塔山水図鐔 鎌倉
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塔山水図鐔 鎌倉
薄肉の鋤下彫になる鎌倉彫に似た描法であるため、鎌倉鐔と呼び慣わされている。パッと見て、下手な絵だと感じるであろう。でも味わい深い。意図せず、いきなり鉄板を彫り込んで図柄を描くとこうなるのではないかと思う。刀装小道具研究家の伊藤満氏は、西垣勘四郎の鐔製作を即興的と表現したが、まさにその趣がある。何て味わい深いんだろう。「へたうま」という表現が30年以上前に流行ったが、そんな感じと言っては悪い言い方になるが、確かに古びた絵として完成しているのだ。鎌倉鐔は、このように全面に彫刻を施し、鋤き込んだ背景に凹凸を設けて景色にしている。主題という主題はなく、全面に布置された文様構成が主題だ。何て面白いんだろうと何度もため息がつく。どこからこのような発想が生まれたのだろう。普通は金家のように綺麗に描こうとする。おそらく計算し尽くした結果として金家の絵画があり、それとは対極に鎌倉鐔がある。そこが即興的というべきか、創造を超越した美観である。このような面白さに興味を持っていただきたい。
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塔山水図鐔 鎌倉
薄肉の鋤下彫になる鎌倉彫に似た描法であるため、鎌倉鐔と呼び慣わされている。パッと見て、下手な絵だと感じるであろう。でも味わい深い。意図せず、いきなり鉄板を彫り込んで図柄を描くとこうなるのではないかと思う。刀装小道具研究家の伊藤満氏は、西垣勘四郎の鐔製作を即興的と表現したが、まさにその趣がある。何て味わい深いんだろう。「へたうま」という表現が30年以上前に流行ったが、そんな感じと言っては悪い言い方になるが、確かに古びた絵として完成しているのだ。鎌倉鐔は、このように全面に彫刻を施し、鋤き込んだ背景に凹凸を設けて景色にしている。主題という主題はなく、全面に布置された文様構成が主題だ。何て面白いんだろうと何度もため息がつく。どこからこのような発想が生まれたのだろう。普通は金家のように綺麗に描こうとする。おそらく計算し尽くした結果として金家の絵画があり、それとは対極に鎌倉鐔がある。そこが即興的というべきか、創造を超越した美観である。このような面白さに興味を持っていただきたい。
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