鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

張果老図小柄 栄乗作光孝 Eijo Kozuka

2015-01-17 | 鍔の歴史
張果老図小柄 栄乗作光孝


張果老図小柄 栄乗作光孝(花押)

 普段は紙の馬を持ち、必要とあればそれに特殊な仙薬をふりかけて実在の馬に変える。仙人張果老である。「瓢箪から駒」とは異なる。桃山時代の後藤家の平象嵌。馬の斑文と張果老の着物の文様が平象嵌と色絵の組合せである。拡大写真であれば表面の微妙な量感や凹凸が解ると思う。栄乗は桃山時代の金工。江戸時代も最初期の作例である。
 ところで、瓢箪から駒とはいつごろから言われ始めたのであろうか、あまり考えられてはいないようだ。「瓢箪から駒」について面白い言い伝えがある。天正年間に盛んに採掘された多田銀山(兵庫県猪名川町)に、「瓢箪間歩」と呼ばれる銀を多産した坑があった。普通、我が国の鉱山の坑道というと、人がようやく立って歩ける程度。ほとんどが這い入る程度でしかない。だが瓢箪間歩は馬で乗り入れることが可能なほどの規模であったという。もちろん坑内に馬で乗り入れる者などない。ところがここを訪れた秀吉は、馬で坑に出入りしたという。これを目撃した鉱山労働者は「瓢箪から駒が出た」と喜び、これが「瓢箪から駒」の語源であるというものだが、どうだろうか。


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