻さをわかってない」


3.ゴーン事件と東京地検特捜部
 カルロス・ゴーンは利益追求を最優先にし、グローバル化と合理化(コストカッター)の過程で多くの部門や下請け、さらには会社に関係する多くの社員の首を切り、自分では年間10~20億円という多額の役員報酬を得ようとしただけでなく、会社の経理の私物化を当然のように進めた。それは軽蔑される生き方であり、日本では「製品(自動車)の性能には厳しく、人には優しく」であったはずだ。利益追求のためには人には薄情に、製品の性能は疎かに(検査不正1)(2)、お金には強欲になることが、地位ある人に許されるのか?
 この事件が超大型脱税問題だとすれば、何故「国税庁」ではなく「東京地検特捜部」なのか。「東京地検特捜部」で検索すると、「政財界を巻き込む大きな汚職や不正、脱税などの事件を専門に捜査する東京地方検察庁の部署。戦後間もない1947年、物資隠匿を取り締まる隠退蔵事件捜査部として誕生した」とあった。「日産自動車」の脱税を追求するとしても、ゴーン個人の罪を追求するのなら、何故、会社として処分できなかったのか。会社ではゴーン処分が出来ないので、政財界を巻き込み、「東京地検特捜部」を必要とした国策捜査動画44分必見!かも知れない。通産省の経済産業審議官(2007年7月 )であった豊田正和氏は内閣官房参与(2008年11月)、2018年6月には日産自動車の社外取締役となっている。また、日本にはなかった「司法取引と刑事免責制度」が、2018年6月1日から導入されたが、これも日産の「司法取引」のために刑事訴訟法を改正したのか!?
 参考:日産「ゴーン追い落とし」の裏に経産省の影

4.岸信介(孫・安倍晋三)と世耕弘一(孫・世耕弘成
 ゴーン事件に関係したと噂されている安倍内閣は、政治の世襲のためか、祖父の代から東京地検特捜部と繋がっている。
 2015.08.16 安倍首相の祖父・A級戦犯岸信介の正体(前)(2),2018.11.15 (前・後)
 2014.07.09 世耕弘成官房副長官一族に疑惑?


5.日本とアメリカ、トランプ大統領との関係
 「東京地検特捜部」にはCIAを通じて、戦後日本がアメリカに支配され続けた大きな闇が隠されている。最近、「F35戦闘機 最大100機追加取得へ 1兆円、政府検討」と複数メディア(1)(2)が報じているように、日本の自衛隊は自衛を名目にし、米軍は世界の平和を守ること名目として、いずれも日米の軍需産業を潤している。権力者は自分の都合で平気で嘘をつく。憲法9条の改正は、アメリカの要請で自衛隊を戦争に参加できる国にすることだと思っていたが、アメリカの要請も時代と共に変わっているようで、トランプ大統領は日本の自衛隊や在日米軍をどうしようと思っているのか?戦後のアメリカ従属体制に従って来た日本の官僚やメディアの間にも、トランプ大統領の出現で混乱が生じているようだ。
 参考:2018.05.24 田中 宇「米朝会談後、在韓・在日米軍撤退の話に突然なる?」
     2018.06.09 田中 宇「在韓米軍も在日米軍も撤退に向かう」
     2018.07.24 田中 宇「軍産の世界支配を壊すトランプ」
     2018.11.13 北野幸伯「トランプの『中国バッシング』に日本が乗ってはいけない訳」
     2018.12.08 映像の世紀プレミアム 第11集 「不動産王 トランプ」


 戦争とは「国同士の戦い」を空想するが、実像は国民同士が殺し合い、破壊し合うことだ。したがって、軍備拡張ではなく、本来は戦争防止こそが政治・経済の最重要な仕事であり、責任である。政治家やメディアは他国との対立で国民の不安を煽ることをしないで、他国との融和を最優先にすべきだ。自衛隊の主たる任務も「災害救助」とし、「世界災害救助隊」と改名すれば、訓練が必要な「他者を殺す仕事」ではなく、「他者の命を守る仕事」となり、経費は少なく、世界に信頼される国となり、敵の侵略に怯えるよりは、隊員も国民も安心して幸せな生活を送れるだろう。

5.ゴーン事件に関する様々な論説 
 ゴーン事件は単なる企業の問題ではなく、日米仏中の政府が絡んだ問題だとする論説が多い。ここではインパクトがある対談または分担論説、単独主張、個人名がない論説等の資料を集めておいた。
 2018.11.20 藤井厳喜×井上和彦×居島一平 カルロス・ゴーン逮捕の裏側に米仏中?!
 2018.11.21 増田俊男「カルロス・ゴーン事件の真相」(動画)
 2018.11.21 郷原信郎「不可解なゴーン逮捕と無理筋の司法取引説」(動画)
 2018.11.22 田中 宇「ゴーン逮捕で仏マクロンの謀略を潰した日本政府」
 2018.11.23 「ゴーン逮捕は官邸案件か?各紙の伝え方に警戒心を持つべき理由」
 2018.11.24 小島寛明 「ゴーン逮捕を巡る、検察と日産の『取引』への2つの大疑問」
 2018.11.24 「ゴーン逮捕から分かる 日仏米支配構造」
 2018.11.28 親中派ゆえ標的に? 特捜部ゴーン逮捕にチラつく米国の影
 2018.11.29 窪田順生 「ゴーン逮捕で永田町関係者がささやく仰天の「トランプ黒幕説」とは」
 2018.11.30 ゴーン前会長の勾留「問題ない」東京地検次席検事
 2018.11.25 田中康夫 「日産の株式43%保有のルノーからブーメラン!
 2018.12.05 田中康夫 「逆命利君」が育たなかった日産自動車の悲劇!
 2018.12.06 田中康夫 「日産の危機を救った塙義一社長に1999年にインタヴュー」



初稿 2018.12.10 更新 2019.3.11 更新(ブログ目次削除)


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