宇沢弘文先生の訃報についてインターネットで調べてみた。
NHKは特別番組を準備しているのであろうか。
「経済学者の宇沢弘文さん 死去(9月26日 10時42分 NHK)」
全国紙のいずれもインターネットで報じているが、無料版はいずれ削除されると思うので「見出し」だけでも残しておきたい。訃報の取り扱い方から各紙からの心は伝わってくる。「経済成長研究の世界的権威」という読売新聞の見出しは、宇沢先生を知らない人々に誤解を与えるのではなかろうか。経済成長や関税・制度のアメリカ化(TPP)が国民に幸せをもたらすという経済成長神話を報道してきたメディアにとって、宇沢先生もそれを推進した「経済成長研究の世界的権威」としたいのであろうが、この見出しはある種の「ねつ造」である。
効率優先の社会批判、公共経済学説く 宇沢弘文さん死去(朝日新聞)
「訃報:宇沢弘文さん86歳=経済学者、消費社会を批判(毎日新聞)」
「経済成長研究の世界的権威、宇沢弘文氏が死去(読売新聞)」
経済学者の宇沢弘文氏 成長優先の政策を批判 環境保全の発信にも注力(産経新聞)
故宇沢弘文氏、公害など社会問題批判 多分野に「門下生」(日経新聞)
読売新聞に対して日刊ゲンダイの記事は、「世界的経済学者・宇沢弘文氏が蛇蝎(だかつ;へびとさそり)の如く嫌った『新自由主義』」と竹中平蔵氏の写真を掲載し、「稼ぐが勝ちという新自由主義もおかしければ、それを唱える学者の人間性にも怒っていた。ノーベル賞クラスの学者でしたから、竹中平蔵氏を名指しで非難はしていませんが、その政策や生きざまには批判的でした」と論じている。宇沢弘文先生は、学者は政府と距離を置くべきだというお考えでもあった。
さらに、地方(鳥取県)のご出身であり、農業は人間の命を守り、心を育てると大切にされていた。このことを農協新聞から紹介しよう。
【哀悼・宇沢弘文氏】世界的経済学者の逝去を悼む(農協新聞 2014.09.30)
【特別寄稿(上)】菅政権のめざすことと、その背景 宇沢弘文・東京大学名誉教授、日本学士院会員(農協新聞 2011.02.14)
【特別寄稿(下)】菅政権のめざすことと、その背景 宇沢弘文・東京大学名誉教授、日本学士院会員(農協新聞 2011.02.23)
この特別寄稿の内容は、ビデオニュース(ビデオニュース・ドットコム)でも2011年02月26日に放映された「TPPは「社会的共通資本」を破壊する」が、現在再放送を無料公開している。TPPだけでなく人間の心を大切にする経済学者の宇沢先生のことを多くの方がビデオで知る貴重な資料だと思う。
宇沢先生の死を悼む個人のブログもある。「最もリベラルな世界的経済学者、宇沢弘文先生の死(2014年9月29日筆)」,(大西良雄ニュースの背後を読む)のブログでは、「宇沢先生が亡くなられたと聞き、改めて『経済学と人間の心』を読み返した。読み返してみて、なぜ宇沢先生が新古典派経済学に懐疑を持つようになったのか、その熱いパトス(感情)が生まれた原体験に触れることができた気がする」とある。大西良雄さんは東洋経済新報社で「経済学と人間の心」の編集に関わられたそうで、この本がますます身近に思えてきた。
宇沢さんの市民講座を受けて経済学者になった小島寛之・帝京大経済学部教授のブログでは、
「宇沢弘文先生は、今でも、ぼくにとってのたった一人の『本物の経済学者』2014-09-28,hiroyukikojimaの日記」と語られている。また、2008年には、「宇沢師匠のこと 2008-01-09,hiroyukikojimaの日記」もある。
少し古くなるが、宇沢先生に関するブログを紹介しておきたい。
日本には素晴らしい経済学者がおられます。宇沢弘文先生です。2010-10-23,杉並からの情報発信です
鼎談 経済学者/宇沢弘文氏を迎えて (黒川清のブログ)
宇沢弘文「経済学の考え方」を読む,知の快楽
