鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

狐図目貫 堀江興成 Okinari Menuki

2015-07-14 | 鍔の歴史
狐図目貫 堀江興成


狐図目貫 堀江興成

 案山子に身構える狐の表情が頗るいい。作者は阿波蜂須賀家に仕えた堀江興成。精巧緻密な彫刻を得意とし、特に平安王朝美を再現するような雅な作品を多く遺している。案山子などは、現代風にみるなら田舎くさい風景図とも感じるが、江戸時代にはもっと身近なものであったろう。江戸府内にも狐やタヌキがいたのだ。金無垢地容彫に置金手法。下地である金にも調子がある。銀を混ぜ込んだ金を用いて色調に変化を求めているのだ。