鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

雲龍図鐔 赤文 Sekibun Tsuba

2021-01-25 | 鍔の歴史
雲龍図鐔 赤文


雲龍図鐔 赤文

 強く深く切り込むように施した片切彫により、図柄に声明を与えたのが赤文。渋い色調の鉄地を好んで用い、時には真鍮地をも用いたのも、深く沈んだ風合いを好んだことによる。磨地に近い微細な石目地であろうか、腐らかしの手は用いずに真鍮地の風合いを活かしている。

鐘馗図鐔 常重 Tsuneshige Tsuba

2021-01-25 | 鍔の歴史
日本刀専門店 銀座長州屋

鐘馗図鐔 常重


鐘馗図鐔 常重

 常重は奈良派の金工。渋い色調を好み、その風合いを最大限に生かした作風を得意とした。山水風の風景図、古画を思わせる図など。真鍮地に槌目を鏨で加えている。腐らかしが施された古作の真鍮地に見られる皺とは異なる。鏨で加えられた微細な凹凸の中の色合いが黒味を帯びている。木や岩の苔は金の色絵。