音楽でも体育でも、数多く、ちょっとずつ色々なことに取り組んでも、あまり効果はありません。
もちろん図工でも同じことが言えます。
数の多い少ないではなく、誠実に全力を出して一つの作品を追求することで子どもは育ちます。
そうした態度を子どもたちに養わなくてはなりません。
すると、どんな題材を与えるかが大事になります。
1、何を題材に
○ その時期の子ども達の心を深くとらえるもの
○ 生き物・本物・ある程度の大きさがあるもの・目新しいもの・新鮮なもの
○ 多方面から追究(触発)できるもの
○ 多様なとらえ方が可能で、造形的におもしろいもの
※ 深いところから心をひかれないと、奥底からのからの表現につながりにくい
2、題材との出会い
○ 題材をどのように与えるか。どう出会わせるか。
○ 子どもの心をわくわくさせる。描いてみたくてたまらない気持ちでいっぱいにする。
○ 教師がそのものをどれだけ深くとらえているかという教材解釈の深さ。
区切って見る/動作化する/体験する/ふれあう
【思い出のランドセルを描こうの例】
まずは、意欲を高めます。
T:6年間お世話になったランドセルを、よく見てごらん。
色々な思い出がわき起こるよね。
S:おばあちゃんが、入学のお祝いに買ってくれたんだよ。
S:青にするか、茶色にするかさんざん迷ったよ。
S:1年生の頃は、肩ベルトを一番小さくしていたけど、もう3つも穴の位置が大きくなったよ。
S:ここの傷は、乱暴にあつかったときについたよ。
ここが、いい絵を描かせるための、大事なところです。
なぜ描くのか分かると、意欲的に見ます。
思い出があるから、愛おしく思い、上手に描こうと思います。
6年生にとっては日頃見慣れているランドセルが、卒業が間近になると「6年間の思い出が積もっている」とても貴重なものであると思います。
意欲が高まったところで
T:今回はよく見て、一途な思いを描くために、サインペンで下絵を描きます。
T:立体的に描くためには、なるべくたくさんの線を見つけます。
T:くっきりした線と、薄い線を見つけなさい。太字と細字でそれを区別して描きなさい。
と指示します。
まずは、それぞれのこだわりのある一部分だけを、拡大してじっくりと描かせます。
意欲があれば、
T:ランドセルの中に、平行な線を見つけた人がいるのだけど、どこに並行があると思いますか?
S:ここと、ここが並行だね。
S:ここも並行だよ。
S:こことここは、垂直だよね。
T:ここを、まっすぐに描いている人と、曲がって描いている人がいるけど、どっちが本物みたいに見える?
S:曲がった方が立体的に見えるね。
S:ランドセルも直方体だから、奥行きが感じるように曲げた方がいいね。
こうして、一人の学びを全員の学びへと高め、共有させていきます。
50回 | 2月14日 | 土 | 9:00 | 15:00 | 浜北文化センター | 第1会議室 |
51回 | 4月11日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第1会議室 |
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