鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

車透図鐔 尾府二子山住則亮 Norisuke Tsuba

2011-11-29 | 鍔の歴史
車透図鐔 (鍔の歴史)


車透図鐔 尾府二子山住則亮

 則亮は江戸時代後期の尾張鐔工。意図的に混ぜ鉄をして異風な地相を生み出そうとはせず、時代に応じた良質の素材を用い、図柄においても金家写しや信家写しをしながらも似せようとはせず、独創的な画面を創出したところに特徴がある。この鐔も明らかに古典的な甲冑師の車透、あるいは信家を想わせるが、風合いは信家でもなく古甲冑師でもない。ここに大きな魅力がある。金家写しの山水図でも同様、帰雁の群、山並み、流れる川を描きながらも、独自の世界観があった。鉄色渋く、鉄骨などは見られないが焼手によって微妙な変化がある。味わい深い作品であることは間違いない。78.2ミリ。


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