初日以来のイリアス!今日のソワレを観劇してきました
いや~~久しぶりに
壊れました

これぞ役者・内野聖陽の真髄を見せつけられたというか……ま、それは後ほど
舞台がこなれてきたのか、自分が2回目の観劇で全体の枠組みを把握した上で観たせいなのか、はたまた先日「トロイアの女たち」を観たせいなのか、、、何だか全てが腑に落ちた感じ
もちろん完全に理解しきったとは到底思えないけど、自分なりの器で受け止められたように思います。
冒頭、聖子ちゃん演じるカサンドラが歌う場面
実は初日の時はコロスたちを巻き込みながら歌う姿や声がMAのマルグリットと被っちゃって、ちょいとあらら~
な雰囲気があったんだけど、今日は予言者オーラ満載
未来が見える者としての「運命(さだめ)」を抱えた空気感が感じられる歌声でしたね~~他の場面でも、その存在感に注目させられました。ヘクトルとプリアモスがアキレウスとの戦いに出るか否かを話す場面や、その戦いを見ている姿、そして最後にイリアスのその後について歌い語る場面……何となくだけど前回アキレウスに感じた、他の人間たちとは違う存在感!彼女もまた神を実感として知るが故の強さ、視野の広さ、そして真の悲しみを持っている特別な存在感を放っていたんじゃないかな~と
アキレウスの怒りから始まるこの物語。アガメムノン、オデュッセウス、アキレウスの3人でギリシア軍に蔓延る疫病を払うべく戦利品の女性たちを巡る処遇を話し合うところは、「トロイアの女たち」を観ていたせい
どっちもどっちじゃん、このバカ男ども
と思っちゃいました。アガメムノンが斜めって座りながら駄々をこねるみたいに「自分の戦利品は大事で差し出さないのに俺だけなんてヤダー
」って感じの雰囲気でアキレウスにブリセイスを自分に差し出せって言うところは何気にツボだったり……でもね~~アキレウスだって「愛するブリセイス」なんて言ってるけど惚れた腫れたの恋物語じゃないわけで、アンタだってずいぶん酷いことをしてきたんでしょーが
と叩きたくなりましたわ
この時代の“普通”だから責めないけど(笑)アガメムノンは後でヘクトルを倒したアキレウスの功績としてブリセイスを返す時にずばり言ってますけどね~~彼女の心まで隷属させることはできないって……ね。
実はね~~いきなり怒号を轟かせて登場するアキレウスなんだけど、震え上がるような圧倒的な怒りは感じないんですよね~~じい的にはどうしても最初ら辺は上滑りに感じてしまって……ダメ出しをしているわけじゃなくて
じっとり伝わってくるというか、気がついたらアキレウスの怒りの空気に包まれているというか、、、その“無意識な”流れがイマイチ自分で掴めきれていないので、次回の観劇で存分に内野アキレウスと闘ってこようと思います
でも、今日はね~~結構アキレウスをパパラッチして観ていたかも
特に後ろ姿、、、はい、物言うアノ背中ですぅ~~それを随所に感じました。今回の作品はキャラクターの言葉にならない言葉を伝えるというよりは、隠しきれない根源的な感情が滲み出ている背中だなぁ~と思ったんですわ
戦線を離れたアキレウス……オデュッセウスが説得をしに来るところは竪琴も似合う美少年的…とはちょいと違うけど(爆!)柔らかい魅力を放っているけど、パトロクロスが戦場に出たいと言うところは、自分はもう戦いに興味がないと言いつつも消えることのない内に燻る戦う欲望がチラチラ見えるし、パトロクロスが殺された復讐だ!と怒りに満ちて出陣する背中には哀しい程に喜びを感じるという。。。そのオーラの違いに唸らされましたね~


今更ながら、ですが
イリアスの後にくっついている「怒りと戦争と運命についての叙事詩」……凄く凄く見えたんです。劇中何度も出てくる「運命」という言葉。そういう運命だから、、、そして、それはイリアスの中ではオリンポスの神々の意思によるもの。木内さん著のイリアス講座にも書かれていますが、じいたちも使いますよね~~運命を天に委ねるような言い回しや思考回路
信仰心云々とは全く別の、お天道様が見ているよ的な感覚にも繋がるのかもしれないけど……それが紀元前のはるか昔の世界だと、神話の神様みたいに具体的に目で見えるものとして存在していて、凄く身近な関係があって……でも、運命は絶対!神様たちの戯れなのに、それに逆らえなくて翻弄されて、その中で生身の感情や肉体を欲望の赴くままに人間は使っていき、時に奇跡を信じて実現することもあったり

