最初に同居したのが「ジョーイ」、セルティーの男の子。2代目は「愛」で、初代に良く似た女の子。いずれも私を子分と思いたいらしい。「目と目を合わる」ことには、「愛(eye)コンタクト」とか「眼付ける」とかいろいろ意味があるだろうが、犬は言葉が喋れなくても、アイコンタクトや私の声や動作で私のことを理解しようとし、吠えたり泣いたりも声の質で意思を伝えてくれる。移り気も早いようなので誤解することも多いが、もっともっと理解し合いたいと思っている。
初代 ジョーイ
2代目 愛ちゃんと初孫3歳(誕生日:2014年12月14日)
ところで、私はブログでも個人の責任のもとに発言していることを示すために住所などを明記していた。だが、どうもネット社会の風習では姿が見えない方が親近感が湧くらしい。そこで住所、氏名などをこの場からは消去することにした。
プロフィールの写真には、わが家の家系にはない「美男子」に代役をお願いした。「ジョーイ」と言う。字画が良いのだそうだ。散歩すると「綺麗ね!」と見知らぬ人からも声がかかる。カメラを向けるとポーズも取る。しかし人に媚びは売らない。初めて家の中で3人一緒に生活をした犬だが、いつも私と家内を見守る遠い位置にいて、頭をなでるとブルブルとイヤイヤして逃げてしまう。道路を通る人にまで吠えるが、門扉を開けて入ってくる人への警戒は異常な程だった。一間モノの窓ガラスを割って外に飛び出たことが2度もある。その一方で、散歩で自分が歩いた道以外は絶対に行かない。リードをつけないで、さっさと散歩に出かけることもあり、そういう時はおとなしいので許してもらった。家の裏に、山際に添って曲がって中学校につながる坂がある。その坂道はいつもの散歩コースだが、先にさっさと走って行ったジョーイが耳を小さくして戻ってくる。どうしたのかと思ったら学校から帰宅する中学生の集団が下りて来た。来客に吠えるのとは立場が違うのであろう。
私が57歳の時、忘れられない事件が起きた。私は冬の朝、風呂でしゃがんで朝シャンをしていた。ジョーイは私が風呂やトイレに行くと必ず様子を見に来る。しゃがんでお尻は床に着けないで洗っていたが、次第に体が傾いて姿勢が保てなくなる。どうしたのかなと思っていたら、左手がだらりとして力がない。これは「脳卒中だ!」と思って、様子を見に来ていたジョーイに「お母さんを呼んで来て!」と言ったら、家内に「ワン!ワン!」とけたたましく吠えて風呂に先導したそうだ。家内が来てくれ私と話をしていると、ジョーイが鼻先で私を起こそうとする。お蔭で救急車が早く来てくれたので手術をしなくて済んだ。左半身マヒで歩行からリハビリを始め、少しびっこが残ったが職場復帰することができた。当日はドタバタしていて気が付かなかったが、あの来客に吠えるジョーイが救急隊が来ても静かにしていたことに、そこまで私のことを見守ってくれていたのかと、今も思いを寄せている。
そのジョーイとは退職後1年は毎日一緒に暮らせたが、11年も生きて獣医さんのお世話になったのはガラスを割って怪我をした時と、最後の1週間だけだった。可愛いので私たちと同じものを与えていたら腎臓を悪くして食事ができず、最後には水も飲めなくなった。点滴しかないので、少し遠いが毎日点滴をしていただける坂本獣医科病院に通っていた。その最後の日、ジョーイは私の腕の中で背伸びをした。そして診察の順番が来たので診察台に下すともうこと切れていた。あの背伸びは最後の排糞だったのだ。坂本獣医師は患者が待っているのに、時間と愛情をかけてジョーイの身体を清めて埋葬の準備をしていただいた。その優しさはありがたく、今も感謝している。
私のこのブログに何をキーワードに来られているのかアクセス解析を見ると「三谷克之輔」が最も多いとある。へー何で?と名前で検索すると確かにある。私の知らなかったブログがあり、写真まである。名前を公表することは発言に責任を持つためだが、ある意味では個人情報をさらけ出すことでもあり、国に監視されていることもあろうし、知らない人が私の発言を取り上げていることを知ることにもつながる。両刃の剣だ。住所、氏名などを明記して始めたブログだが、本日から削除させていただく。
私の名前で検索して、坂本獣医師のその後の活躍「宮崎口蹄疫-獣医師からの手紙」を知ることになる。手紙の主は宮崎の池亀獣医師で、坂本獣医師の酪農大学の先輩になるそうだ。OB会で同席し池亀獣医師の話を聞いたことでブログに大きく取り上げていただいた。今はもう池亀先生も亡くなられ、ジョーイが死んでから坂本先生ともお会いしていないが、池亀先生の手紙に私の名前があったことで、坂本先生のブログに辿り着くという不思議な縁でつながっている。
「犬馬難鬼魅易」は韓非子の有名な言葉だ。研究者は現場の問題を軽く見て、実験室で鬼魅の研究をし、難しいことをしているように見えるが、現場の研究ほど難しく大切なものはない。私はBSEや口蹄疫に対する国の原因究明や対策、そして専門の学者の対応に我慢ができずブログ「牛豚と鬼」を公開した。アレックス・カーの「犬と鬼」があるが、ここでは犬馬に替えて犠牲になった牛豚とした。そのブログもここに引っ越す必要があるので、ここに「牛豚と鬼」というカテゴリーを設けて、このプロフィールを最初のページとしたい。
2017.12.20 更新 2020.5.7
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