「ボ・モージョって人知ってます?」
「ボ・モージョですか?」
「そうです」
「日本人なんですけど.......本名を鈴木さんっていう人で」
そこまで言いかけるとガイドのTさんは、
「ボって軍人に付く称号なんです。モージョって雷って意味ですね」
と解説を始めた。
話しぶりからすると「ボ・モージョのことはちゃんと知ってますよ」という感じだったがニコニコしたまま詳しい話を本人がすることはなかった。
多分、微妙な時代に生きた人の話だからだろう。
ボ・モージョ。
本名鈴木敬司。
階級大佐。
第2次世界大戦中にミャンマー(旧ビルマ)へ工作員として侵入し、スーチーさんの父であるアウンサン将軍や後に独裁政治を展開したネ・ウィン大統領などを極秘裏に日本へ送り込み日本流の軍事教練を施してビルマ独立義勇軍を編成。
ミャンマーのイギリスからの独立を支援した帝国日本陸軍軍人だ。
私はこの鈴木敬司という人にかなり以前から興味を持っていた。
「ミャンマーにはミャンマー人を名乗って活躍した日本人がいた」
ということはかなり以前から耳にしていた。
初めてのミャンマー旅行へ行くことになる1年ほど前に読んだ「ビルマの夜明け」というバー・モウ博士(日本がミャンマーを独立させた1943年時点の首相)が戦後記した著書のなかに「ボ・モージョ」の名前が頻繁に登場し、興味はますます募ったのであった。
ボ・モージョは日本軍人でありながらミャンマーを愛し過ぎ、英国を追い出した後、日本軍が軍政を敷いたことにも否定的な意見を持ち、常にミャンマー人の立場になって日本陸軍と交渉にあたっていた、ある意味ユニークな人物だ。
最終的には更迭され東京へ連れ戻されるのだが、ミャンマーと日本に及ぼしたこの鈴木大佐の影響は少なくない。
どういうことか、この鈴木大佐に関する書物が少なく、探していたところ本書に出会い若干高価ではあったものの思いきって購入した。
ただ内容は私の期待に沿うものではなかった。
タイトルに鈴木敬司の名前があるにも関わらずボ・モージョに関する記述があまりにも少なかったのだ。
私自身、ミャンマーへは幾度となく足を運んでいるので風景や人心の描写は自然に感じるのだが、いかにせんドキュメンタリーとして詰めが甘い上、タイトルと内容の一致が少ない。
筆者はまだまだ書き進んで行くつもりのようだが、第2巻が出たとしても多分買わないと思う。
良いテーマなのに非常な物足りなさを感じる残念な作品だといえるだろう。
~「ビルマの大東亜戦争 雷帝と呼ばれた男/鈴木敬司」伊地知良雄著 元就出版社刊~
「ボ・モージョですか?」
「そうです」
「日本人なんですけど.......本名を鈴木さんっていう人で」
そこまで言いかけるとガイドのTさんは、
「ボって軍人に付く称号なんです。モージョって雷って意味ですね」
と解説を始めた。
話しぶりからすると「ボ・モージョのことはちゃんと知ってますよ」という感じだったがニコニコしたまま詳しい話を本人がすることはなかった。
多分、微妙な時代に生きた人の話だからだろう。
ボ・モージョ。
本名鈴木敬司。
階級大佐。
第2次世界大戦中にミャンマー(旧ビルマ)へ工作員として侵入し、スーチーさんの父であるアウンサン将軍や後に独裁政治を展開したネ・ウィン大統領などを極秘裏に日本へ送り込み日本流の軍事教練を施してビルマ独立義勇軍を編成。
ミャンマーのイギリスからの独立を支援した帝国日本陸軍軍人だ。
私はこの鈴木敬司という人にかなり以前から興味を持っていた。
「ミャンマーにはミャンマー人を名乗って活躍した日本人がいた」
ということはかなり以前から耳にしていた。
初めてのミャンマー旅行へ行くことになる1年ほど前に読んだ「ビルマの夜明け」というバー・モウ博士(日本がミャンマーを独立させた1943年時点の首相)が戦後記した著書のなかに「ボ・モージョ」の名前が頻繁に登場し、興味はますます募ったのであった。
ボ・モージョは日本軍人でありながらミャンマーを愛し過ぎ、英国を追い出した後、日本軍が軍政を敷いたことにも否定的な意見を持ち、常にミャンマー人の立場になって日本陸軍と交渉にあたっていた、ある意味ユニークな人物だ。
最終的には更迭され東京へ連れ戻されるのだが、ミャンマーと日本に及ぼしたこの鈴木大佐の影響は少なくない。
どういうことか、この鈴木大佐に関する書物が少なく、探していたところ本書に出会い若干高価ではあったものの思いきって購入した。
ただ内容は私の期待に沿うものではなかった。
タイトルに鈴木敬司の名前があるにも関わらずボ・モージョに関する記述があまりにも少なかったのだ。
私自身、ミャンマーへは幾度となく足を運んでいるので風景や人心の描写は自然に感じるのだが、いかにせんドキュメンタリーとして詰めが甘い上、タイトルと内容の一致が少ない。
筆者はまだまだ書き進んで行くつもりのようだが、第2巻が出たとしても多分買わないと思う。
良いテーマなのに非常な物足りなさを感じる残念な作品だといえるだろう。
~「ビルマの大東亜戦争 雷帝と呼ばれた男/鈴木敬司」伊地知良雄著 元就出版社刊~
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます