とりがら時事放談『コラム新喜劇』

政治、経済、映画、寄席、旅に風俗、なんでもありの個人的オピニオン・サイト

軍事政権を終わらせるもの(ミャンマー)

2007年09月29日 17時31分58秒 | 国際問題
ついにミャンマーの友人Tさんと連絡が取れなくなってしまった。
これは何も彼女がデモに参加して当局に拘束された、なんて恐ろしい話ではなく、昨日からミャンマーと外国を結ぶインターネットのラインが政府によって遮断されてしまったのだ。
したがって、唯一の連絡手段だった電子メールが使えなくなってしまった。

実はミャンマーの通信系インフラは様々だ。
通常インターネットは政府の管轄下にあり、日本の海を挟んで「大陸にいる迷惑な隣人」と同じく政府が検閲を行っており、認められているサイトしか繋がらない。
もっともこれも「大陸にいる迷惑な隣人」の国と同じく大部分はアクセス可能なのだが、例えば暫く前まで一般回線で「Yahoo JAPAN!」に接続できなかった。
で、一般回線以外でなら接続できるというのがこの国のすごいところで、闇回線が張り巡らされているのだという。

つまり政府がインターネットの回線を遮断しようが闇回線を使えば繋がるわけで、そこんところが中途半端というところだろう。
ただし、友人のTさんはこの回線を使えない。
彼女は私の他の女性の友人と同じように「勇気」があって「堂々」としていて「行動力」が備わっているが、これも他の友人と同じように「賢い」ので、闇のネットサーフィンを今現在、トライすることはないだろう。

また衛星放送が一般的なのでタイやインドの衛星から流れてくるCNNやBBC、ついでにNHKの放送も遮断することはできない。

正直言って、私は軍事政権はかなり真面目にやっていたと信じていた。
旅の途中でたまたま接した兵士などは礼儀正しく威圧的な感じがまったくしなかった。
ヤンゴンの中央市場で、
「写真を写してはイカン!」
と私に注意した地位のありそうな役人は叱るときは怖い表情だったが、すぐに笑顔になって立ち去った。

今回の事件を目にすると、この軍事政権はやはり倒さねばならないのだろうな、と思わざるを得ない。
自国民に対して銃口を向け引き金を引く軍隊は軍隊ではない。
「大陸の迷惑な隣人」にはポピュラーな軍閥か山賊の一種でしかない。

しかし、ミャンマーでは国軍が圧倒的な強さをもち、まともな人々が容易に政権を奪取することは困難だろう。

このように一般国民と比較して、あまりに大きな政治権力を打破する方法は一つしかないことを、悲しいことだが歴史は証明している。

クメールルージュの大圧政下、カンボジアの多くの人々の命を救ったのは隣国ベトナム軍よる侵攻とその後の占領だった。
旧ユーゴスラビアの対立を打破したのもNATO軍の武力だったし、遡れば朝鮮半島で李朝の無能と圧制と差別社会から人々を解放したのは皮肉なことに日韓併合だった。

ミャンマーの軍事政権を打破するには外国の力が必要なのかもわからない。

軍事政権の基礎を作ったのは我が日本。
その後始末をすることを考え、インド洋に展開している護衛艦を1隻エヤワディ川の河口にでも派遣してみてはどうだろう。

それにしてもTさん。
無事でいるだろうか...........。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