トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

太いなあ…細いなあ…

2021-03-01 | 感じるままの回り道
 2月半ば、ニホンアカガエルは産卵が始まって卵塊も揃った。そろそろヒキガエルの産卵も始まる頃で水辺の補修作業はオタマジャクシが現れる前に済ましておかなければならない。そこで暖かい1日、地拵えを中断して護岸用の丸太を調達に林内に入った。太いのは多いけれど適径木となると少なく、更に近くにあって除伐対象として良いと判断できるのは更に少なくなる。
 この日も牽引労力を考慮して曳き出しやすい場所を探したのだが、どの場所も陥没孔の縁だったり急傾斜の場所だったりと条件が悪い。それでも「適径か⁉」と思いつつ伐採したのだが玉切りし、いざ曳き出す時は「太いなあ!」が実感なのだった。

 玉切りした材にロープを掛け曳いて現場まで運んだのだが一回に曳ける量は30cm程度で、これがほんとの尺取虫であろう。長さ3m、平均直径25cmの生丸太の重量計算はしては無いけれど、とにもかくにも運ばねば用材が無い。ところが身体を軋ませ歯を食いしばり足元を固め腰を据え、ようやくグイッと曳いて運んだ丸太材は現場に据えてみれば「あーあ、細いではないかいのぉー」と愚痴のひとつも出ようかと言う印象に過ぎなかった。
 確かに池内の沈泥流路とした用材に比較すれば太いのだが、水際線の破壊行為を緩和させるための丸太としてはやや不満が残った。とは言えこれより太くすると運搬移動が困難になるし、我が歳腰ではそうそう曳き馬などやりたくもないのだったものの現実が許さない。補修は粛々と行うしかなく年々縮々となりつつもやらねば維持できない自転車操業水商売なのだった。

 こんな事は効率性も経済性も合理性も欠けていて浮世の風潮に逆行しているのは分かっても、それだけでは済まされない底辺の塵芥のよう活動の比重が解ってからは脱出するにはもう遅いのだった。なにせ既に姥捨て山に置かれた身なのである。