鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

薬玉図目貫

2010-05-30 | 目貫

薬玉図目貫 無銘

 薬玉(くすだま)を割ってきらびやかな場を演出することがある。これも時期を逸してしまったが、本来は五月五日、端午節句にかかわる伝統的な飾り物である。薬玉と呼ぶように、薬種を集めて束にして吊り下げておいたもので、その香りそのものも薬効を求めるためのもの。
 薬玉には、二種類あることはあまり知られていない。端午節句の薬玉と、半年後の重陽の節句に飾られる茱萸袋(ぐみぶくろ)である。いわば秋以降に用いる薬と考えれば良い。
 表に薬玉を、裏目貫に茱萸袋を描き、赤銅地を高彫にし、金銀の色絵を華やかに施している。□


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