富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

日本に産業革命を促した新型コロナウイルス【第一講】

2020年04月16日 | Weblog

新型コロナウイルスは、第2次大戦後の日本の産業社会の全面的な革命的な変化を促している。まず、現状の日本経済は、輸出が主導するメカニズムではなく、国内消費が主導する成長のメカニズムに転じている。というのは、トヨタを始め優良企業は、輸出相手国の国内生産にシフト転換しているから、国内総生産でみれば、内需主導といえる。これまで、優良な製品づくりのために残業という時間外の労働が単位時間当たりの労働生産性を低めてきた。第二に、地球規模の資源・商品の物流が安定しているので、国際分業の仕組みが発達しすぎて、コスト第一主義のために、便器などの陶磁器の生産を中国からの輸入に依存するなど、経済産業省の失政が顕在化してきた。こうしてみると、日本経済は生産のグローバリズム信仰に一元化され、国家としての自給力を削いできたことが分かる。だからといって、急速にナショナリズムによる国産化を信奉する一元化論に極端に収縮するのも誤りである。地球的に俯瞰すれば、武漢、ニューヨーク、イタリア北部での感染症の拡大が収縮してきて、都市機能の崩壊が常態化することはない。しかも、衛生管理などの面からも、マイホーム、家庭の役割が見直され、住宅機能の高度化・無菌化が求められる。社会全体が、集まって騒ぐ狂信から、この健全な自律の価値が大きく見直されることとなる。基本、内需を基礎にして、国内消費分は中国などからの外製を止めることだ。


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武漢ウイルスに一元化できない遺伝子配列

2020年04月14日 | Weblog

 世界の患者から検出された新型コロナウイルスの全遺伝情報(ゲノム)を解析したところ、遺伝子配列のパターンが大きく三つに分類できることを、英ケンブリッジ大などの研究チームが明らかにした。それぞれの症状や感染力が解明できれば、治療法やワクチンの開発に役立つ可能性がある。米科学アカデミー紀要に掲載された。これと同様なことは、台湾の研究者も指摘している。台湾の研究者と異なるのは、中国のウイルスを武漢型と広東・豪州・米国型とに明確に区分した点にある。いずれにせよ、このブログで述べてきたことであるが、一元論は間違いで、多元的に発生したのが正しいと考えられる。ただし、一元論でも、後に変異・変容したという理解の仕方も考えられる。今は、即断しないで、タイプに応じた治療法の多様性を考える段階だと思われる。そうなると、日本で流行している新型コロナウイルスの遺伝子系統の分析が、まだ十分に行われていないことが、最も懸念される事態だ。


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新型コロナウイルスと「みんなの頭脳」【心理現象】

2020年04月14日 | Weblog

SNSを見ていると、もとから安部政権が嫌いな方は、そういうコトバを排泄して快感を得ようとする。中国嫌いの方は、中共病毒とか、武漢ウイルスなどと名付け、自己を元気づけている。あらゆる人々の「頭脳」に刷り込まれた「ウイルス印象」は、さまざまなコトバを排泄しはじめる。自己がウイルスに感染しないうちは、感染者を魔女や吸血鬼のように忌み嫌う。世界の心理学者には、これほどの大規模な心理現象の地球規模の実験は、計画してもできないから、いまこそ世界から情報を集めておこう。これぞ臨床心理学を基本とする世界史の研究方法である。社会病理を分析できる方は、民族の比較なり、性別の偏差なり、まさしく何万もの博士論文が書ける情報が流出している。


