獅子引韃靼人図目貫 蝦夷


獅子引韃靼人図目貫 蝦夷
江戸の数奇者の視点から考える蝦夷好みは、まだ見ぬ国、知られていない世界、即ち異国情緒を漂わせているところにあるようだ。蝦夷では金工芸術は栄えておらず、多くは江戸や京など我が国内で短刀拵などとして製作されたものが蝦夷地へと運ばれた。この目貫に描かれているのは韃靼人。弓矢を巧みとする狩猟民である。それが獅子を引く図。なんと面白いことであろうか、獅子は明らかに我が国で発展した獅子であり、牡丹の中にいる。蝦夷人が韃靼人と直接のかかわりはなかったであろうが、樺太など北のルートを通じて蝦夷へと文化が伝わり来たことも関連させて眺めると、頗る興味深い図であることが判る。□


獅子引韃靼人図目貫 蝦夷
江戸の数奇者の視点から考える蝦夷好みは、まだ見ぬ国、知られていない世界、即ち異国情緒を漂わせているところにあるようだ。蝦夷では金工芸術は栄えておらず、多くは江戸や京など我が国内で短刀拵などとして製作されたものが蝦夷地へと運ばれた。この目貫に描かれているのは韃靼人。弓矢を巧みとする狩猟民である。それが獅子を引く図。なんと面白いことであろうか、獅子は明らかに我が国で発展した獅子であり、牡丹の中にいる。蝦夷人が韃靼人と直接のかかわりはなかったであろうが、樺太など北のルートを通じて蝦夷へと文化が伝わり来たことも関連させて眺めると、頗る興味深い図であることが判る。□