ずーと昔、ラジオ大阪で放送されていた「歌って笑ってドンドコドン(以下、ドンどドコ)」という番組で、パーソナリティの上岡龍太郎が、
「中村美津子みたいなオバハンが宣伝している「米」なんか、まず~て食えるかい!」
と大声で話していたことがある。
当時、演歌歌手の中村美津子は関西の自主流通米の宣伝をしており、
「こんなオバハンが宣伝してたらとても美味そうに見えん」
と思っていた私も、この上岡発言に、
「そんなこと言うてもええんかいな」
と思いつつも深く深く同意したのであった。
その中村美津子が唄う「河内十人斬り」という歌を聴きたくもないのに偶然聴く機会を得た。
河内十人斬りは明治のはじめに実際にあった殺人事件をもとにした浪花節で、一部の人(浪花節ファン)には知られている有名な話だ。
したがって私はまったく知らなかった。
これを歌にしてCDを出したのが中村美津子で、その歌の中の目玉は、セリフがあること。
それも一般に知られている「汚くてガラの悪い」河内弁で、正直聴くに耐えないものがあった。
あまりに汚いので「エエかげんにセエッ!」とこちらも汚い言葉で怒り心頭に発したので、この「汚い言葉」を今日のブログのネタにしようと考えたのである。
全国一般の人々は今東光氏が作り上げた河内のイメージが「大阪を代表する」イメージのひとつであると思い込んでいるところがある
その重要な要素が「ガラの悪い」河内弁。
一般的に「おどれ~(オマエの意)」「けつかる(しているの意)」「われ(あなたの意)」などの河内言葉は正確には河内の「最下級階層の言葉」または「虚構の言葉」ということは、まったくといっていいほど知られていない。
もともと河内は大阪の東南部の農村地帯であり、そこには広大な(と言ってもオーストラリアやアメリカの農場を想像してはいけない)農園を庄屋が運営し、小作人が耕作に従事するという構図が存在した。
この庄屋を中心とする河内で使用された言葉は本来「船場言葉」なのであった。
意外に思われるかも知れないが、これは事実である。
船場言葉はいわゆる上方語で、上品で、かつ商いに用いる為に広まった非常にフォーマルな言葉なのであった。
現在、テレビドラマなどにみられる「○○でっか?」とか「○○でおまんねやわ」「番頭はん」「旦那はん」という言葉は、テレビや映画の為に作られた偽の船場言葉なのである。
実際の船場言葉は現在の東京を起点にする標準語に近かったという。
というのも江戸の言葉は骨格が上方語に分類されるそうで(確か上智大学(当時)の金田一春彦先生がNHKの市民大学講座でおっしゃっていた)、上方語に東言葉が組み合わさって誕生したのが江戸山の手言葉や一部の下町言葉なのだそうだ。
以上、少しく余談。
もともと河内は大阪の商家への重要な人材派遣元であり、商家で働く丁稚や手代、女中等の供給先として重要な役割を果たしていたのだ。
だから、河内の者が大阪の中心地、船場や島の内の言葉を話したとしても、なんら不思議はないのである。
きっと、河内者の微妙な訛りが冗談好きの大阪で受け、その結果として異常に誇張された現在の「汚らしい」河内弁が誕生したのだろう。
これには証言がある。
私事で恐縮だが、私の母方の祖母は河内藤井寺の出身で、実家は桑山という庄屋なのであった。
農地解放以前は藤井寺でも屈指の庄屋だったらしく、若い(10代の)頃の母が曽祖父に会う為ここを訪れると一家総出で大歓迎してくれるのだが、曽祖父は超厳格で船場言葉しか話さず、母の堺なまりまで修正するしまつ。
当然、小作人の方々もちゃんとした言葉遣いで「キチンとしていた」という。
したがって昔から中村美津子の吐くような河内弁をテレビなどで聞くと母は必ず、
「あれはウソやで。間違えた河内弁やから」
とまだ意味の分らない子供の私に説明してくれたものだった。
ということで中村美津子の歌は、そういう歴史文化事実と異なった全国民が期待する汚い言葉をCDに吹き込んだことにより、金儲けを企てているつまらない代物だ。
が、当人は気づいていないだろうが、このような行動はありもしない南京大虐殺や日本兵による百人斬り、従軍慰安婦などを喧伝し売国行為を働いている朝日新聞や社民党とまったく異ならない。
まさしく浪花のイメージを自ら汚す大阪人なのだ。
「ドンドコ」で「こんなオバハン」呼ばわりされた根拠は、まったくなくはなかったわけだ。
(参考)
ちなみに船場で使われた言葉は次の通り。
「○○でっか」×→「○○ですか?」○
「○○でおまんねやわ」×→「○○でございます」○
「番頭はん、旦那はん」×→「番頭さん、旦那さん」○
吉本新喜劇はめちゃくちゃですが、落語などは結構正しい言葉を使用しています。
また船場、島の内は現在の土佐堀通りから南、長堀橋辺りまでを指ます(間違っているかも知れませんが)
地下鉄の駅で言うと淀屋橋、本町、心斎橋、北浜、堺筋本町、長堀橋など。この地域で住友や鴻池(現UFJ)、大丸、そごうが創業している。