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感染者の人権?:不文律の共同体規制を理解したい

2020年04月12日 | Weblog

アメリカに亡命しているウイグル人には、ウイグル族という民族共同体の共生という不文律がある。それを理解し、支援する別の民族に属する人は、自分が属する共同体の規制の縛りを無視する勇気がいる。今回、富山では、京都産業大学の卒業生で、富山市八尾町の女性が、感染したのち収容された富山市民病院での振る舞いが、SNSで厳しく糾弾され、まるで「魔女狩り」の様相を呈した。すると、この女性の人権を守れという「良識派」が台頭してきた。八尾の家は投石され、京都旅行に同行した両親は、不二越の社宅に逃れた。こうした状況をみて、いわゆる知識人は、魔女狩りの非を責める。しかし、人類の歴史には、種族・同族の共同体を排他的に防衛しようとする不文律の共同体の倫理がある。盲目的な排他であれ、排他する権利は、生命体の自己保存の原理をとして自然権に属するものである。他者への感染の危険を無視し、病院内の規制を守らない魔女には、「良識派」の弁護を超えた不文律の規制がなされる。富山の社会は、一皮むけば、太古からの共同体の規制により社会秩序が構成されている。それは、国の法律や、自治体の条例よりも厳しい不文律の規制である。それが口コミ、SNSで発信されることで、富山の伝統の力による感染症の抑止効果を生む。皆から白い目で見られたくないから、厳しく自己規制する。今や、一人の魔女のお陰で、富山の女子会の手作りマスクの共同作業が促され、医薬同源の対策が浸透する。カリウム不足が重症化の原因となるから、海藻類、特にコンブや、海苔が良いという情報は、良性の口コミ情報だ。魔女は一人だけいる。しかも、美女でないとドラマにならない。


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緊急経済対策として国際通貨基金への拠出金の増額は、極めて正しい政策

2020年04月11日 | Weblog

歴史学者でも、ケインズの創案になるIMFの役割は、全くできていない。国家を繁栄に導く道筋は、バンキング・マネーの均衡調整にある。1920年代、日本政府はケインズの呼びかけを理解できなかったので、日本円の国際孤立化の道を選び、戦争という軍事景気を煽り、日本の歴史最大の、唯一の大敗戦を経験した。国際通貨基金IMFは、戦後の日本復興の要である。IMF傘下の世界銀行が、名神高速道路に低利・長期の融資をしてくれたから、トヨタ王国としての日本の繁栄がある。さて、そのトヨタ王国の予測では、トヨタですらキャッシュフロー面で、2兆円規模の繋ぎ資金が必要であるという「新型コロナウイルスの流行がもたらす世界大恐慌」が起こりかねないという。そのような世界恐慌を食い止めるのは、世界の銀行が協力して企業の連鎖倒産を回避しなければならない。マネーの基本は鉱産物である金ゴールドであるという古典的な通貨論に対し、18世紀からの世界史では、銀行券・バンクノートの信用創造力が、預金を保護し、将来への低利で、長期的な投資資金を可能にするバンキングマネーの時代へと変化した。アジアで最初にバンクノートの信用創造力が理解できたのは、明治政府である。李氏朝鮮、大清帝国は、それが理解できないから植民地支配を受けた。当時の世界銀行は、大英帝国のイングランド銀行であった。しかし、今や世界の銀行は、国際通貨基金のSDRという特殊通貨を共同管理する仕組みで、世界の全ての銀行券が交換できるように構築されている。日本円を割高な通貨にしないためには、ドルを買い円を売る市場の流れが必要なので、日本政府には米ドルが外貨として積みあがる。それで、米ドルをIMFに拠出して、SDRという政府間の預金安定基金にしめる日本の占有率を高めることで、同時に、日本円の信用創造力を高める政策がいる。日本は、当面、世界の金融恐慌を避けながら、世界第2位の経済大国の地位を回復するには、まず、金融大国への道筋が基本形となる。ユーチュバーでは、理解できないだろう。これが、対中国への強力な対抗手段でもある。


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新型コロナウイルスが促す経済社会の健康化

2020年04月10日 | Weblog

武漢では、野生動物の食肉市場が廃止された。中国の誤った食薬同源の悪習は、今後、中国では消滅することになる。さらに、医療関係者の社会的な地位や報酬は低く抑えられてきた「医生」差別に関し、中国共産党は全面修正が図られ、さらに、「医生」の多くが属していた少数政党の発言力が大きく高まり、全国政治協商会議の役割が全国人民代表大会よりも、本来あるべき優位性が再確立され、紅色革命から「緑色革命」の統一戦線へと中国社会は大きな進化の階段へと駆け上がった。それが、「緑色革命」の先駆者としての日本経済社会への敬意を引き出すことになる。さて問題は、中国のモデルとされる日本の経済社会も、人口減少のもとで経済社会の健康化をさらに強めなくてはならない。社会分業として不要な営業とそれに従事する職業の自然淘汰される進化のプロセスに踏み込んだ。新型コロナウイルスは、夜の繁華街といわれる不健康の地区で繁殖し、経済社会の健康化を促している。災いを転じて福となす、これが漢字文化圏の知恵である。


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日本方式の新型コロナV対策は成功するのか?

