鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

東下り図鐔 後藤光孝 Mitsutaka Tsuba

2012-11-22 | 
東下り図鐔 後藤光孝


東下り図鐔 銘 後藤光孝(花押)

 赤銅地を微細な石目地に仕上げ、片切彫によって富岳と在原業平の従者のみを描き、『伊勢物語』の有名な場面を表現している作。即ち業平の留守模様。装剣小道具には好まれた図柄であり、多くの作例を見る。精巧緻密な彫刻になる写実表現も良いだろうが、簡潔な描法であるがゆえに画面構成が重要。背景の富岳の雄大さが、裏面の松原を小さく描くことによって強調されている。後藤光孝は後藤宗家十三代。

お知らせ 
これまで十年以上、古美術雑誌『目の眼』において《装剣小道具の世界》と題して連載ページをいただき、刀剣に関わる金工芸術の魅力を紹介してきましたが、雑誌の内容を大きく変更する方針となり、連載が休止となりました。今後は、Web上にて同様に装剣金工作品の魅力を伝えてゆくつもりでおります。これまでは月刊雑誌という点から制約がありましたので、月一という紹介でしたが、今後は、掲載日を定めずに紹介して行く予定です。同様に、売品については価格を記載できなかったものを、Web上では価格表記も可能になりましたので、お求めをお考えの方にとっては、コレクションに直接つながる楽しみもあろうかと思います。このサイト同様に楽しんでいただければ幸いと考えております。
《Tsuba 装剣小道具の世界》


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