totoroの小道

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顔のバランス

2013-02-24 12:25:21 | 図工

 正委先生が、自画像の実践を紹介してくださいました。
毎回、正委先生の指導には驚かされます。

指導が丁寧だし、どの子にも理解させ、徹底されています。 

今回、正委先生の指導の重点の一つに顔のバランスがあります。

顔は、目を中心にして、上下がほぼ同じ大きさです。
左右も三分割できます。

ですから、今回正委先生は「展開の核」を目と考えました。
まず、目の大きさと位置を指示します。

目さえ、画用紙の中心に、この大きさでかければ、
全員ほどよい大きさの自画像を完成させることができる。

また、その作業の過程で、顔のバランスについて知識を得ることができると考えたわけです。
 

 

 

私も、どの学年でも、年に一度は顔を描かせます。
人物と、風景は絵の基本だと考えるからです。

子どもたちは、顔は毎日見ています。

小さい頃から顔をの絵を描いているので、だれもが描けます。
いや、毎日見ているような気になっているし、描けるような気になっているだけです。
しかし、マンガみたいな顔の子がほとんどですし、自分は下手だと自信のない子も多いです。

そうした、想いをがらっと変えて、リアルな顔を全員に描かせます。
下手だと思っていた子も、「あれっ、上手くなったような気がする。」と思わせたいと思います。

私は「展開の核」を鼻と考え、指導をします。

そのためには
まず、おやっと思わせます。
「鼻の穴の形は、どっち?」
だって、鼻は見ているけれど、鼻の穴の形なんて気にしたことはありません。

こうすることで、子どもたちはしっかり見ると本当の形が分かることを納得します。

鼻は、よく見ると「1 真ん中の部分」「2 その両サイドの部分」でできていることを教え、
鼻の穴を、1cmの大きさで描くこと。
よく見て本当に見えたとおりに描くこと。
一筆書きで描くことを指示します。

次に、鼻の下に溝のような部分があることに気づかせます。
「私たちは、母親の胎内で進化の過程をたどります。」
「ねずみや、ウサギみたいな形を経て、だんだん人間らしくなります。」
「そのときの名残が、この溝です。」
と説明すると、興味を持ちます。

 

今度は、鼻の上の方を意識させます。
そして、このように鼻から、ずっと鼻の骨を目の上までたどらせます。
「ね、鼻と眉毛はつながっているでしょ?」

「さっき鼻は「1」「2」の部分があると言ったけど、「4の部分と」「5の部分」までつながっているんだよ。」
「それを意識して、顔を触りながら線を見つけてごらん。」
と指示します。

 

これで、目を描く位置が決まります。
何もないところに、目をいきなり描くのは、目印がなくてなかなか難しいです。
しかし、鼻から線をあらかじめ延ばしておくと、目を描くスペースが自ずから現れます。


ここでも、十分に自分の目を触って意識させます。

目を触ると、いやでも頭蓋骨を意識するようになります。
目玉の入っている部分は、頭蓋骨の大きな穴の部分だと感じられるのです。
 

目玉が、ピンポン球ぐらいの球であって、それが頭蓋骨の中に収まっている、


こんなイメージをしっかりと持たせます。


つまり、この部分に隠れた穴があることを意識させます。
この部分に目を描いていきます。

 

 

さて、目ですが、これも毎日見ているようで、案外しっかり見ていないものです。

 

そこで、おやっと思わせ、もっとしっかり見ようと思うようにクイズをだします。
「あなたの目は、1 と 2 の どっち?」

「あなたの目は、1 と 2 の どっち?」

 

そうだね。それぐらいしっかり見ることを「よく見る」というんだね。
と褒めてまず、目の形をしっかり描かせます。

「上手に描けたね。でも、目にはまだ大事な線があるよ。2本目の線って言うんだ。」
「2本目の線をたくさん見つけた人が、上手な目が描けるんだよ。」
と話し、
「ほら、私にはこんな線が見えたよ。さっきより、本物らしくなったでしょ。」

こうすると、子どもたちはさらに線を見つけます。
2本目の線が入ると、立体的になります。

ここに、瞳を入れます。
瞳は、ほぼ上下につくぐらいの大きさです。


ここでも
「瞳って、ただ黒いと思うでしょ。でも、よく見ると三色に分かれているんだよ。
こう話すと、子どもたちは必死になって鏡をのぞき込みます。

目は、実は見えている部分だけが目ではなく、ピンポン球のほとんどは隠れています。
その膨らみを見つけさせます。

膨らみを見つけたら、その膨らみを示す線を見つけて
「ここにも2本目の線を入れるといいね。」
と呼びかけていきます。

瞳に、ハイライトを入れるとリアルになります。

 鼻を「展開の核」としてここまで描けました。
今度は下の方にいきます。

鼻の下の、先ほどの「ウサギの口」の部分を上から手で押さえてみます。
すると、ここに「歯」があることが分かります。

歯があるから、膨らんでいます。
その歯の膨らみを示す線があるはずです。
探させます。

その次に唇を描きます。
上唇は真ん中の部分が上下とも特徴的です。
「膨らみ(でっぱり)を見つけた人は、目がいいなあ。」
と、リアルに描けた人をほめると、
「僕も見つけた。」
と他の子どもたちも続きます。