2020年04月08日 | Weblog

安倍総理から発表された緊急事態宣言とその対策は、疫病の流布と医療体制の専門家の見解を軸としたもので、経済、経営の観点からのデータサイエンスからみると、かなりの誤差が生じると思われる。経済からの分析は、蓋然性はあるが、島根・鳥取・岩手が未感染である理由は、経済学的には説明できる。産業連関の最下層に属するからである。問題の中京圏の扱いは、産業連関からみて日本の中軸なので、ここでは医療サイドと経済産業サイドとの見解の相違がでてきても不思議ではない。おそらく、政府対策は、首都圏における国家危機の回避が主眼となり、政治判断として中京圏に比重を掛けた判断が避けられたものと見てよい。次に、GDPの20%規模の対策のため、膨大な赤字国債が財源として選択された。これで、財政均衡主義論が力づくで廃棄され、念願の積極財政論が勝利した。これは、第2次大戦後の財政経済政策の大きな誤りであった財政均衡主義を事実として修正するもので、デフレ収縮からインフレ拡張へと変調していく。したがって、中京圏を既成対象から外したのは、経済学的には誤りだといえるが、防疫インフレへのアクセルを踏んだことで、基調としては、安倍総理の対策は成功するものと大局的に判断できる。貨幣供給量を増やすという結果が経済を下から支えることになる。


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孫文の経済思想からみた新型コロナ対策

2020年04月07日 | Weblog

台湾では、孫文を創始者とする国民党が政権を失ったが、医師であった孫文の経済学説は、意外に台湾社会に活かされている。孫文の経済学説の特色は、人間の生存条件から起算するところにある。その生存条件とは、衣食住の三要素に止まらない。それに、「行」「印」「養」の三要素を加えている。「行」とは、交通の経済学である。「印」とは、情報の市場経済学である。「養」とは、養老院というように病人や弱者への救済への公共支出である。台湾が、この新型コロナウイルスに対し、軍隊・中央銀行通貨・外交権をもつ自律国家として、適切に対処できれいるのには、曲がりなりにも、蒋介石政権のもとで、孫文の古典的な著作を学習してきた世代の共同認識があることに基盤がある。特に、孫文は「大学」「中庸」を重んじた青年教育を重視した。実は、香港人も、香港大学医学部の前身である「西医書院」の第一期生で、第2位の成績で卒業した孫文を敬愛している。中国大陸では、中国海軍の創始者として、人民解放軍でも孫文は敬愛されている。孫文は、公衆衛生学から社会の全面改良のために困難な革命に身を投じた。中国大陸の医師たちは、治療の合間を活かし英文論文で経験を総括し、世界の医学界に発信している。中国の知識人には、「良知」の伝統がある。習近平もそれに逆らえば、皇帝の座を失う。しかし、習近平は、貧困農村・漁村のトイレ改良に国費を投入し、公衆衛生に大きく貢献している。


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新型コロナウイルスが促す経済科学の進化

2020年04月07日 | Weblog

疫病に倒れた人々を見殺しにしないためには、福祉の基金である国民総生産が豊かであることを世界で最初に提言したのは、アダム・スミスである。世界史がこの提言を享けて、経済科学の理論と実践の科学としての経営学の進化が促されてきた。しかし、欧米では、貴族化した市民階級の蓄財のツールとなったので、スミスの名著「諸国民の富」の最終編にある国家の役割の部分は、学生の教科書から省かれてきた。日本では、国家学が優先的に必要なので、題名も「富国論」と訳されてきた。このような思想的な読まれ方から、経済学を解放したのが、ワルラスの価格均衡理論という数学モデルの導入である。以来、我々は最適の解という数学の思考を先端科学として受けとめてきた。1917年のロシア革命により誕生したレーニン・スターリン理論が、20世紀の後半に破綻するのも、オーストリア学派が西側の世界に亡命して、計量経済学の高度化に成功したからである。今、世界は新型コロナウイルスという感染症と戦っているが、この国家と国家の存亡を賭けた競合において、どの国の経済科学の専門家が最適解を導くのか、そこに次のステージの世界史を導く「ガイドライン」理論が生まれる。実は、日本は確実に銅メダル以上の「ガイドライン」理論を導くことができる国家である。それは、国家が仮想通貨を福祉手段である所得再配分に採用するという進化に踏み込んだことである。それは、消費税の軽減などに用いられた電子マネーの実証実験の成功である。これは、ストックマネーとフローマネーとを機能分化させるだけでなく、形態の面でも、現金【紙幣・硬貨】という不潔な疫病の感染媒体から、マネーそのものの交換記号化に導くからである。日本政府には、財政投融資会計と一般会計とがあり、国会で審議される予算・決算は、フローマネーに属すから電子決済となる。さらに、注意を要するのは、法律の学問が革新され、民法の債権につき、学問力が起動して法律が改革されてきたことである。高学歴ではなく、高学識への内実ある進化が、今、日本では進んでいる。ドラッカーが想定した「知識労働者」「知識資本」が、国家を導く時代となった。それに応じて、防衛大学校だけでなく、防衛大学院大学への高度化も求められる。中国共産党が一番の挫折感を味わうのは、日本人の知恵であるからだ。