2015.3.9 更新
NHKは特別番組を準備しているのであろうか。
「経済学者の宇沢弘文さん 死去(9月26日 10時42分 NHK)」
全国紙のいずれもインターネットで報じているが、無料版はいずれ削除されると思うので「見出し」だけでも残しておきたい。訃報の取り扱い方から各紙からの心は伝わってくる。「経済成長研究の世界的権威」という読売新聞の見出しは、宇沢先生を知らない人々に誤解を与えるのではなかろうか。経済成長や関税・制度のアメリカ化(TPP)が国民に幸せをもたらすという経済成長神話を報道してきたメディアにとって、宇沢先生もそれを推進した「経済成長研究の世界的権威」としたいのであろうが、この見出しはある種の「ねつ造」である。
効率優先の社会批判、公共経済学説く 宇沢弘文さん死去(朝日新聞)
「訃報:宇沢弘文さん86歳=経済学者、消費社会を批判(毎日新聞)」
「経済成長研究の世界的権威、宇沢弘文氏が死去(読売新聞)」
経済学者の宇沢弘文氏 成長優先の政策を批判 環境保全の発信にも注力(産経新聞)
故宇沢弘文氏、公害など社会問題批判 多分野に「門下生」(日経新聞)
読売新聞に対して日刊ゲンダイの記事は、「世界的経済学者・宇沢弘文氏が蛇蝎(だかつ;へびとさそり)の如く嫌った『新自由主義』」と竹中平蔵氏の写真を掲載し、「稼ぐが勝ちという新自由主義もおかしければ、それを唱える学者の人間性にも怒っていた。ノーベル賞クラスの学者でしたから、竹中平蔵氏を名指しで非難はしていませんが、その政策や生きざまには批判的でした」と論じている。宇沢弘文先生は、学者は政府と距離を置くべきだというお考えでもあった。
さらに、地方(鳥取県)のご出身であり、農業は人間の命を守り、心を育てると大切にされていた。このことを農協新聞から紹介しよう。
【哀悼・宇沢弘文氏】世界的経済学者の逝去を悼む(農協新聞 2014.09.30)
【特別寄稿(上)】菅政権のめざすことと、その背景 宇沢弘文・東京大学名誉教授、日本学士院会員(農協新聞 2011.02.14)
【特別寄稿(下)】菅政権のめざすことと、その背景 宇沢弘文・東京大学名誉教授、日本学士院会員(農協新聞 2011.02.23)
この特別寄稿の内容は、ビデオニュース(ビデオニュース・ドットコム)でも2011年02月26日に放映された「TPPは「社会的共通資本」を破壊する」が、現在再放送を無料公開している。TPPだけでなく人間の心を大切にする経済学者の宇沢先生のことを多くの方がビデオで知る貴重な資料だと思う。
宇沢先生の死を悼む個人のブログもある。「最もリベラルな世界的経済学者、宇沢弘文先生の死(2014年9月29日筆)」,(大西良雄ニュースの背後を読む)のブログでは、「宇沢先生が亡くなられたと聞き、改めて『経済学と人間の心』を読み返した。読み返してみて、なぜ宇沢先生が新古典派経済学に懐疑を持つようになったのか、その熱いパトス(感情)が生まれた原体験に触れることができた気がする」とある。大西良雄さんは東洋経済新報社で「経済学と人間の心」の編集に関わられたそうで、この本がますます身近に思えてきた。
宇沢さんの市民講座を受けて経済学者になった小島寛之・帝京大経済学部教授のブログでは、
「宇沢弘文先生は、今でも、ぼくにとってのたった一人の『本物の経済学者』2014-09-28,hiroyukikojimaの日記」と語られている。また、2008年には、「宇沢師匠のこと 2008-01-09,hiroyukikojimaの日記」もある。
少し古くなるが、宇沢先生に関するブログを紹介しておきたい。
日本には素晴らしい経済学者がおられます。宇沢弘文先生です。2010-10-23,杉並からの情報発信です
鼎談 経済学者/宇沢弘文氏を迎えて (黒川清のブログ)
宇沢弘文「経済学の考え方」を読む,知の快楽
2015.3.9 更新