totoroの小道

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45分で やりなさい

2008-07-17 06:28:48 | 理科

理科の授業で使ってきたジャガイモが実りました。元々は花壇なので、秋の花を植えるために、収穫し空けなければなりません。

私は、出入りで理科を行っているので、与えられた時間は45分しかありません。

「今日は、6年生らしく協力して、助け合うなら、ジャガイモを食べたいが、どうする?」
と切り出しました。
「やるやる。」
「45分しかないけれど、できるの?」
「できるよ!!」
「できるさ~!!」
「では、6つの班に分かれます。みんなが同じことをしたら、45分で完了できっこありません。6人で仕事が重ならないように分担しなさい。仕事は、ジャガイモをほる。ジャガイモを洗う。ジャガイモの茎や根を片付ける。食器を用意する。ゆでる。鍋などの片付けなどがあります。」
「よう~い ドン!」

すぐに外に飛び出そうとする子供がいる反面、
ぱっと話し合う声がする班もあるます。
「私たちが、先に家庭科室で準備するから、こっちの人たちでジャガイモ掘ってきてよ。」
すかさず褒めます。
「いいねえ。さすが。そうやってすぐに話し合って分担を決められるのは、信頼する仲間ってことだね。!!」
それを聞いた子達が、飛び出そうとした子達を引き留め
「ちょっと待って、私たちも仕事の分担をしよう、」
と打ち合わせを始めます。
ここで、子ども達の動きが、きりっとして、機敏になります。

外に出て、花壇を掘ってジャガイモを探す子ども達と、家庭科室で鍋に火を賭け、食器を洗い準備をすることが同時展開されていきます。

家庭科室で見ていると、何人か、へえっ、この子家で家事をやってるんだなあ。よく気がつくなあ。てきぱきと仕事ができて気持ちがいいなあと感じます。Yさんも、その一人でした。女の子が1人しかいないグループです。私がやらないと、あの人達じゃできないものね、そんな思いが顔から見て取れます。次々に人数分の皿やフォークを出し、しばらく使ってなかったからと洗い、水を切り、拭いて、並べていきます。手際がいい!!

外へ出てみます。ここでも分業化が完了しています。それは、きちんと指示するBさんがいるからです。
それまでは、各グループに分かれて、掘ったり洗ったりしていました。それでは能率が低いと気づいたのです。
「ねえ、私たちでジャガイモを集めるか!!」
「一度班関係なしにジャガイモを集めて、同じ数ずつ分けるから、もらっていくね。」
と花壇のあちこちに分けておかれているジャガイモを集め始めます。
「ここで洗っている男子は、このまま他の班のも全部洗って泥を落としてね」
「洗えたジャガイモを、ざるに入れて運んでおこう!!」

「声出す人がいると、はかどるね~。すごいな~」と声を掛けます。

「おれ、これ捨ててくるね!!」
「じゃあ、クワをしまってくるよ。」
それを聞いて、さらに、掘り終わった花壇をならす子、茎や草や根を片付けに行く子、使った用具を片付ける子と、仕事を探して動く子が増えていきます。


その頃、家庭科室では、収穫したジャガイモの山を前に考え込んでいる子ども達がいます。このジャガイモをどう6等分したらいいかについてです。
「いいじゃあ、適当にもっていけば。」
なんて、適当なことを言う子もいます。
勝手に持っていこうとする子もいます。
「ちょっと待ってよ。みんなだってほしいんだからさあ。」
「ちゃんと分けようよ。」

「いいねえ、そうやって声を出す人が出てくると、クラスがまとまるよね。」と声を掛けます。ここでびっくりしたのは、I君です。あまりリーダーシップを取るタイプに見えなかったのですが、ここからてきぱきと指示を出します。

「まず、大きさをそろえようよ。大きいの、中ぐらいの、小さいので分けてみよう。」
その声で、みんなが動き始めます。
「大きいのは13個あるね。14あれば全部2つずつに分けられるけど...。」
そんな声がするとすかさずI君が指示を出します。
「じゃあ、各グループ、まず1つずつ大きいのを取ろうよ。」
「とった?じゃあ、残った大きいのはちょっと置いておいて、先にこの中ぐらいのを6等分しよう。」
「次は、小さいのね。」
ここまで来ると、大きいジャガイモの他に、いくつかの中ぐらいのと小さいのが残ります。
「この、残りを、これとこれをくっつけると、ほら、だいたい同じになるら!」
I君が名奉行役を務め、きれいにジャガイモが6等分されます。

そんなことをしている間に、机の上がきれいにできあがっています。あとはゆであがるのを待つだけです。ここで活躍したのはUさんです。周りの女の子も見とれるぐらいよく働きます。
「すごいね、Uさん。」
「すぐに、お嫁に行けるよね!!」
首を横に振ります。
「将来、コックさんになったらいいよ!!」
首を横に振りますが、まんざらでもなさそうです。

6等分されたジャガイモが各班の机にやってきます。もう一度よく洗います。
「ジャガイモの芽は毒がある。」
誰かが言い出すと、みんなで手分けして芽をほじくり出します。
その真剣なこと。

ゆでながら、何度も何度もジャガイモの堅さを見ます。Oさんは、こんなときとっても頼りになります。さいばしで何度もさしながら、
「まだだめ。」
「もうちょっと。その間に、洗ったものを拭いておいて。」
真剣に鍋の中をのぞきながら、ゆであげるタイミングを見ています。
「すごいねえ。いつも家でやってるんだね。!」
と声を掛けますが、そんな私の声に耳も貸さず、鍋の中の泡を見つめます。

ゆであがり、ざるに空け....
ゆでた鍋を片付け、机をふき、
流しをよく拭いて、元栓を閉め...
この頃になると、それぞれ、自分から仕事を探してうごき、遊んでいる子もいません。

残念ながら、食べるところは
「先生、もう時間になってしまったので、給食で食べてもいい?」
という提案通りになりましたが、45分で全て完了できたのは、彼らの団結力だと思います。

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1 コメント

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見る、考える、話し合う、分業する、これで完成できた45分ジャガイモ調理、すごいぞ! (Mrヒデ)
2008-07-17 10:51:07
 45分という与えられた時間で、どのようにジャガイモ調理を完成させるか、皆さんの頭の中には、畑にあるジャガイモを掘る、洗う、皮をむく、ゆでるなど、そのすべてが見えています。
 そして、その一連の作業をどのような手順で分業していけばよいのかも考え、実行している。素晴らしい。
 このようにどんな状態でもベストの対応できる力はとても大切だと思います。
 賢いぞ、頭いいぞ、協力的だぞ・・・・。
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