 


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観光・イベント主義は、自治体の基本行政ではない

2020年04月06日 | Weblog

新型コロナウイルスの感染が下火になれば、またぞろ観光主義・イベント主義が横行する。それは、愚民の文化をあおるだけである。大事なのは、生涯学習を基本とする「徳育教化」こそ、地方自治体の経営の基本とするべき行政の自己再生の基本線である。民衆が徳育教化されると、そこから賢人や能者が生まれてくる。リーダーが世代ごとに輩出される。町内会長の成り手がない、ボランティアの人材が少ない。なのに、健康マージャンが大きな顔をする。それは、日本の教育社会が崩壊した時代に育った世代が、漢文に含まれる教養を崩壊させたからである。「観光」とは、その土地の首長の施策を慕って人材が集まるというのが、「易」経にある原義だ。富山市の森市長の地方都市における都市交通の改善を見学するために、世界から有識者が訪問してくる。これが、観光の原義である。イベント主義は、日常の地味な行政人を「賑わい創出」という麻薬にふける広報マンに貶める。今になって、医療機器が足りないという。土地と人材の生産性を50メートル四方のマス目をベースマップとして、どれだけ価値が創出できるのか、「管仲」→「孔子」の基本形を再学習すると、見えてくる。つまり、困難に合えば、古典に戻り、新しきを知る基本形を思い出すことだ。


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クラスター理論の限界:疫病の専門家の数学脳の壁

2020年04月05日 | Weblog

クラスター理論は、因果関係が追跡できなくなると、理論の限界がくる。理論としても、使用不可の状態になる。それで、次に最小二乗法が使われる。しかし、パラメータがプラスからマイナスへ転ずる瞬間の転換点がなかなかつかみにくい。そこで、波動の考え方が有効となる。累積の患者数は、積分からの逆算でも求められる。患者数の見かけの数値よりも、確率的に潜在感染者を割り出すと、その波動曲線をもとに微分すれば、鎮静化の時点が近似値で予測できる。ここは、医学部よりも理学部系の計算科学の世界となる。日本政府が財政資金の投入効果をあえて拙速を避けて慎重に見極めているのは、医師会が理解できる計算科学よりも、はるかに精度の高いパラメータを割り出す技術に掛けているからだ。この程度のことは、北朝鮮の政府のシンクタンクでも分かる。中国共産党でも出来る。最小の費用で最大効果を導くための計算科学の技法が日本にないとすれば、話は別である。日本の数学は、世界最高水準にあるから、一研究者としては、ピンポイントの財政支援にこだわるプロの眼を信頼している。累計患者数は積分量である、と分かれば、波動の転換点となる時点が予測できる。逆に言えば、今は、時系列データが不足している段階だろう。