そこが悲しくもあり、愛しくもあり。。。特に平さん演じるプリアモスがヘクトルの遺体返還を求める場面。死ぬも生きるも運命が定めたものであり、それに逆らえないのは受け入れる、それでもなお奇跡を叶えるべく行動する、そこには生身の感情が存在する。このシーンは今のじいにはかなり堪えるというか観るのが辛い場面だったのでズッシリ来たんですけどね~~まぁそれはちょっと。。。それに、やっぱりつじつまの合わないことだらけの登場人物だらけだったけど、でもね~~人って、人生ってそういうものじゃないの?って思ったのよね。アキレウスだって内野さんがパンフでおっしゃっていたように、瞬間瞬間が真実であればいいわけで、その瞬間は嘘じゃないんだし……そんなわけで今日ふと思ったのが、イリアスの登場人物全員が一人の人間、誰の中にも詰まっているんじゃないかなぁ~って
こんな風に感じられたのは引いた場所で観たおかげかな
今日のお席は、、、ムフフ~~アキレウス様のお通りになる場所のお席

かなり後ろだったけど全体がよく見渡せる所だったので、照明や登場人物たちの立ち位置が醸し出す構図が本当に素晴らしかったんですわ。初日は蛇足かも?なんて思ったイリアスの説明やトロイア戦争の結末も必要不可欠だわ
と。特に「イリアスの最後、アキレウスの運命は描かれていません」と繰り返す場面、、、まさに運命とは、戦いとは、、、その真実を浮かび上がらせているようで
そして、後ろなのにスペシャル席
最後に愛を叫ばせてくださいませ~~

2幕のヘクトルとの一騎打ち!はぁ、、、
すぐそこに愛しのアキレウス様が

玉のような汗の水滴がついた逞しい腕……も良かったんだけど、じいが完全に陥落したのが声

芝居の中とはいってもベガーズの時に間近で聞いた声とは全く違うし、トークな時の声を近くで聞いたのとも違う、、、舞台上での発声をこんなに近くで聞くことなんてないじゃないですか~~もうね~~ホント凄い
溝落ち辺りに響くんですよ~~よくライブとかでビートの効いた重低音重視の曲を大音量で聞いた時に下から突き上げてくるアノ感覚
それが内野アキレウスの声で突き上げられちゃうんですよぉ~~こんな贅沢なことがあっていいの
って感じでっす。はい、これが役者・内野聖陽の真髄を感じた瞬間でした

もちろん萌えすぎて壊れたのは言うまでもなく


今回の公演は貸切公演ということでカテコの時に内野さんと平さんに花束贈呈あり
内野さんは木場さんの方に差し出された後、後ろに立っていた他の共演者の方々にも同じような仕草をされて健闘を讃えるように……その後は普通に退場、舞台袖に入る直前に内野バイバイな手を振ってくださいました。で、貸切ってことでお土産にシャンプー&リンスのセットのお土産、そしてパンフまで付いてきて至れり尽くせり!しかも、普段の劇場ではあまり見ないような種の人たち(特にファッションや嗜好)ばかりで、新鮮な雰囲気でした






舞台がこなれてきたのか、自分が2回目の観劇で全体の枠組みを把握した上で観たせいなのか、はたまた先日「トロイアの女たち」を観たせいなのか、、、何だか全てが腑に落ちた感じ

冒頭、聖子ちゃん演じるカサンドラが歌う場面




アキレウスの怒りから始まるこの物語。アガメムノン、オデュッセウス、アキレウスの3人でギリシア軍に蔓延る疫病を払うべく戦利品の女性たちを巡る処遇を話し合うところは、「トロイアの女たち」を観ていたせい






実はね~~いきなり怒号を轟かせて登場するアキレウスなんだけど、震え上がるような圧倒的な怒りは感じないんですよね~~じい的にはどうしても最初ら辺は上滑りに感じてしまって……ダメ出しをしているわけじゃなくて


でも、今日はね~~結構アキレウスをパパラッチして観ていたかも





今更ながら、ですが






こんな風に感じられたのは引いた場所で観たおかげかな






そして、後ろなのにスペシャル席




















今回の公演は貸切公演ということでカテコの時に内野さんと平さんに花束贈呈あり

