こんにちは。マネージャーの黒堀です。
掛布にブログの執筆を依頼されて約半年が経ってしまいました。
滞納に滞納を重ねてしまい、大変申し訳ございません。
ラストシーズンが開幕し、リーグ戦も残すところあと2試合となってしまったので、何を書こうか
悩みましたが、野球部でのマネージャー生活とビジョンについて書かせていただければと思います。
自分は入学当初スポーツトレーナーになることを目標としていました。
最初から学生トレーナーとして活動したかったのですが、筑波のシステム的に
それが難しそうだったことと、浪人の時にできた友人の強い思いがあったことが理由で、
選手として入部することを決めました。
「筑波大学硬式野球部」という存在は高校の時の自分からすれば憧れの存在で、
筑波の服を着ている先輩やプレーしている選手を見てかっこいいなと思い、
筑波への進学を強く希望しました。
テレビで見ていた選手もいたので、レベルの高い環境で野球ができることを
とても楽しみにしていましたが、実際入部してみると落胆の方が大きかったかもしれません。
下級生として組織の居心地の悪さを感じ、野球は好きでも筑波でやる野球は好きになれませんでした。
そんな中、トレーナーになるために勉強は続けていましたが、次第に組織を広い視野で支えたい、
組織をより良いものにしていきたいと考えるようになりました。
それがマネージャーになると決心した理由です。
それでも、スタッフミーティングで自分はトレーナーとして活動することを勧められており、選手を続ける意思のあった人がトレーナーになったので、そこは自分のわがままを主張してしまったなと思います。
トレーナーとして活動するよりもマネージャーとして活動したいという自分の意思を尊重し、最後までマネージャーをやらせてくれた同期には心から感謝しております。
マネージャーをやると決めた当初はかなりの野望を抱いていました。
中川と近藤と3人でミーティングを行い、「初心・透明化」ということをスローガンに掲げ、
Bチームの大会を実施すること等様々なことを考えていましたが、考えていたことのうち半分も
達成することができず4年生のラストシーズンとなってしまったことは心残りです。
これまでのマネージャーとしての2年間を振り返ると、3年生から連盟マネージャーとなり、人見知りの
自分にとっては既にできあがっているコミュニティに溶け込むのには労力を要し、3年生であるにも
関わらず連盟のことをあまり知らないということに歯がゆさを幾度となく感じていました。
「もっとこうすればよい」と思うことがあってもそれを行動に移すことができず、上級生になって同期が
責任ある仕事を任されていく中、チームの役に立っているのか、ベンチに入ることもできない自分が
できることは何かということを模索する日々が続くこともありました。
マネージャーといってもやることはチームによって異なり、それぞれの掲げるマネージャー像というものが
ありますが、自分は自分が理想とするマネージャーとはどのような存在なのかということについて、
この2年間考えてきました。
ある就活の選考でこのようなことを問われました。
「コーチは勝つために技術的な指導をし、トレーナーはトレーニングを指導し、
データ班はデータを提供するけど、マネージャーはチームの勝利のために何ができているの?」
これについて問われた時は苛立ちを覚えましたが、たしかに考えてみるとマネージャーはチームの勝利に
直接的に貢献できていることはなく、自分たちのやっていることはチームの勝利にとっては微々たるもの
かもしれません。
しかし、マネージャーという存在は微々たるものでいいと2年を経て考えるようになりました。
近藤蓮が学年ミーティングで「自分は黒子のバスケの黒子テツヤのように、幻の6人目になります」と
宣言していました。
このような存在こそがマネージャーのあるべき姿なのではないかと自分は思います。
マネージャーが目立っている時は、その手腕が素晴らしいものである時もありますが、
存在が浮き彫りになっている時はチームが上手く運営できていない時だと思います。
だからこそ、マネージャーは縁の下の力持ちとして、選手やスタッフが何不自由なく野球に向き合える
環境を作り、その環境をさらにより良いものとすることが責務であると思います。
マネージャーの仕事は言ってしまえば雑用かもしれません。
しかし、その仕事を、責任を持ってやることがチームを支えることになり、それに+αでチームを
より良くしようと行動できることがマネージャーにとって重要なこととなるのではないかと思います。
さて、自分たちの代は硬式野球部のビジョンを変えるという取り組みを行いましたが、
他の学年の選手はどのように感じているのでしょうか。
3年生以下のみんなからすれば、4年生がビジョンを変えたところで野球をやるということは
何ら変わらないことであり、そのようなことを言われてもよく分からない人もいると思います。
自分も下級生の時に野球部に帰属意識を持てと先輩に言われましたが、そのようなことを言われても
4年間しか在籍しない組織であり、かつ、150人以上の部員が所属する組織に対して帰属意識を持つことは
