鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

牡丹図目貫 古金工 Menuki Kokinko

2015-06-12 | 鍔の歴史
牡丹図目貫 古金工


牡丹図目貫 古金工

 先に紹介した曳舟図目貫と比較しても意味はないのだが、古作の面白さが判るだろうか。精巧に彫刻している。花や花芯の表現も古風で優雅だ。山銅地を打ち出して薄手に仕立て、金の色絵を施したものだが、全面に均一な色絵が施されている状態よりもむしろ、手ずれがあることによって立体感が生まれている。金の色絵が薄く処方されたが故に下地が出てしまったようだ。それが思いもよらず味わい深い空間を創出する結果となった。あるいは、この目貫が製作された室町時代後期にすでに、この美観が求められていたのかもしれない。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