鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

唐草に梅紋図鐔 平安城象嵌 Heianjozougan Tsuba

2020-12-09 | 鍔の歴史
唐草に梅紋図鐔 平安城象嵌


唐草に梅紋図鐔 平安城象嵌

応仁鐔と呼ばれる真鍮を装飾の素材に用いた鐔から、次第にその装飾性が高まってきた桃山頃の鐔。華やかさも桃山時代の特質。文様を彫り込んだ溝に真鍮を象嵌し、表面を平滑に仕立てている。表面を平滑に仕立てる平象嵌の手法と、文様にわずかに量感のある手法とがある。先に紹介した鐔が、真鍮部分に量感のあるタイプ。

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牡丹唐草文図鐔 平安城象嵌 Heianjo-zougan Tsuba

2020-12-07 | 鍔の歴史
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牡丹唐草文図鐔 平安城象嵌


牡丹唐草文図鐔 平安城象嵌

 古典的な香りの漂う鐔。竪丸形ながら切羽台の周囲に四方に透かしを設けて太刀鐔にある猪目風の装飾としている。象嵌はすべて真鍮。牡丹を唐草模様風に意匠し、象嵌の表面を高肉に処理せずに薄肉の手法を採っているが、文様には毛彫が施されて立体感が生まれている。真鍮象嵌鐔では桃山頃の作であろうか、時代の上がる作に比較して装飾性が高まっている。唐草だけでなく、蕨手や植物の葉などを組み合わせると異国風の文様になる。

唐草文図鐔 赤坂忠則 Tadanori Tsuba

2020-12-02 | 鍔の歴史
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唐草文図鐔 赤坂忠則


唐草文図鐔 赤坂忠則

 唐草と言ってよいのだろうか、洒落た文様。シルクロードを経て到来した文様のようにも感じられる。左右の櫃穴の周囲の蕨手風、あるいは唐草風の文様も、このように対称に描き出すと素敵な景色になる。

輪違い図鐔 赤坂 Akasaka Tsuba

2020-12-01 | 鍔の歴史
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輪違い図鐔 赤坂


輪違い図鐔 赤坂

この鐔も円を組み合わせ、新たな文様化を試みた作。円を組み合わせると七宝風の文様が生まれる。それを複式に組み合わせるだけで新たな文様となる。そもそも円が持つ意味合いは、禅に通じるものとして武士の持ち物の図柄として採られることが多かったのだが、時代も降ってくると、次第に装飾性が強まり、美観追求の素材の一つになったようだ。