鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

瓢箪から駒図小柄 後藤栄乗 Eijo Kozuk

2013-12-19 | 小柄
瓢箪から駒図小柄 後藤栄乗



瓢箪から駒図小柄 栄乗作光孝(花押)

 後藤宗家六代栄乗の作であることを、同十三代光孝によって極められた作。高彫金銀色絵に銀の平象嵌。「瓢箪から駒」と題したが、紙の馬を持ち歩き、その紙の馬に瓢箪に入れられた特殊な薬をかけることによって現実の馬に仕立て、これにのったという張果老かもしれない。だが、狭苦しい瓢箪から飛び出して喜んでいるように快活に跳ね回る馬から、「瓢箪から駒」を題に採りたい。戦国時代、摂津には秀吉が管理した多田銀山があった。その中に「瓢箪間歩」と名付けられた坑道があった。秀吉が馬で坑内に入ったとも伝えられる、比較的大きな坑道であった。この坑には、古くから秀吉によって金塊が隠されたという伝説がある。即ち瓢箪から思わぬ財宝が飛び出すということになるのだが、これが即ち「瓢箪から駒」の謂れだとか・・・という説もあるのだがどうだろう。


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