ひらのかおるタウン通信

ひらのかおるの日々の暮らしや市民活動の中で、みなさんにお伝えしたい情報や雑感などを綴っています。

保育所民営化問題~第2回住民福祉審議会傍聴 ③

2007-06-04 | Weblog
「子育てしている人だけが住民ではない。平成24年には財政は破綻する。団体への補助金も1割カットしている。人口が増えないのに同じサービスを提供しているとツケは住民に回る。民営化せざるを得ない。民間は悪いのか。子育てで大事なのは親、施設ではない」

「基本方針には書いていないが、福祉サービスをすすめる基本原則は利用者本位ということだ。日本の保育所は素晴らしい民間がつくってきた。民営化=悪というイメージは払拭して欲しい。財政状況が厳しい、住民と行政が力を合わせあらたな時代をつくることだ。第4保育所も民営化されるという疑念をもっておられるのか」

「基本方針について多くの意見がでているのは、皆さんが不安感を持っているからであろうと最初は民営化に反対の意見を持っていた。高齢者を担当しているので、わかるが、地域包括支援センターは直営でやっている。町はお金があればやるのであって、すべて手放そうとしているのではない。財政の話を聞くと、民営だったらお金を出し、直営なら出さないと国の財政の締め付けが厳しい、苦渋の選択をせざるを得ないのではないか」

「(保護者説明会議事録)資料を見て、意見を言う」

「限られた財源を、これからの日本を背負う子どもにつぎ込むことも大事。子育てを一生懸命している町として価値を高められる。町と保護者の間にボタン・ファスナーの掛け違いを感じる」

「何をどう審議しようとしてるのか、民営化の順序の方向性が見えない。住民が不安を持つ。」

「補助金のことなどもあるが公でも良いことがあることを踏まえて議論したい」

「お母さん方の意見はパワーを感じる。この力をこの町を良くできるかというまちづくりの力に向けないといけない。夕張も市民の責任。みんなで考えていこう」

「私は民間施設関係者である。民間がアカンとは言っていない。財政問題ありきでの安易な民営化には反対」
全て記録できているわけではありませんが、概ねこのような意見が委員からは出されたと思います。

「民間が悪いとは一切言っていない。なぜ第2保育所が慕われているのか。家のように暖かく、愛着を持っている。他市から来られた方が、町立保育所がいいと言われる。何を守って、何を変えるのか、保護者・保育士の声を聞いていただきたい」(第2保育所保護者)

「08年4月実施と期日指定せず、3~5年かけ基本方針の中身を厚くしたらどうか」(第4保育所保護者)

「幼保一元化を民営化ぬきで別にして考えて欲しい。幼稚園の預かり保育がうまくいっているからと≪就労支援型幼稚園≫を簡単に考えないでほしい」(第1幼稚園保護者)
と当事者の臨時委員は揃って基本方針には異論を唱えています。

次回は今までの説明会の議事録を資料として提出、それを踏まえて議論をするということになっています。

私は昨年12月議会で基本方針は撤回し、子どもの最善の利益を視点において、就学前の保育・教育はどうあるべきか、保育・教育専門家・保護者・保育士・住民を交えての検討機関を設けて検討をすべきと提言しました。
審議会で諮問する前にすべきことだと思います。


審議の中で、就学前の子どもは保育所に預けず親が見るもの、という主旨の意見に、女性委員からも何の反論もなかったのは残念です。

女性の社会参加・仕事と家庭の両立支援・集団生活での子育ちの保障・障害児保育の保障のみならず、家庭で子育てすることを希望しても経済的に両親とも働かざるを得ないなど、保育所保育がいかに大事かはいいつくせません。

また、「平成24年には財政が破綻する」という意見について根拠はありませんが、町が「民営化しないと夕張のようになる」というような無責任な発言をしているため、誤解を招いているからです。

本当に破綻するのなら、すぐにでもJR新駅設置事業は凍結し、真っ先に町長・収入役・副町長の退職金を廃止する条例改正を提案すべきでしょう。それが町トップの責任の取り方です。




