薬玉図目貫 無銘
薬玉(くすだま)を割ってきらびやかな場を演出することがある。これも時期を逸してしまったが、本来は五月五日、端午節句にかかわる伝統的な飾り物である。薬玉と呼ぶように、薬種を集めて束にして吊り下げておいたもので、その香りそのものも薬効を求めるためのもの。
薬玉には、二種類あることはあまり知られていない。端午節句の薬玉と、半年後の重陽の節句に飾られる茱萸袋(ぐみぶくろ)である。いわば秋以降に用いる薬と考えれば良い。
表に薬玉を、裏目貫に茱萸袋を描き、赤銅地を高彫にし、金銀の色絵を華やかに施している。□
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