鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

羅城門の鬼図三所物 程乗 Teijo Mitokoromono

2013-12-27 | 小柄
羅城門の鬼図三所物 程乗


羅城門の鬼図三所物 銘程乗作光孝(花押)

以前にも紹介したことがある、『平家物語』に見られる武家の台頭を暗示する羅城門の鬼退治伝説。頼光一門の渡辺綱が羅城門に金札を立てようとしているところを鬼に襲われた場面。綱の兜をつかんで天上へと舞い上がらんとする鬼の腕を切り落とすのだが・・・。太刀の、武器としての効果が具体的な鬼退治として表現されたもの。ここでは必ず馬が描かれる。馬は武家と常に対として考えられているのだ。それは先に紹介した宇治川先陣図など、平安時代末期の源平の時代の武士の意識へと連続している。後藤程乗の作であることを十三代光孝が極めた、江戸前期の後藤家の特徴が良く示されている三所物である。



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