庭のアジサイは、鉢植えの贈り物を路地植えにしたものなど、ごちゃごちゃになってしまい、変種のセイヨウアジサイが咲くのだが、花のつき方が悪く、花の数が少ないのが寂しい。
その中で、多種の花の中で興味深いアジサイがある。
昔よく見た装飾花の小さな「手まり咲き」ではない改良種だが、遠くから眺めるとシーボルトが新種としてヨーロッパで紹介したアジサイの花姿の絵に似て見える。
南ドイツのフランケンワインの中に、レッテルにシーボルトのアジサイがデザインされたのボトルがある。
いわゆる「シーボルトのアジサイ」については、布施昌一著「シーボルトの日本史」(1988年初版)の第1章に詳細の記述がある。
植物学には極めて薄識だと言うことを思い知らされるほどに理解するには難解だが、アジサイについての関心が高まる興味深い事柄が満載だ。
南ドイツのヴュルツブルグ(シーボルトの出身地)の「シーボルト博物館」で木版画の個展を開いた機会に、一層シーボルトとアジサイに関心が深くなった。
数少ない今年のアジサイの変化を観察しながら、シーボルトに思いを馳せる。
同じ株でも個々別々に変化するのが面白い。
単純で小さい花びらの方が好みだが、変形した改良種が多く見られるようになってきた。
この後、色を失って枯れた色だけになるが、花びらは落ちない。
受験生のお守りにいいのでは。