富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

「人、遠きに慮無ければ、必ず近きに憂有り」

2018年09月19日 | Weblog

論語の衛霊公篇第十二章の言葉である。孔子の言葉でも、簡単にそうだね、という一言で終わる類に属する。遠慮とは、遠い先の心配の意味である。それがないと、身近な心配ごとがある、という。これに似た言葉は、管子・戒第25に、「近きに色あれば、遠きに徳あり。・・・近きに徳あれば、遠きに色あり。」とある。そこで、孔子は続く、第十三章で「吾未だ徳を好むこと色を好むがごときものを見ざるなり。」という。後学の孔子は、管氏の言葉を前提にして議論している。問題は、この「色」の解釈である。出典の管仲の言葉をよく見ると、大きな鳥の翼があっても、目の前の河を渡るには小舟を用いるではないか、という比喩をうけた言葉だと分かる。つまり、「色」とは、具象であり、「徳」とは、抽象である。すると、「論語」の第十二章と第十三章とは、合わせて、「近きに色あれば、遠きに徳あり。・・・近きに徳あれば、遠きに色あり。」とある管仲の言葉につき、孔子が第十二章では、遠と近とが二分できない一対の論理だと解説し、さらに、「色」が具象、「徳」が抽象であると述べ、誰しも具象を超えて抽象を好む人はいないのだ、と述べているのである。だから、「色」を美人だと翻訳してはならないのである。仏教でいう「色即是空」の意味の「色」である。

 


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米中の貿易戦争、どちらが勝利できるか?

2018年09月19日 | Weblog

この答えは、簡単である。中国は、国民が低所得の時代が長かった。全体的に贅沢を慎み、「貧困耐性」が強い。我慢できる余地がある。それと、中国はこの機会に対米輸出に依存する輸出構造を改革し、ドルに対し劇的に下降した人民元を武器にして、他国に輸出攻勢をかけることができる。要は打たれ強い軟構造の余地がある。しかも、議会制の国家ではないから、選挙を最優先する政策の必要はない。さらに、全世界の華僑・華人を2億5千万人を擁している。カナダ経由でアメリカ市場に輸出する穴がある。それに対し、中国の税関の壁は、アメリカ商品への抜け穴を塞いでいる。必需品の輸入には、アメリカ⇒台湾⇒中国市場という抜け穴も利用できる。この貿易戦争は、アメリカのトランプ政権による孤独な挑戦である。より根源的には、アメリカの輸出商品には価格の弾性が弱い。それに対し、中国は高関税でも製品価格を下げてでも、アメリカ市場における占有率を守る策もある。最後は、国有企業のもつ価格の決定の政策性を活用できる。トランプ政権は、アメリカの民間企業との関係はよくない。さらに、中国の大きな強みは、アメリカ民主党と中国共産党とが、ハーバード・インテリジェンスで長期連携している。この貿易戦争は、トランプ個人の墓穴にも繋がる。中国共産党のアメリカ国内における政治的、人脈的な影響力は、過小評価してはいけない。そして、日本としては対ヨーロッパ諸国との協調を第一に、トランプ包囲網を成功させることだ。一番、上手く立ち回っているのは北朝鮮であることを抜きにしてはいけない。北朝鮮がそうであるように、中国が勝つと客観分析しておいた方がよい。とにかく、アメリカがボロボロになる前に、コンピューター予測を行う必要がある。日本では、中国経済が一挙に崩壊するとみる論客の方が多いが、アメリカの輸出商品は、急いで買う必要がない、また、急いで輸出できる商品でもないから、小回りが利かない。アメリカが貿易赤字なのは、農業国であるからだ。日本と中国とが、生産工程を連携した工業国である。アメリカの自動車産業は、日中からの部品の供給が切れたら生産ラインは止まる。アメリカは、すでに貿易経済において負の連鎖に追い込まれている。北陸人はアメリカの負けを予定していればよい。なぜなら、日中の通貨バスケットがあり、チャイニーズ・台北という抜け穴があるからだ。


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9月18日(火)のつぶやき

2018年09月19日 | Weblog

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