もう少し山内一弘の残した数字に触れて見ます。彼の通算打率は0.295であり3割に届いていません。5厘不足しており惜しいという声もあろうかと思いますが、現実は厳しく彼程の打数の多い打者に関しては、決して近いという数字ではありません。50打数50安打を記録したと仮定しても、0.2994にしかならず、切り上げ3割にも達しない訳です。現実には勿論有り得ない数字であり、更に明らかに力の衰えが見えていた為、惜しいと言う表現は出来ないと思います。本塁打数に関してですが,これも396本と400本に届いていません。これに関しては、打率が落ちるのを覚悟の上、引退を伸ばして狙いに行ったとしたら可能性はあったでしょう。しかし引退の年5本塁打とかなり長打力に衰えを見せていた為、かなりの難産にはなったでしょう。又彼のシーズン自己ベストの数字は打率0.334,33本塁打,112打点とそれなりに素晴らしい成績ですが、それぞれは、もの凄いという程のレベルではありません。それでも通算成績それぞれの部門で上位にランクされる彼の実績は、昭和を代表する大打者の一人と間違いなく言えるかと思います。