地球大変動という地球の歴史が、その時代を謳歌していた生物を絶滅させ、弱い生物を進化させてきた。今、時代を謳歌している人類、言葉を獲得して生物の頂点に立った人類(下記録画:1時間3分10秒~1時間6分40秒)は文明を発達させて工業化により地球を温暖化させ、さらにその温暖化を防止するという口実で原発を稼働させている。この地球温暖化と原発事故や核汚染廃棄物の蓄積によって人類は自滅するのではないか。次の番組はそれを教えてくれる。
【NHKスペシャル】地球大進化 ~ 46億年 第7集 ~ 最終回 そして未来
人類が生き延びるには遺伝子による進化ではなく、人類の強者が言葉によって弱者を支配するのでもなく、人類の弱者が生き残るための言葉が必要であり、それが強者をも救い人類が少しでも永く幸せに生きる道であろう。ホセ・ムヒカ前ウルグアイイ大統領が言動で示した「他者を愛する政治」は、人類の生き残りのためにも不可欠だと思う。
今、地震学はGPSの利用により大きく発展している。しかし、地震と関係が深いマントルとプレートと断層の知識に、火山と関係が深いマグマを加えて考ると、新しい情報に接しても古い常識と新しい理解が混乱してしまう。「熊本の地震拡大」をブログに書いてから、この混乱が気になっていた。
マントルとプレートの関係は、馴染みがあるマグマとプレートの関係で説明したいが、そこまで短絡的に説明すると誤解を与えてもいけないので「マグマを含むマントル」と意識して説明することにする。
ハワイは毎年8cm,日本に近づいている。ハワイの火山のマグマは「ホットスポット」と言って、マグマがプレート同士の衝突の摩擦でできるのではなく、プレート同士の衝突でできた割れ目からもっと深いところから上昇してくると考える方が理解しやすい。
このハワイの移動のことはブログ「ハワイ諸島の誕生とプレートの移動」に詳しく説明されている。
また、ブログ「火山のできる場所と地球の大構造」では、
「プレート=地殻+最上部マントル」
と説明している。マントルの最上部が冷えて固まってプレートになると説明すれば誤解を与えなくて済みそうだ。断層はこのプレートの境界付近で大きな力が働き、その力が地表まで及んで動いた痕跡であり、地震の原因と言うよりは結果であり、原因はあくまでプレートを動かしているマントルだと説明する方が素人には理解しやすい。
そこで、上記録画を教材として、大陸移動と地震と生物の進化について学ぶことにした。これはそのレポートである。
2億5千万年前、超大陸によって地球に閉じ込められていたマントルの高温帯(ホットプルーム)が噴出してシベリアで火山大噴火(スーパープルーム)が発生した。この時期にあった超大陸「パンゲア」は約2億年前に分裂を開始したが、これは「パンゲア」の下に溜まった熱を「裂け目」を作ることによりマントルから地表へ吐き出すためと考えられ、この分裂によりマントルの低温帯(コールドプルーム)が下降する対流が生まれる。なお、「パンゲア」の分裂から現在までの大陸移動のシミュレーションも海洋研究開発機構から紹介されている。
このスーパーブルームは1億年(上記録画:33分~)も続き、地球温暖化と酸素不足をもたらし、1億5千万年前には肺機能が進化した恐竜の時代となり、弱者であった我々の祖先は卵から胎生へと繁殖方法を進化させて生き延びた(上記録画:36分46秒~)。なお、今の時代の温暖化は(上記録画:1時間11分~)それより300倍も早いスピードで進んでいるとされている。
インドプレートがアジアに衝突した頃の5千5百年前(上記録画:43分50秒~)には、高温のプルームが上昇して大陸をヨーロッパとグリーンランドに引き裂き、地表の近くに蓄積されていたメタンハイドレイトと接触して地球を温暖化に向かわせた。そして、3千3百年前(上記録画:46分35秒~)には大陸の分裂で孤立した南極ができ、海流の変化が地球の寒冷化と乾燥化に向かわせた。
最近では過去200万年で最大級の噴火が、7万年~7万5千年前にスマトラ島にあるトバ火山であり、その影響で寒冷化が進んで約1万年前まで続いた氷河期(ヴェルム氷期)となる。急激な寒冷化となった3万年前、人類最古のショーヴェ洞窟壁画が残されたころネアンデルタール人が絶滅し、我々の祖先は約2万年前の最も寒冷な時期を経て、氷河期が終わった1万年前から農耕を始めることになる。
百万年から千万年を単位で変動する地球にとって、人類誕生から1万年単位、農耕を始めてからは千年単位、歴史を語り始めてからは1年単位、最近では1日単位で考える我々が経験する地震は一瞬の出来事であり、生きている期間に何が起こるかは予知不能な世界である。地震がいつ来るかではなく、我々は必ず来る大地震にたいして被害を最も小さくする生き方を準備しておくしかない。
今も大陸は移動していて5千万年以上もすれば、新たな超大陸『Amasia(アメイジア)』,(2)が確実にできるとされている。1980年代から、マントル深部からキノコ状にわき上がってくるホット・プルーム、逆にマントル深部に落ち込むコールド・プルームというプルームの存在がわかってきた。これまでの「プレートテクトニクス」から全マントルの情報をもとにした「プルームテクトニクス」が組み立てられつつあるそうだ。しかもプレートは強い力が働く日本列島やインド北部からアジアにかけて、またアメリカの西海岸においても割れてブロックになっていることが明らかにされてきた。
「NHKスペシャル 巨大災害 地震列島」(動画)
ここまでがレポートです。世界の地震分布を見ても、地震国日本で原発を稼働させることは信じられないことであり、人類のために絶対に許せないことです!一体、誰のために稼働するのでしょうか?
地震はなぜおこるか?
クリックすると拡大
世界の地震分布(東京大学地震研究所)
なお、木星の衛星「イオ」にある火山が噴火(動画)しているが、熱源は地殻の下にある比較的浅い層で、木星の重力による歪める力が熱源を生んでいるそうだ。地球の公転や自転がマグマに及ぼす重力も我々が生きている時間では影響しなくても、千万年以上の単位で変動する地球の歴史では影響しているのかも知れない。
木星の衛星イオのダイダロス火山、太陽系最大級の活動
木星の衛星イオにマグマ層が存在
「天空の果実」・衛星イオとその上空から見た木星
また、地球大変動や宇宙に関して、今後の学習のために動画を紹介しておきたい。
参考:地球大進化~46億年・人類への旅~ 第1集 生命の星 大衝突からの始まり
地球大進化~46億年・人類への旅~ 第2集 全球凍結
地球大進化~46億年・人類への旅~ 第3集 大海からの離脱
地球大進化~46億年・人類への旅~ 第4集 大量絶滅
地球大進化~46億年・人類への旅~ 第5集 大陸大分裂
地球大進化~46億年・人類への旅~ 第6集 ヒト 果てしなき冒険者
5億年前の地球。ゴンドワナ大陸のシミュレーション
コズミックフロント「ファーストスター 宇宙の一番星」
コズミック フロント「宇宙の古代都市 球状星団のミステリー
コズミックフロント 宇宙の終わりに迫れ 宇宙に終わりはあるのか?
初稿 2016.4.30 更新 2019.9.2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます