とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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見ていて恥ずかしいお笑い芸人

2008年05月07日 21時13分48秒 | 音楽・演劇・演芸
最近見ていてこっちが恥ずかしくなるお笑い芸人が増えてきた。

明らかに滑っているのに、周囲がちやほやしていしまうので、
「お、自分は面白いんだ」
と勝手に思い込み、面白くもない「ギャグ」を連発する。



こういう芸人さんに限って「私はお笑いに命を懸けてます」というわけの分からない気迫があるのだが、その大部分は師匠を持たないお笑い専門学校の卒業生で、命を懸けている割には安穏な経過をたどってディスポーザブルな芸人になっているのだ。
つまりマニュアルに則ったマクドナルドのハンバーガーの包み紙ような笑いを提供するのが彼らの特長なのだ。

最近売れていると言われる「エド・はるみ」という芸人さんなどはその最たるもの。
「グ~」と親指を突き出すことが彼女の「ギャグ」なのだそうだが、先日関西テレビの「平成教育予備校」で初めて見て、思いっきり恥ずかしくなったのである。
もちろん、私が。

同世代と思われる中年のオバサンが「グー」などというちっとも面白くない「動作」を、同じくちっとも面白くない雰囲気で面玉ひんむいて言っているものだから、痛ましくもあるのだ。
だれも「そんなん、おもろないで」と言ってあげる人は彼女の周囲にはいないらしい。

しかし、テレビは違うようだ。

こういう何が面白いのか分からないような芸を「ギャグ」などと言って持ち上げるテレビ局の感覚を私は理解することができない。
どうせ毎年のように出てくる使い捨ての芸人さんなのだろうが、国から免許を貰って公共の電波で放送している放送局なのだから、
「公開はYouTubeで十分なレベル」
の芸人さんの起用はもう少し考えていただきたいものだ。

ところで、こういう「面白くない芸人さん」がはやっている背景には、もしかすると自分の笑いの感覚がマヒしているのではないか、という恐れもある。
つまり自分の感覚がずれてしまい、私は面白くないが周囲は面白く感じている、という恐れが浮かび、一応自分をチェックすることにした。

まずこのGWに購入した「吉朝庵 第二弾」というDVDを見た。
これは研ぎ澄まされた大人の芸ということもあり、米朝一門の芸、ということもあり、尤も、そんなことを抜きにしても面白く感じることができた。
これは先年病没した桂吉朝さんの落語のDVDなのだが、こういう正当な笑いは理解できる能力を私は持っているようだ。
で、さらに昨日梅田ガーデンシネマで見た「愛すべきひとたち」の予告編も妙に受けてしまったので、スウェーデンのギャグでも問題なさそうなのだ。

ということは、やはり最近のお笑い芸人さんは普通ではないということなのか。

まだまだ調査は必要なようだ。