鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

法螺貝図鐔 正阿弥盛国 Morikuni Tsuba

2020-02-25 | 鍔の歴史
法螺貝図鐔 正阿弥盛国


法螺貝図鐔 正阿弥盛国

 伊予正阿弥派の金工。表は素銅と赤銅の混ぜ金で、その波状の文様を活かし、法螺貝もまた文様を突き詰めた装飾性の高い作。裏は鉄地で、透しがわかり易い。貝殻つながりで紹介したのだが、透かし模様は鐔において装飾技法の上において大きな意味合いを持つことはたびたび紹介してきた。図柄を陰影に表現するものを陰透かしという。この場合は、陰陽を組み合わせていると言うべきか、地の斑模様も面白いが、透しの構成美も楽しめる。表裏の装飾が異なる点での表裏の違いは前に紹介した政徳の鐔が良い例だが、このような素材の違いは極端な例ではあるものの、奇抜さが極まっている。