池永正明の投球に就いて触れます。彼が天性のバネを十分に活かし、やや担ぎ気味ながらも、躍動感溢れるオーバースローの投球フォームから繰り出されるストレートは、速く、切れ味鋭く、打者の手元での伸びもあり、更に決して大きくはないその体格からは、想像し難い程の重みすらあり、素晴らしいものでした。しかし速さ、現在で言えば所謂スピードガンの数値では、彼を上回る投手はある程度いたと思います。当時の彼のストレートの最速は150kmに達していなく、平均球速は145km弱かと推測します。球速的には、昨シーズンの松坂大輔とほぼ同じか、やや下のレベルかと思います。当時、比較的同世代の著名な速球投手、江夏豊、外木場義郎、堀内恒夫、鈴木啓示、森安敏明等の投手達と比較すると、こと球の速さに限って言えば、劣っていたと思います。前述の彼等より、球速ではややランク下の木樽正明、成田文男と同じクラスかと思います。しかし池永正明には武器となる変化球も多く、又狙った所に投げ得る力、メジャーでよく言われるコマンド、意識して打者の胸元を攻めたり出来得る力が備わっており、球の速さのみで勝負する投手ではありませんでした。
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