できないと感じていました。
当時の自分は、自分のことに精一杯でチームのことなど考える余裕はなく、
4年生や上級生の考えていることが理解できないと思うこともありました。
そしてそれは今も変わらない考えであり、構成員の入れ替わりが激しい学生スポーツにおいて、
組織の一体感を形成することは困難なことだと思います。
就活であれば、同じ業種の企業でもビジョンや企業理念、社風等を見て入社を判断しますが、硬式野球部に
入部するにあたってビジョンに共感したから入部したなどという人はおそらく誰一人いませんし、
「野球が好きで、高いレベルで勝負したいから」ということが大方の理由かと思います。
ですので、ビジョンがどれほど今の野球部に浸透しているかと問われると、
そこまで浸透はしていないかと思います。それはそれで選手が野球に向き合えていると思う反面、
チームにおける理念の浸透、方向性の一致の難しさを実感しております。
何はともあれ、これまで伝統として掲げられていた「勝ち続ける組織」というものに変化を起こしたことが
重要なことであり、変化を恐れないことの重要性を後輩のみんなには実感してほしいなと思います。
スタッフになっている人の中でも思いは様々で、怪我で選手を続けることが難しくなった人、
将来指導者になることを考えている人、裏方業務が好きな人など、それぞれ思いを持っていると思います。
様々な思いを抱えながらも、それぞれやるべきことがあり、組織を運営していく上で欠かせない存在です。
勝田さんが「奮わせるを支える」という大変秀逸なブログを書いていらっしゃいましたが
(個人的俺の話を聞いてくれブログ史上ナンバーワンです)、スタッフは選手をサポートしている立場
だからこそモチベーションの維持が難しく、自ら考えて目標を設定しなければいけない立場です。
ここで問題となるのが、スタッフの中にもリーダーが存在することであり、「ヘッドコーチ」という
立場には大きな責任が伴います。立場が人を変えるように、ヘッドコーチという立場になった人は
これまでの生き方が何であれ、チームをまとめる存在となります。
ここで重要なのは、リーダーではない他の人の存在なのではないかと自分は思います。
リーダーは誰に言われなくても、その役割が与えられている以上、進んで行動をします。それに対して
他のスタッフが寄り添い、リーダーも他のメンバーと協力する姿勢を見せ、ヘッドコーチだけではなく、
スタッフ全員でチームを支えていうという体制を整えることが重要なのではないかと最近感じます。
自分たちの学年がどうかと問われると、林に任せっきりにしてしまっている部分と、林が猪突猛進で
どこか違う世界線を生きていることがあったので、改善の余地が大いにありますが、スタッフ陣の思いの
共有と方向性の一致は、選手間のそれ以上に今後重要な課題であると思います。
話が少し逸れてしまいましたが、自分は筑波大学硬式野球部でのこれまでの活動を通して、
組織運営の難しさを実感しました。
何が正解なのか今も分かりませんし、あの時こうすればよかったと後悔することも多々あります。
しかし、その中でも重要だと思ったことは、組織に属している以上、責任が伴うということです。
組織が定めたルールややるべき仕事、役割分担等、組織を円滑に運営するためには一人一人が責任を持って
自分の役割を全うしなければいけません。
下級生はまず自分自身の行動に責任を持ち、
上級生は下級生が自分のことに集中できるような環境を作りチーム運営の中核を担うことが
それぞれの持つ責任だと思います。
最後に、改めて自分たちが掲げた「心を奮わせる存在」というビジョンについて考えると、
自分自身の心が奮わずして、相手の心を奮わすことができないことは間違いないかと思います。
この野球部は大所帯であり、多様性に富んでいることが良い点でもあり、悪い点でもあります。
組織としての方向性が一致しづらく、チーム間の格差も生まれやすい状態ですがそのような中でも
組織の一員としての自覚は持たなければいけません。
それぞれがチームのためにできること、自分自身の目標達成のためにできることを日々考え、
主体的に行動していくことで、チームはより良い方向へと進んでいくのではないかと思います。
明日、関東大会を懸けた大一番となります。
自分の拙いブログが重要な局面の前日に掲載されることとなり、申し訳ございません。
「あっけなく終わるわけにはいかない」というのが今の率直な思いです。
たくさんミーティングを行い、猛暑の日も極寒の日も厳しい練習を重ねここまできました。
勝利至上主義は嫌いですが、それでも野球をやる以上、勝利には貪欲でなければいけません。
チームが勝てるよう、最後の最後まで微力ながら心を奮わせるマネージャーになれるよう、
チームを支えていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
体育専門学群4年 黒堀耀平
東京都立国立高等学校
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