じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

備忘録的観劇記~2011年8月ー12月

2011-12-31 23:30:09 | 観劇記
【父と暮せば】 8月18日ソワレ

2008年以来3年ぶりに観た演目。やっぱり素晴らしい!!特に描き方が良いんですよね~~戦争物にありがちな視覚に訴える衝撃的な描き方、悲劇や残虐シーンを全面に出した造りは一切ないのに、原爆の真実をしっかりと描いている。今回も涙涙で終演後は大変なことになってしまいました……あ、別の意味でも大変でしたけどね(苦笑) 父・竹造を演じた辻萬長さんが素晴らしかったのはもちろん、2演目となる栗田桃子さんの進化/深化っぷりが半端なくて……ネイティブには敵わなくとも、発せられる言葉や仕草、雰囲気がすっごく自然!この女性は広島で生まれ育って原爆を受けてココで必死に生きている人なんだと無理なくストンと自分の中に入ってきてビックリしました 終盤の涙腺直撃のシーン 美津江が自身の被爆体験を語り抱えてきた思いを吐き出す場面で、その語られる内容に圧巻。膨大な資料や証言に裏付けられているというのは当然だし(この作品が生まれた場所にある資料は把握しているので)特に演劇的な言葉を補っているわけではなく普通のセリフの文章のはずなのに、言葉の一つ一つに真摯な姿勢と慈しみの心を感じたんですよね~~客観的なドキュメンタリーでもなければ主観的な情緒溢れるフィクションでもない、、、そこに井上脚本の絶妙さと演じ手の表現力を感じました

そして、、、今回やっぱり頭を過ぎったのが東日本大震災のこと。美津江が竹造に言った「あの時の広島では死んでしまうのが自然で、生き残ったのは不自然。だから生きているのが申し訳ない」という言葉が突き刺さりました。震災で生き残った人たちはこんな思いを抱えて生きているかもしれない……本当の部分はその人にしか分からないことですが、残された者の思い、そして逝った者の思いをあれこれ考えているとやるせない気持ちになってね~~ 戦争と災害を同じ土台で考えるべきではないと思うので適切ではないのかもしれませんが、ましてや人が起こした戦争……つまり避けようと思えば避けられたはずだったものによって、本来は失わなくて済んだ大切な人たちを失ってしまう理不尽さ。生きるという当たり前のことが当たり前でなくなることって、こんなに酷いことはない……悲惨なシーンで“脅迫”して戦争の恐ろしさを訴えることでは見えない戦争の真実が見えたような、そんな作品でした。

【ブロードウェイミュージカルライブ2011】 8月28日マチネ

1つの作品でのコンサート形式の公演は経験済みでしたが、ミュージカルナンバー限定で思いっきりコンサート!というのは初めて。いや~~耳福 の充実した素晴らしいコンサートでした 若干1名、明らかに場違いなレベルなのがいましたが……コゼットとかコゼットとかコゼットとか 力の入れるところが違うだろ~~ という衣装をとっかえひっかえのコスプレ、一人で歌ってる分には害は……やっぱりあるけど(爆!)デュエットで相手がいる場合はもうぅ~~殺意が芽生えるというもの!ひたすら半分だけ存在を消して頑張りましたが……タレント性があることは否定しませんが、ミューにおいて地雷キャストを作り出すだけとしか お~~と いきなりの毒吐きになってしまいましたが、ついでにもう一言 ブロードウェイと冠しておきながら突っ込みたくなるナンバーがいくつか ウェストエンド発祥でもBW版が上演されている演目だとまぁ仕方ないかな~と無理に納得もできるのですが、エリザ、レベッカ、マルグリットまで来ると明らか客に媚を売っているのでは?と穿った見方をしてしまうよーな しかもラストにヅカ版トートで最後のダンスって……フジの策略かいっ 曲自体はどれも大好きな曲なんですけどね~~何となく日本のミュー界の現実を垣間見た気がしました 姿月さんは嫌いじゃなかったしヅカトートの中では一番 だったんだけどな~~これだけ実力派のキャストに囲まれてしまうと限界を感じてしまいましたね~~「最後のダンス」はさすがに歌い慣れているというか悪くはなかったのですが……と言っても正直この程度か と以前のようには響きませんでしたが(爆!)他のナンバーは正直キツイなと思ってしまって

【テネシー・ウィリアムズ 一幕劇】12月15日マチネ

文学座アトリエ公演、2011年の観劇納めとなった演目でした。「欲望という名の電車」「ガラスの動物園」でお馴染みのテネシー・ウィリアムズの戯曲4作品を一挙上演するという形のもので、「財産没収」「話してくれ、雨のように…」「バーサによろしく」「ロング・グッドバイ」の順に上演されました。実はね~~あまり好きではないんですよ、テネシー・ウィリアムズの作品 前に観た欲望~も正直言って……という感じだったし←内野さんのスタンリーは観てみたかったな~ 1920年~30年代アメリカのLost Generation、例えばフィッツフェラルド等の作品の世界観に似ている気がするんですよね~~じい、大嫌いなんですよぉ~~グレート・ギャッツビー あの刹那的なダラダラ感とウジウジ感がとにかく苛立たせるというかムカつかせるというか……さっさとスッキリハッキリけりをつけなさいよっ!と思ってしまって そう言ってしまうと身も蓋もないないのですが(笑)同じ人間の深い部分を描くのも、こういう描き方はホント苦手でゴメンナサイという感じでした。

ただね~~そんなじいでも1時間50分耐えられた……というか嫌いなのに何故か楽しめたのはやっぱり出演された役者さんの実力だと思いましたね~~さすが文学座 嫌いだけど←しつこい(笑)納得して観せられる/魅せられましたわ。セリフの1つ1つに心が吸い寄せられて目が離せないし思わず引き込まれてしまう。テネシー・ウィリアムズ作品はやっぱり苦手だけど←まだ言うか 良い作品を観たな~という充実感はありました。何げに気になったのが「財産没収」と「ロング・グッドバイ」に出演の亀田佳明さん……去年のアトリエ公演でもお会いして気になる存在だったのですが、惹きつけるものがありましたね~~2011年末の支持会賞だったかな?既にこういう賞は受賞されたことがあると思っていたので驚きましたが、今後が気になる役者さんでっす
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