とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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お笑い芸人の笑えないコメント

2006年04月21日 21時26分55秒 | 社会
「日本は韓国に悪いことしてきたんやから竹島ぐらい韓国にあげたらええんちゃうの」

当ブログのご意見番の一人、ハンドルネーム船長さんの情報によると、桂米朝一門の重鎮で、枝雀一門筆頭である落語家の桂南光氏が関西ローカルのテレビ番組で上記のような発言をしたという。

いつの頃からかお笑いタレントがテレビ番組で知識人然として政治経済に関するシッタカコメントを述べるようになった。
この傾向は島田紳助氏が報道番組のキャスターになったあたりからではないだろうか。

本来、漫才や落語、講談といった演芸のなかで語られる政治ネタ、経済ネタはウイットに富んだ笑えるものでなければならない。にも関わらず、最近のお笑い芸人によるコメントは先に述べたように笑えないものが増えてしまった。

「辻元清美さんは執行猶予中の身ではありますが、積極的な行動力は評価できるでしょう。選挙運動は頑張ってもらいたいもんですね」
というのは河内音頭取りの河内屋菊水丸氏がラジオで度々語っていた内容だ。
どういった経緯で執行猶予が付いているのか。どういう理由で前職を解雇されたのか。そして選挙資金やその基盤となっている組織がどういう反政府雨滴組織であるのかを、菊水丸氏はまったく理解していないのか覆い隠そうとしている。

「ブラックバスの駆除は外来種への差別である」
と発言するのは元シンガーの清水国明氏。
誰が最初に放流したのか不明だが、琵琶湖で本来生息しないはずのブラックバスが繁殖し、琵琶湖の在来種であるニゴロブナや鮎などが生態系を荒らされて激減している。
これを問題視した滋賀県や地元漁協がブラックバス退治に乗り出したら、清水氏は自己の支持者を集めて冒頭のステートメントを発表した。
まるでブラックバス駆除が外国人差別であるような表現だ。

お笑いが口にする政治経済ネタは、本来市井の人々が口にしたいけど誰も言わない、なかなか言えない本音を笑いというオブラートに包んで発言するから面白かった。
ボヤキ漫才人生幸朗生恵幸子の漫才の面白さはその代表だった。

日本人は普段腹が立つことがあっても口に出して直接主張する文化を持ち合わせていないのが特徴だ。
むしろ不満や反論があっても、それを口にしないことが美徳というのが日本文化だ。
だから「日本は悪い」と言われても口では反論せずに、態度で示してきた。
「日本は歴史を歪曲している」と言われても、正論をもって話し合いをし、むちゃを言う二つの隣国との妥協点を見つけようと努めてきた。
しかしそのどれ一つをとっても理解されないばかりか、逆手にとって玩ばされているのが現実だ。
で、日本人は怒っている。
猛烈に怒っている。
でも、口に出さない。
だから、
「日本は韓国に悪いことしてき、たんやから竹島ぐらい韓国にあげたらええんちゃうの」
と見当違いなコメントを発するお笑い芸人は、日本の芸人という意味で完全失格と言えるだろう。


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