 

次は、あごの骨を意識させいます。
あごを下の絵のようにつかませます。
丸い、大きな骨が入っていることを理解させます。

 

それから、子どもたちは何も言わないでいると、細い首を描きます。
ところが、自分でも驚くのですが、
「耳をさわって、その手を下に移動させると、首があるのです。」
首は、耳と同じ太さがあるのです。

 

髪の毛は、正委先生と同じように指導します。
あごから目までを指で測らせ、目から頭頂部までと同じ長さになっていることを実験させます。
すると、バランスの良い顔がほぼ完成します。

 

今度は、顔の筋肉を意識させます。
私ぐらいの年齢になると、お肌の張りがなくなり、筋肉の付き方が手に取るように見えます。
が、子どもたちの肌はピンとしていて、なかなか筋肉を見つけるのは難しいです。
口を開けたり、ウインクしたりさせ、見つけさせます。

 

「よく見て描きなさい。」
「本物通りに描きなさい。」
「見えた線をかきなさい。」
こうした指示は、指示しているようで、実は何の指示にもなっていません。

全体を子どもたちに丸投げして描かせるのでなく、
まず展開の核を示し、(正委先生は目、私なら鼻)
次に「鼻」「目」「口」「耳」「あご」などと部分部分に切って見やすく焦点化してあげます。

つまり、教師に作戦がなければ、
こどもは
「よく見て描けない。」
「本物通りに描けない。」
「見えた線をかけない。」
のです。

次回以降の「浜松授業研究の会」の予定です。

第31回 2013年4月13日 9:00 12:00 天竜壬生ホール 第2会議室
第32回 2013年5月18日 9:00 12:00 天竜壬生ホール 第2会議室

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4 コメント

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ゆきのさん ありがとうございます。 (totoro)
2013-02-27 12:17:17
美濃保育園公開発表会に参加したことはありません。ただビデオでみて、すごいと思いました。
こんなことを、十分時間をとって取り組めたら、いい子達が育つなと思います。いつか、本物を見てみたいです。
返信する
Unknown (totoro)
2013-02-27 12:12:11
Mrヒデさんありがとうございます。
授業研究の会も30回続きました。若い先生方も参加してくださって、途切れずに続ほっとしています。
ところで、私は斎藤喜博さんの本を読んでいるわけでもなく、宮坂先生についているわけでもありません。Mrヒデさんにあこがれ、先生のいる教研の部会をわざわざ選び、先生のいる学校をわざわざ選んで赴任してきました。そうして、全てMrヒデさんから教えていただいてきました。
私にとっては、この会は、Mrヒデさんからさらに多くの刺激をいただく貴重な会となっています。今後ともお願いします。
返信する
平成24年度  美濃保育園公開発表会 (ゆきの)
2013-02-26 21:29:41
顔の描き方面白いですね。
とても参考になります。



平成24年度  美濃保育園公開発表会
平成25年2月23日(土)午前9時~12時  会場:美濃保育園
1、全園児  歌「ゆきのペンキやさん、おさるのかごや」
2、4歳児  ステップ 「ディズニーメドレー」
3、3歳児  リズム遊び「俵はごろごろ、もみじ」
4、5歳児  ステップ「ニューシネマパラダイス」
5、0,1歳児 リズム遊び「動物と遊ぼう」
6、2歳児 オペレッタ「かにむかし」
7、4歳児  うた「山寺のおしょうさん、かくれんぼ」
8、3歳児  オペレッタ「おむすびころりん」
9、5歳児  うた「たきぎとりのうた、春の音」
10、4歳児  オペレッタ「大工と鬼六」
11、4歳児  オペレッタ「はだかの王様」
12、5歳児  オペレッタ「泣いた赤鬼」
13、5歳児  オペレッタ「あほろくの川だいこ」
14、5歳児・職員  うた「梅の花ひらけ・一つのこと」


今回、会場を美濃保育園の「新しい遊戯室」で行いました。
平成24年中は8ヶ月にわたり、遊戯室の改築を行っていたそうです。
木の香りのする真新しい遊戯室。木のあたたかな感触の床板でした。寒かったと思いますが、裸足で演技をしていました。その自信に満ちた顔が何ともいえずかわいらしかったこと。
歌声も自信にみて、体いっぱいつかって表現をしていました。
手の指先、つま先の伸びとてもきれいです。
さらに、対応関係が一人一人の中でできるようになるといいなあと思いましたが、
私の欲なんでしょう。
「あほろくの川だいこ」をはじめ、感動でなみだを浮かべて見ていた人がたくさんいました。

返信する
ああ!みんなの参考になるね (Mrヒデ)
2013-02-26 12:34:17
 いつもそうですが、研究会でやったことを更に深め、写真や図も沢山つかって、わかりやすくまとめてくれています。ほんとうに参考になります。私が現役の教師ならすぐにでも実践したいです。
 今回の「スーホーの白い馬」も「自画像」も私たちの研究会で学んだことと、さらに一歩深めてどのようにしたらよいかまとめてくれています。ありがたいです。
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