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日本民族が細長く持続できた秘密

2020年04月05日 | Weblog

新型コロナウイルスの感染が、都の流行るものとして、都会を眺めおろせたらいいな、と思ったら、宮村さんの力作を思い出した。日本列島の脊梁部にあり、扇状地の上流の谷合の村の強みは、氾濫型の洪水から身を避ける工夫、大規模な地震による津波から逃れる高度の利点、さらには、自給自足を基本とする生活スタイルである。いま、TVでは、山奥の一軒家にこだわる孤立への賛辞が語られる。山奥への憬れは、新型ウイルスの猛威が国家的に叫ばれるずっと前からある。歴史の研究は教えてくれる。縄文式の文化は、森林と渓谷に栄え、弥生式の文化は、扇状地の治水を促した。ただ、日本には、海洋の海浜の過疎地も多くあるが、そこには、沿岸航行の文化があり、卑弥呼の時代、東アジアで最大の航海集団が生れていた。新型コロナウイルスの感染が、日本列島にある「大長谷」のようなうな日本の聖地には及ばないようにと祈るのみだ。あの魔力あるウイルスの標的は、日本では、下俗な文明病の患者に向かっている。中国では、野生動物を食べ尽くす人間の愚かさを襲ったのだ。


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新型のコロナ・ウイルスを克服するデータサイエンス【校正】

2020年04月04日 | Weblog

新型コロナウイルスに直面し、2020年、地球上のすべての国家では、「指令型経済原理」と「市場型経済原理」と「互恵型経済原理」の3原理をいかに組み合わせ、多元的で、多項的な複雑な連立方程式を解くという「知識資本」の優位性が問われている。中国の場合は、「指令型経済原理」に一元化できる社会であるから、最大で5次元の演算で解決する。日本の場合、3つの経済原理が複雑に組み合わされ、しかも、どの原理にも一本化できない静態構造をもっている成熟社会なので、対策とその実効性の検証は、世界で最も複雑である。ただ、僕が歴史家として責任をもっていうと、日本の医学会のレベルは極めて高く、また、経済学とデータサイエンスとの結合体も世界でも有数なので、極めてこまやかな施策が練られている。素人の評論では、せいぜい4次元にとどまる。特にTVは映像で見せるという制約のために低次元の議論になる。日本国の国家戦略本部に集約される複雑多元な財政政策介入の能力は、中国研究のプロの眼で見て、中国に比べても劣らないと証言する。日本の賢人・能力者の精緻な情報解析力を信じよう。他方、個々人としては、内面的な自省の成長を心がける時間が与えられている。


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中国大陸の地上の気象観測網の完全自動化が完成

2020年04月03日 | Weblog

日本列島では、すでに気象衛星とアメダスとの連携による気象予報のIT化は、中国大陸よりも進んだ状況にある。ここに来て、中国政府は、2020年4月より、正式に地上観測の全面自動化の運用を開始した。日本にとり、この情報は極めて有効で、好ましいものである。というのは、天気は西から崩れるから、中国が日本に提供できる情報の精度が格段に高まり、中国大陸のA地点は、日本列島のa地点との間に時差があるが、気象変化の相関分析が可能となるからだ。富山の場合、河南省のA地点から2日遅れて同じ気象現象がおきるという位相の分析も可能となる。


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こんな教科書では、新型ウイルスの意味が解けない

2020年04月03日 | Weblog

高等学校の世界史の教科書には、細かなことがたくさんあるが、実は、グランドセオリーとしては、自然的な進歩史観しかない。大まかには、狩猟採取から農耕社会へ、遊牧ー商業民族の分岐、そこから定住民を主体とする小国家から大帝国の形成と崩壊、他方で、移住民が新天地を求め、地球を漂流し、種族を優勝劣敗し征服国家を作り出していく。ここに人類学の知識を入れると、我々、ホモサピエンスは、東アフリカに共通祖先があると理解できる。とはいえ、日本人がほぼ常識とする世界史の知識では、今度の新型コロナウイルスとの戦い、それはウイルスとの戦いに見えて、ホモサピエンスの内部の激烈な優勝劣敗の大戦争であることを感知できない。自国民を第一とし、自己の都市を第一として、弱者を締め出し、自己の生存を図る戦争である。この戦争で指令型経済原理への一元化において、中国は武装解除することなく、世界の少数・弱者の国家の守護神たらんと勝利を宣言しつつある。残念ながら、西側の諸国は、自由主義の市場原理を崩壊させないための複雑多元の方程式が解けないで苦しんでいる。自由なき中国共産党の支配に屈するか、自由と規律とを両立させる日本国を守るのか、僕は、この教科書で世界史を学んだ日本の国家公務員の上級職が、大きな達観と微積分学により精緻に切り抜けることを信じている。たとえマスク2枚でも、国家が召集令状の赤紙を郵送するよりも健全な時代に生きていることをまことに幸運に思う。


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