じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

ファントム

2023-09-04 23:33:23 | 観劇記


8月26日ソワレの観劇記です。

夏の観劇祭りラストスパート!国際フォーラムでファントムを観てきました。城田くんがファントムをやるようになってから観るのは初めて…のはず。演目自体は4年前に雪組で観て以来なのですが、ヅカ版の歌詞が入り過ぎていたので頭を切り替えるべく観劇前に2019年版の映像をリピするという準備をしてから臨みました。

城田ファントムは4年前より台詞回しが自然な感じになっている 今回は歌とお芝居でガラッと変えて緩急を持たせているように感じたのですが、じい的にはちょっと… 歌が突出してしまって(それも中途半端に・爆。2割増しの見た目の力が大きく・・・)観ていて気持ちが途切れてしまうんですよね。前回の方が最初は台詞のテンポに戸惑うけど、まだ演じているキャラクターの個性と思って受け入れられるような……。“闇感”は凄かったです 生まれてからずっとオペラ座の地下の墓場しか知らず、良くも悪くも生まれたままの状態で大人になってしまったキャラクター My Mother Bore Meを歌った後は客席降りで退場になるのですが、お席が通路に近かったのでめっちゃ横を通っていった~~すすり泣く声が切なくて暫く耳に残りました。

シャンドン伯爵はエリックと対照的な存在。大野くんのシャンドン伯爵は派手で華があって眩いというよりは、品があって汚い物事を知らずに生きてきたのであろう育ちの良さがあって……それもメチャクチャ腹が立つ程に←褒めてます(笑)クリスティーヌに対する特別感はあまり感じられなかったけど初めて自分から好きになった存在だったのかな~~他の女の子は勝手に寄ってきたけど邪険にするのもなんだから相手にしているという違い…か。歌に関してはあまり印象に残らず。でも終盤でエリックと一騎打ちした時に突き落とされそうになってしがみつくところ……あんな純粋で一途な表情をされたら助けてしまうよね~~エリック悔しかっただろうなぁって

岡田キャリエール、、、諸悪の根源 そう言ってしまうと元も子もないのですが(苦笑)強さと弱さ、脆さ、卑怯さ、優しさ、愛情、それら全部が詰まった人間という生き物のであり、観る者誰もがどこかに持っているであろうもの。岡田さんが演じる人物はそういうちょっとした、ともすれば見逃してしまいそうな喜怒哀楽を伝えてくれるところが凄いなぁと思うのですが……1幕のビストロの場面は歌を開花させるクリスティーヌを見ている時の表情にベラドーヴァへの思いが詰まっていたし、2幕の冒頭で「お前を見捨てないといけない時がやって来る」と言った時の後ろ姿が卑怯そのもので……こうやってベラドーヴァやエリックに背を向けて逃げてきたんだろうなぁと確信させる You Are My Ownはもちろん号泣 今回はクリスティーヌが陽の光を放ちまくっていたせいかキャリエールとエリック2人のやり取りが良い意味で呆れ返って愛おしい、その分だけあまりにも切なく感じました。ベラドーヴァにある意味“取り込まれた”キャリエール、彼女によく似たクリステーヌに母性を重ねて愛してしまったエリック。“同じ種の”女性を愛したどうしようもない男たちで、片方はずっと父親だと名乗れずにいて、もう片方は父親だと気づいていたのに言えなくて……そんな2人が愛する女性たちを共通項として最初で最後にお互いに思いを交わす……ホント堪らんかったです

そしてそして 最大のお目当ての真彩クリスティーヌ。凄い、、、凄すぎる!!!4年前に観たクリスティーヌからパワーアップしている~~ エリックじゃないけどこれぞまさに探し求めていた音楽の神に愛された人!音楽の天使!!天使の歌声!!!原詞に寄り添うあまり説明的で武骨な歌詞は相変わらずでしたが、そういう気になる点を消し去る歌唱力。いろいろ違うものが記憶の奥から湧き出て複雑な気持ちになったのは否定しないけれど引き込まれてしまいました。素晴らしかった~~ 出ている場面が待ち遠しくて、出番の時にはそこだけしか見ていないという完全パパラッチ観劇(笑) 1つ1つの表情に意味があるというか、必ず伝えてくれるものがあって目が離せなくて……。特にエリックの素顔を見た時の表情は圧巻 驚きながらもどうにか受け入れようと努めているように見えました。この時の表情が後の「戻らなくては!先生に謝らないと!!」に説得力を持たせると思うのですが、唐突感なくスーッと受け入れられた……素晴らしかった~

コンテンポラリーダンスもとても素晴らしくて……真彩ちゃんってこんなに踊れるんだ~とビックリしました 今回はベラドーヴァの方も真彩ちゃんが演じていましたが、一般的なイメージの母性とは少し違う感じ “女性性”を強く感じる未成熟な母性というか……でもベラドーヴァはそれでいいのかなぁと思ったりしていて 最後にエリックを抱きしめるところもベラドーヴァとシンクロさせるというよりは最後までクリスティーヌとして存在していたように感じました。エリックはクリスティーヌに母の面影を見ていた部分はあったんだろうけど生身の女性に恋した部分もあって……理想と現実?類似と相違が振りかかったエリックにとっては悲劇であり未熟さであり、そして純粋さの表れだったような……深く突き刺さるんだよなぁ~ あと、、、キャリエールがエリックのことを「私の人生そのもの」と歌っていたけど、エリックは神の御業が現れた存在と考えてみたり……ちょっと宗教的な感じ……か 真彩クリスティーヌが聖母マリアと重なって見えるところがあって最後にエリックを抱いたクリスティーヌがピエタ像に見える瞬間があってね。。。

ちょっと気になったのが演出的なもたつき。例えばMy Mother Bore Me直前、クリスティーヌが去った後のエリックの慟哭。その“間”を持たせる芝居力があれば成立する静寂の場面なんだけど……エリックが撃たれた後にキャリエールがルドゥ警部に事情を説明するとこの流れもね……こちらの場合はお芝居というよりは演出がちょっと気になったかなぁと。音楽の繋ぎ方はヅカ版の方が無駄がないような???まぁね~~正直言って全般的に真彩ちゃんが完全に喰っていた感あり。それだけ凄い光を放っていたということなんだと思いました。

そうそう、開演前のアナウンス=ルドゥ警部が担当しているのですが、とても気が利いていて楽しかったです。携帯電話絡みの注意事項で現代の言葉を使わずに「持ち運び電話機」と連呼していて……最高っ!!!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ファンミとかいうものに行っ... | トップ | 健診のご褒美は不健康 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

観劇記」カテゴリの最新記事