今回、抜栓したイタリアワインはエルバルーチェ ディ カルーゾ “ラ ルスティア” (Erbaluce di Caluso “la Rustia”)2011です。
かを、判断に迷うワインでした。呼称にあるエルバルーチェのエルバは草を意味します。香りの特徴はサイレージ、レモンバーム、レモングラスを感じさせ。干し草にサイレージと葉っぱ、柑橘系を組み合わせた香りが特徴的なワインです。香りの中にレモンバームやレモン最初にグラスを感じる、とほぼこのワインに行き当たります。それくらい特徴がはっきりしているワインです。
昨夜はエイジングをして楽しむべきか、フレッシュ感を楽しむべきかを、迷いながら味わっていました。しかし今、ボトルに残っているワインの香りを確かめる、と。サイレージの発酵臭とパルミジャーノの曖昧に組み合わせられた香りと味わい。シナモンの木質的な香り、ターメリックの粉のような香り、レモン、柚子のピール、アンズの複雑でもなく、重層的でもない言い表し難い香り。ここに、このワインの面白さがあるように思います。
甘美な酸と洗練されたほろ苦さは美味しく感じられました。思い浮かんだ料理はタチカマに山わさびを添えて、タチに紅葉おろしとスダチ、鱈のムニエルにパルミジャーノの煎餅を添えて。やはり鱈、春になればアイナメいいかも。寒い夜に春を誘われるようなワインでした。