自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

YouTubeの著作権とは? 放送で公表したものは共有財産!

2016-11-29 21:34:23 | 自然と人為

 テレビ番組から得られた情報を皆様と共有して一緒に考える材料にしたいと思い、テレビ画面をビデオ撮影してYouTubeに登録していた。良い番組だと思って登録しても、著作権の問題があり「全国でブロックされました」と警告があることがある。どこが著作権なのかなと思い、著名人が原爆資料館を訪問している場面をカットして再登録てきたこともある。手間がかかるが、テレビ番組をYouTubeに残しておくことは、広く時間と場所を越えて多くの人が番組を共有できることである。それにテレビ放送の影響は大きいので、何をどう放送したのかをいつでも誰でも検証できる方法をテレビ局は提供する義務がある。容易に過去の番組を見れる方法を提供していただければ、視聴者が手間をかけて拡散する必要はない。

 フェイスブックに登録している「牛が拓いた斉藤晶牧場」(動画)は、このブログの原点となっている牧場で、関係協会の了解をえてYouTubeに登録していたが、「著作権侵害に関する第三者通報が複数寄せられたため削除」された。この動画に第三者通報が複数寄せられたとは考えられない。このとき、サンデーモーニング 「風をよむ」の登録は全て削除された。多分、「サンデーモーニング」と「反日」で検索できるブログは多いので、その人たちのクレームによって削除されたのではないか、と私は思っている。安倍政権は意向に沿わないメディアに圧力をかけているので、その支持者の中には特定の国を敵国と思うことが愛国で、平和を語ることは売国だと思う人がいて、サンデーモーニングの番組削除を正義だと思っているのかもしれない。最近のサンデーモーニングは、論者や論点の鋭さがなくなり気になるところではあるが  それはともかくとして、著作権の誤解を与えないためにも、サンデーモーニング 「風をよむ」のコーナーにタイトルだけではなく、録画も掲載して欲しいと要望しておいた。

 著作権、知的財産権については、生命科学分野の有用なデータベースやツールの使い方を動画で紹介するウェブサイト『統合TV』で、 シンポジウム「科学における情報の上手な権利化と共有化」 プログラム>が公開されている。

 7年前の2009年に開催されたこのシンポジウムの趣旨について、高木利久氏(バイオサイエンスデータベースセンター長(東京大学教授,国立遺伝学研究所)が、これまでの科学が仮説を実験や観察で確認する方法(仮説駆動型)から、爆発する現実のデータから仮説を構築するデータ駆動型になっているので、データ共有、統合化、活用の基盤整備が不可欠であることを簡潔に話されている。例として、コンピュータの発達により遺伝子の塩基配列のデータが爆発的に増え人工知能の発達と相伴って、医薬品の開発法の著しい技術革新が進んでいることから著作権の考え方の変化を説明されている。このことは農業分野においても「農学栄えて農業滅ぶ」と古くから揶揄されてきたように、農業の進歩は仮説駆動型で実験室の研究結果を現場に普及することだと信じて疑っていないが、もともと人間が営む農業の現場に情報(データ)があり、そのデータを共有して農業のあり方を考えようと30年前に設立した畜産システム研究会の趣旨とも一致している。

 また、このシンポジウムは「デジタル化時代における著作権」の世界的権威であるハーバード大学ローレンス・レッシグ教授の来日を記念して開催されたが、同氏は古い時代の著作権(象)が今もいることに誰も気が付かないことを、「部屋にいる像は忘れられてしまいがち」と表現している。また、同氏は今年(2016年)の大統領選に「皆で共和国本来の国民の力を取り戻す(動画)ために、選挙資金や選挙権などの政治改革を!」と立候補している。学問の場だけではなく現実の問題を提起され行動されている学者でもある。
参考: ローレンス・レッシグ:法が創造性を圧迫する, 719夜『コモンズ』ローレンス・レッシグ

 著作権は人類の知識の拡大のために本来は共有すべきものであり、デジタル技術が発達した現代では公表したものは共有財産のように公開を原則にするべきだが、部屋に古い象がいても誰も気がつかないように、技術の遅れた時代の習慣がお金で動く時代に当然の権利のように振舞っている。知的財産の保護と活用を国家目標にしたのは、「2002年小泉首相の提言」に始まっているが、「情報の共有と独占について」どうバランスをとっていくのか、発明の保護、著作物の保護、秘密の保護のような特定の切り口から問題にされる必要がある。   一例として、国家戦略としてEUでは政府資金に基づく委託研究の研究成果は国に吸い上げて世界の共有財産とする方向だが、日本政府はこれに消極的だ。共有と独占をどうバランスするかは、何を重視するかで決まってくる。日本は情報をお金だと信じ過ぎてはいないか?

 テレビ番組で放送された報道番組では個人情報保護については公開の段階で解決されているはずで、視聴者がこれを拡散するのを禁止する理由はない。ことに問題提起して、どう考えるべきかを報道する「サンデーモーニング”風をよむ”」は、多くの方に議論を呼びかけることが目的なので、著作権保護よりも著作権放棄の問題だと、私は思う。「YouTube」は情報の拡散をビジネスとしているのだから、著作権の問題はプロとしてもっと厳しく対応して欲しいと思う。

初稿 2016.11.29 更新 2019.10.10


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