「中村美津子みたいなオバハンが宣伝している「米」なんか、まず~て食えるかい!」
と大声で話していたことがある。
当時、演歌歌手の中村美津子は関西の自主流通米の宣伝をしており、
「こんなオバハンが宣伝してたらとても美味そうに見えん」
と思っていた私も、この上岡発言に、
「そんなこと言うてもええんかいな」
と思いつつも深く深く同意したのであった。
その中村美津子が唄う「河内十人斬り」という歌を聴きたくもないのに偶然聴く機会を得た。
河内十人斬りは明治のはじめに実際にあった殺人事件をもとにした浪花節で、一部の人(浪花節ファン)には知られている有名な話だ。
したがって私はまったく知らなかった。
これを歌にしてCDを出したのが中村美津子で、その歌の中の目玉は、セリフがあること。
それも一般に知られている「汚くてガラの悪い」河内弁で、正直聴くに耐えないものがあった。
あまりに汚いので「エエかげんにセエッ!」とこちらも汚い言葉で怒り心頭に発したので、この「汚い言葉」を今日のブログのネタにしようと考えたのである。
全国一般の人々は今東光氏が作り上げた河内のイメージが「大阪を代表する」イメージのひとつであると思い込んでいるところがある
その重要な要素が「ガラの悪い」河内弁。
一般的に「おどれ~(オマエの意)」「けつかる(しているの意)」「われ(あなたの意)」などの河内言葉は正確には河内の「最下級階層の言葉」または「虚構の言葉」ということは、まったくといっていいほど知られていない。
もともと河内は大阪の東南部の農村地帯であり、そこには広大な(と言ってもオーストラリアやアメリカの農場を想像してはいけない)農園を庄屋が運営し、小作人が耕作に従事するという構図が存在した。
この庄屋を中心とする河内で使用された言葉は本来「船場言葉」なのであった。
意外に思われるかも知れないが、これは事実である。
船場言葉はいわゆる上方語で、上品で、かつ商いに用いる為に広まった非常にフォーマルな言葉なのであった。
現在、テレビドラマなどにみられる「○○でっか?」とか「○○でおまんねやわ」「番頭はん」「旦那はん」という言葉は、テレビや映画の為に作られた偽の船場言葉なのである。
実際の船場言葉は現在の東京を起点にする標準語に近かったという。
というのも江戸の言葉は骨格が上方語に分類されるそうで(確か上智大学(当時)の金田一春彦先生がNHKの市民大学講座でおっしゃっていた)、上方語に東言葉が組み合わさって誕生したのが江戸山の手言葉や一部の下町言葉なのだそうだ。
以上、少しく余談。
もともと河内は大阪の商家への重要な人材派遣元であり、商家で働く丁稚や手代、女中等の供給先として重要な役割を果たしていたのだ。
だから、河内の者が大阪の中心地、船場や島の内の言葉を話したとしても、なんら不思議はないのである。
きっと、河内者の微妙な訛りが冗談好きの大阪で受け、その結果として異常に誇張された現在の「汚らしい」河内弁が誕生したのだろう。
これには証言がある。
私事で恐縮だが、私の母方の祖母は河内藤井寺の出身で、実家は桑山という庄屋なのであった。
農地解放以前は藤井寺でも屈指の庄屋だったらしく、若い(10代の)頃の母が曽祖父に会う為ここを訪れると一家総出で大歓迎してくれるのだが、曽祖父は超厳格で船場言葉しか話さず、母の堺なまりまで修正するしまつ。
当然、小作人の方々もちゃんとした言葉遣いで「キチンとしていた」という。
したがって昔から中村美津子の吐くような河内弁をテレビなどで聞くと母は必ず、
「あれはウソやで。間違えた河内弁やから」
とまだ意味の分らない子供の私に説明してくれたものだった。
ということで中村美津子の歌は、そういう歴史文化事実と異なった全国民が期待する汚い言葉をCDに吹き込んだことにより、金儲けを企てているつまらない代物だ。
が、当人は気づいていないだろうが、このような行動はありもしない南京大虐殺や日本兵による百人斬り、従軍慰安婦などを喧伝し売国行為を働いている朝日新聞や社民党とまったく異ならない。
まさしく浪花のイメージを自ら汚す大阪人なのだ。
「ドンドコ」で「こんなオバハン」呼ばわりされた根拠は、まったくなくはなかったわけだ。
(参考)
ちなみに船場で使われた言葉は次の通り。
「○○でっか」×→「○○ですか?」○
「○○でおまんねやわ」×→「○○でございます」○
「番頭はん、旦那はん」×→「番頭さん、旦那さん」○
吉本新喜劇はめちゃくちゃですが、落語などは結構正しい言葉を使用しています。
また船場、島の内は現在の土佐堀通りから南、長堀橋辺りまでを指ます(間違っているかも知れませんが)
地下鉄の駅で言うと淀屋橋、本町、心斎橋、北浜、堺筋本町、長堀橋など。この地域で住友や鴻池(現UFJ)、大丸、そごうが創業している。
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