とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマーのサイクロン

2008年05月06日 09時39分25秒 | ミャンマー旅行記・集
勘違いするといけないので、予め断っておくと上はちょうど去年の今ごろ、ミャンマーのヤンゴンに近いバゴーという街を訪れた時の写真。

私は土砂降りのなかゴールデンロックで有名なチャイティーヨーパゴダを参拝したが、あまりに雨がひどいのでホテルで前日からまる一日を過ごし、境内にお参りすることなく下山。

「シッタン川は渡れるんやろか」

という不安のもとバスに乗車。
無事シッタンの鉄橋を渡りバゴーまで戻ってきた時の光景が写真の通り。

街は低所は洪水で沈み、その中をバイクや自動車、自転車などが行き来する状態。
バゴーの寺院へのお参りもそこそこにヤンゴンへ向けてハイウェイを走り始めたが、車窓からの形式にぼう然とした。

ハイウェイ両側の田園地帯は全て洪水に沈み、ハイウェイも片側車線が完全に冠水して片側対面通行になっていた。

「政府はなにかしてくれるんですか?」

という私の問いにガイドのTさんは、

「するわけがありません。」

政府は何もしないと明言したのに付け加え、洪水でダメになった田んぼの借金を農民が背負うことになり、またまた生活が苦しくなるという話をしてくれた。
ミャンマーは一種の社会主義国家体制ではあるわけで、社会主義であればこういう大災害が起これば国や州は総力を挙げて国民を救済するミッションに勤めなければならないはず。
でもこの国では被害に遭った農民やその他の人びとが新たな借金苦を背負うのが関の山で、国は何もしないのだという。

そのミャンマーが昨年の洪水など話にならないほどの被害をサイクロンで受けているという。
CNNで放送された映像を見る限り、ヤンゴンの中心部でも被害は相当な模様で、災害のことなどまったく留意せずに建てられた木造住宅の多い郊外はきっと壊滅状態になっているに違いない。
また木造住宅なんてのは良い方で、ニッパヤシで建てただけの掘っ立て小屋のような田舎の乏しい農民の住居などは吹き飛ばされているに違いない。

ミャンマーの軍事政権はやっと各国の出先機関に対して救助を要請したようだが、遅すぎやしないか?

この災害で被災した市民を救済するのはきっと軍ではなくて僧院などの仏教機関。
家を失った人たちが頼るところはお寺しかないというのが実情だろう。
また、人を救うのが出家の仕事。
きっとお坊さんたちがあれこれと世話を焼いているに違いない。