保育所民営化問題~第2回住民福祉審議会傍聴 ②

2007-06-04 | 子ども
審議会には保育所保護者から出された資料も提出されています。
その1件「基本方針について住民福祉審議会での取り扱いに関する意見書~町は保護者・住民への説明責任を果たしていない。住民福祉審議会への諮問は時期尚早。説明会の継続を求め審議入りしないこと」が議論となりました。

最初に一人の委員から「この意見書についての取り扱いをどうするのか」との投げかけがありました。
臨時委員の保育所保護者からは「昨年12月に突然、基本方針を発表。町の説明に保護者も保育士も当事者は納得していない、なのに審議会には7月末には答申を求めている。」と審議入りは拙速との主旨の意見。

「差し戻しできないか」
「答申は議会にかかわるかどうかわからないが影響が大きい。2保の保護者として基本方針を審議していいのか非常に心配」
「こんなに沢山の方が傍聴にこられているのは役場の説明に納得されていないからだろう。役場はどんな説明をしたのか」

「過去3回の保育所保護者への町説明会の議事録をまず読んでから意見書を審議する」
「広報には毎回、基本方針について掲載されている。住民は決定していることと思わされている。合意できていないのに、あのように広報されることで、保護者は悲しい思いをしている。行政は思いやりの気持ちを持って出し方を考えて欲しい」

「役場は住民があってこそ島本町があり、給料ももらっている。住民に納得してもらう努力をせよ。子どもの犯罪が多いが、教育は20年かかる。子どもを育てること、保育は大事である。」など他の委員から町の対応への疑問も多くでました。

基本方針への審議入りは難しい雰囲気でした。
しかし、「意見書」の取り扱いが決まらないまま、
「住民福祉全般について審議するのが住民福祉審議会委員としての役目。関係のない議論は排除して、基本方針の中で意見書も含めて審議するべき。審議に入り、臨時委員の思いを聞きたい。」という委員の意見に押し切られた形で、会長は一人ひとりの委員に基本方針についての意見を求めました。

(写真は第2保育所)

保育所民営化問題~第2回住民福祉審議会傍聴 ①

2007-06-04 | 子ども
5月24日、午後7時より開かれた2007年度第2回住民福祉審議会を傍聴しました。
「2008年4月実施を目標に町立第二保育所の民営化」を掲げた『就学前の子どもの教育と保育環境の整備について(基本方針)』が審議されるとあって、会場のふれあいセンター第4学習室前には保育所の保護者の皆さんで一杯です。

前回は傍聴定員を10名と制限。抽選となり保護者も、私も傍聴できませんでした。審議会会長および委員のみなさんが、傍聴希望者は全部入れるよう意見されたので、今回は30名に定員を増やして対応。傍聴希望者はゆうに定員を超えています。

議員も9名、平野・南部議員(人びと)、冨永・河野議員(共産)、杉本・岡田議員(公明)、伊集院議員(自民)、菅・山口議員(民主)来ており、町も制限するわけにはいかないと判断したのか、最終的には43名、全員会場に入れました。

会議は岩村民生部長の、「町の説明が不十分で混乱を招いたこと、お詫び申し上げます。基本方針を本審議会で審議していただきますようお願いします」との弁から始まりました。

その理由は第1回住民福祉審議会で池下民生部理事が「基本方針」について審議会に諮問しているのに「審議会は全体の福祉について審議する場で、民営化について審議する場ではない。」と「ことしの予算」説明会(4月21日町開催)と同様の発言をしたためです。そのため委員からは「ならば基本方針の中の民営化の部分は取るべき」。「この場は説明を聞くだけなのか」と意見噴出。

それに対し理事は「基本方針は案であり、08年4月からどうしていくか実施計画をこれからたてる」と噛み合わない答弁。「基本方針の骨子に民営化が入っている以上、民営化を是とした実施計画では」「審議会の開催が早すぎるのでは」と前回の審議会は大混乱。そのため、冒頭の部長のお詫びとなったのでした。

しかし、何故、発言した理事から混乱を招いたお詫びと訂正がないのでしょう。町としての公式発言をしたのに全く無責任です。保護者や保育所職員を無視して作った基本方針について「住民の意見を聞き置きました」とアリバイ作りに審議会を利用しようとする町行政の姑息さが露呈したものと言えます。